3.11 から1年 … 身近な幸せを考える

3.11 から1年 … 身近な幸せを考える

3.11 東日本大震災から1年が過ぎました。みなさま、いかがお過ごしでしたでしょうか。

起業した人、被災地のボランティアにフルタイムで入った人、追われてしまった人、動きが取れなくなってしまった人、そして…僕もそうですが…今まで取り組んでいる仕事に引き続き取り組む人、それぞれいらっしゃいます。そんな中でも、震災前にお会いした多くの人とこの1年で生きて再会できた事が、何よりと思っています。

ただ、一つ言える事は、震災前と「世界」が変わりました。多くの人とお話ししていると、それを「震災前を思い出す事が出来ない」や「エンジンがかかった」や「ガラッと変わった」など、言葉こそ違いますが一人一人が感じていらっしゃいます。では「世界」とは何でしょうか。

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■明日「死ぬ」かも知れない

今年の3月5日に、私の祖父が亡くなりました。91歳でした。70代まで仕事をし、大病をせずいつも元気に過ごし、そしてついこの前の正月も一緒に祖父が大好きな麦焼酎「いいちこ」を一緒に飲んでいた矢先、突然のことでした。心不全…まさに「ぽっくりと」亡くなりました。葬儀には、会場に入りきれない程の方に参列いただきました。

正直、3.11の出来事は自分にはあまりに大きすぎて「死ぬ」ことがよくわからなくなっていました。その中で、身近でいつもそばにいてくれた祖父が亡くなった事実に触れたことで、改めて、人は死ぬ、そしてそれは明日、いや、この今の一瞬なのかもしれないことを現実として捉えられるようになりました。

死と言うのは、とても身近な事なのかもしれません。

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■身近な幸せ考える

僕は、つい最近まで、自分の仕事をを通じて「世界を変えたい」と考えていました。そしてビッグになりたい、と。これは、20代前半に経験した成功体験が後押ししていました。一方で、自分自身の家族・友人・仲間・身近なお客様に対してはどうだったでしょうか。何か大きな事を成し遂げようとするあまり、小さな事だと蔑ろにしていた所があったのかなと、思うようになりました。

これまで、自分自身ではプライドを持って物事にあたってきたつもりですし、今の状態は決して恥ずかしい状態ではないと自信を持っています。ただ、今の状況から更に次へ進めるのか、少しずつ不安が高まっていたのは事実です。同時に、身近な人の幸せに対して心を配れていなかった事に、薄々後ろめたさを感じていました。また、長距離を短距離走のペースで走り続けてきたせいか、30歳になりましてさすがにしんどくなってきました。どこかで無理をしていたのかもしれません。

自分自身の心に何か満たされていない事を感じていたのは、身近な幸せを自分で感じようとしなかった所にあったからだと、思っています。

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■これから

生きて行く上で、これからどうするか。それは、「継続する」事と「身近な人の笑顔を大切にする」をテーマに進みます。

まずは、自分自身の事です。この事については、家族や友人にいろいろ心配をかけ続けてしまいました。自分自身の「継続」と言いますと、多くの人は「身を固める」事だと考えていらっしゃるはずです。恐らく、その多くの人たちと近い価値観で動くつもりです。ただ、こればかりは段取りと言うものはありませんので、無理をせずやって行くようにします。

続いて、大学院です。単位は取り終わり、修士論文の執筆に注力するばかりとなりました。不思議とテーマが「身近な幸せ」に通ずるものがあります。また、科学的にやることで、実務・現実の世界とは違った観点でこれからを見据える事が出来るのではと、考えています。

そして、仕事の事です。大きな事の前に、小さな事からこつこつと。身近な仲間やお客様と、技術者としての責任を伴いつつ楽しく日々を過ごせるよう接して行くようつとめていきます。

継続と死は正反対のことであります。しかし、死した時・破壊された時にその継続が何だったのかがはっきりします。そう思うと、今やっている事は全て積み重なることを意識し、そして 3.11 や故人を偲び、生きる事の大切さを知りました。それが、一人一人の「世界」になって行くのだと私は理解しています。

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