ビジネス

大学へ進学する意味はどこまであるのだろう

■大卒内定率がかなり低いらしい

社説:大卒内定率68.8% 大寒波で春が見えない – 毎日jp(毎日新聞)
図録▽就職内定率の推移(大卒)- 社会実情データ図録

ここ2〜3年、大卒内定率ががくんと下がっている報道をよく聞きます。実際、2009年度以降から下がり基調です。ちょっと前まで売り手市場、さらに僕らが働き出した2000年前半は就職氷河期と言われ内定率が低い時代でありました。

そんな中、中小企業に勤めているともうちょっと人がいてもいいなと考えますが、それではがさっと人を取るのかというと取りません。僕が生業としているコンピュータエンジニアというのは、ただ単に人を増やせばいいのではなく、コンピュータの知識を獲得し商品に形作る力が無くてはなりません。若い人に教えることができない訳ではありませんが、全くプログラムが書けない人に教える時間はありません。Web関連開発であれば、小さくても1本でもいいですから個人でサービスをあげたことがある力が欲しいのが現場の希望です。

■海外からの雇用が増えているようだ

ここ最近、内定率が下がっている割には、海外から人材を迎える事例が増えているようです。

電機各社 新卒採用で外国人増 NHKニュース
増大し始めた外国人新卒採用。中国人は7万3000人弱 – 東洋経済オンライン

NHK ニュースによると、新興国で展開するにあたって現地に精通した人を雇おうという考えです。それ以上に重たい内容が、東洋経済の記事にある『優秀な人材を確保するため』という理由です。能力が高ければ国籍はあまり気にしませんという企業の姿勢が見えています。

以前、ベトナムへ足を運んだ際に感じたのは、大学へ進学して勉強している学生の方々は一所懸命に勉強しているのです。また、一例としてコンピュータサイエンスの勉強をする場合は日本のように母国語の技術書が充実している訳ではないので、必然的に同時に英語の勉強も進んでいます。既に働いている自分でさえ危機感を持ちました。「食べるために」そして「成長の最前線に立ちたい」という意識の強さが、そうさせているのでしょう。

■大学へ行く意味があるのか

では、働いて食べるにあたって大学へ行く意味があるのか?と考えます。僕はありだと考えますが、それは条件付きです。ぱっと浮かぶのは次の3つ。

  • 興味のある分野の研究に打ち込みたい
  • 専門知識を得て社会に出たい
  • とにかく学歴が必要 (特に医者・公務員など)

少なくても、のんびりとモラトリアムの時間として過ごす場ではないことは確かです。そんなことをしていれば、先のニュースのように外国の新卒、特にアジア各国からやってくる成長に貪欲な同世代にどんどん仕事を持って行かれることでしょう。

また、就職活動は3年目から始めますが、勉強よりも就活のほうが忙しそうな学生さんも見ます。就職フェアに参加して、会社説明会に行って、OB & OG 訪問をして、エントリーシート(ES)を書いて、何社も面接して…と就職するために活動しているはずが、いつの間にか働き出してから必要な力をつける機会を逸しているというのは、何と言う矛盾でしょうか。文系ならまだしも、理系だと卒論が待っている学生さんは多いはずですから、さらにきついですよね。

■先に働けや

自分自身と比べるのは極端かもしれませんが、そんなことをしているのであれば高卒で働けと思うのです。20歳前後というのは、体力的にどんなに無理をしてもすぐに回復してしまいますし(※1)、ものすごく頭が回転して物事を吸収しやすい年頃です。今の礎は20代前半につけたと自信を持って言えます。アラサーになった今、同じようにみっちり働いて、ぎっしりと知識を得るのはちょっと難しいです。そんな時期を大学で浪費するのは、もったいなくてもったいなくて見てられません。

いや、お前はたまたま運がよくて、さらにプログラムが書けただけだろう!という人もいるでしょうから、百歩譲って言うと、専門知識を必要とされるアルバイトをすればいいんじゃないかと思います(※2)。例えば、プログラマのバイトとして学生を雇い入れる会社は探せばいくつもありますし、そうして力をつけた人も見てきました。商品作りを通して技術力を養いながら、社会人としての身構えを実地で感じ、そして報酬(=お金)をいただくというのは、ありがたい話です。

働くと、自分の世代とは違う…それも年上ばかりのコミュニティに飛び込むことになりますので、視野が変わってくるはずです。社会というのはこれほどまでに多様で、厳しく、そして生きる手応えがあるのかと日々感じることができます。僕の20代前半はそう言う時間でした。

コンピュータエンジニアほど専門知識を要しない仕事でもいいかとは思いますが、専門的であればあるほど自分の仕事の責任が重くなりやすいので、より短期間で実力を高めることができるはずです。特に、コンピュータエンジニアは当たり外れや会社の相性が大きく出るので、若いときに実績があるのは強力な武器になります。

■後でも勉強できる

ちょっと大変ですが、後で勉強するチャンスもあります。これは、今年の春以降どうなるか身を持って感じて行こうと考えています。少なくても、勉強するモティベーションは高校を出た10年ほど前と今とでは全く違うことは間違いありません。学費も自腹ですから、覚悟も違いますしね。

もうここまでくると覚悟の強さの違いです。

活きのいい中小企業、名の知れた大企業(の一部)で勤めようと希望すればするほど(※3)、「即戦力」として活躍するための実力をつけておかなければならない。そうしなければ、アジア各国からやってくる同世代にどんどんポジションをもって行かれ、何の仕事も無い状況になることは想像に難くない、そう言う時代になったということでしょうか。少なくても、モラトリアムとしての大学進学という選択肢は無いのです。

もちろん、今、現役で働いている僕らも、このことは忘れてはならないのは言うまでもありません。

※1 23歳の頃に倒れたりしましたが、それは肉体の疲労ばかりでなく精神的なプレッシャーも重なったことが原因です。精神疲労は寝ただけでは回復できませんから気をつけてください。

※2 二部を設ける大学が減ったので、勤労学生はちょっと難しいかもしれません。

※3 研究職や起業となるとまた違うと思いますが、どちらにしても中途半端で続けることはできません。

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サラリーマンとして積極的に生きてみようじゃないか

■僕にはやりたいことは無い

普段、僕はIT系の中小企業に勤めています。

僕には、明確な目標や、興したい事業というのは特にもっていません。どちらかというと、自分の所属している組織のリーダーの想いをよく理解するようにして、それに対してどうやれば自分が貢献できるのかを考えながら働くことをモットーとしています。そんな生活が一つの幸せであります。

これは一人で活躍できないことを自分で肯定しているのですが、別の側面で考えると、組織の中で押さえるべきところを押さえる自信が自分の中に定着してきたことを肌で感じているのです。

■独立する気は今は無い

積極的にビジネスをやろうとすると、すぐに「独立」というキーワードが出がちです。特に、IT業界にいるとその傾向がより強くあります。

独立というと会社の鎖から解き放たれて自由に動き回れると想像しがちです。僕もそう考えた時期がありました。人は…独立した人、サラリーマン関係なく、僕に対して独立を薦められることがあります。そのときに出る共通したキーワードは「実力があるからできる」。

しかし、自分自身が今取り組んでいるビジネスは独立しないとできないことなのかと考えたとき、必要性が低いことがわかってきました。自分自身が今やりたいことはできているし、独立すると逆に実現が難しくなる。十分な理由でした。

■独立すると別の苦労があるはずだ

独立した人に、独立後どの辺で困ったことがあるか聞いたことがありました。一番多かったのは、帳簿の話です。会社に勤めていると、会社のお金の出入りは経理の人がやってくれます。しかし、独立すると先ずは自分でやらなくてはなりません。税理士さんに頼む人もいるのでしょうが、今度はお任せするためのお金がかかります。

続いて、資金調達のことでした。蓄えがあったとしてもいつかは無くなりますから、定期的に売り上げがあがるようにお客様を掴まなくてはなりません。おおっと、そうすると今度は営業活動が必要です。つてがあればいいでしょうが、無ければ飛び込み営業も辞さない構えです!

でも、こんなことはおそらく小さなことなのかもしれません。本当にやりたいビジネスがあれば、乗り切る精神力が自分にみなぎってくるんじゃないかと考えたからです。少なくても、独立する気になって大きなリスクと感じるポイントにはなりません。

そんな中、僕が最も気にしたのは、仲間です。 Co-Founder がいるかどうか、そしてその後は名も無くどこの骨かもわからない会社に勤めてくれる人が果たして現れるのか。今、中小企業に勤めている時点で非常に困っているのに、独立なんてしたら尚更大変になることは目に見えています。

■会社という環境を見返してみる

会社に勤めているサラリーマンである僕は、会社という傘に守られています。まず、定期的に払われるお給料や健康保険をはじめとした福利厚生があります。続いて、仕事をするための道具、僕なら什器とコンピュータが備え付けてあります。そして、自分ではできないことを支えてくれる仲間がいます。

仲間というのはとても重要で、自分だけでは手が回らない部分、そして自分ができないことをやってのけられる人です。それは、相手にとっても同じこと。そんな中で会社という組織の中で決めた目標に対して、おのおのが分担し、時にはずる賢く使うことで事に当たります。仕事をするにあたって当たり前のことは、会社だから容易にできるのです。

しかし、まわってきた仕事の中に自分の会社では担当できる人がいないこともあります。そんなときは、パートナーとなる会社とともに活動することも選択することができます。そのときに使うのは、会社が培った信用と、実績です。もちろん、相手のその部分を見て来ます。それを構築する一旦は、自分が担うのです。

アグレッシブ サラリーマン

「会社じゃ足かせが一杯ある」って思いがちですが、どの会社にも独立するよりアドバンテージになることは必ず存在しています。この点、独立を促そうとしている人が余り語らない点でもあります。

僕は、会社の傘の中で最大限自分が楽しんで取り組める、そして仲間と貢献し合える仕事をやることに集中するようにしています。これは、一人では何にもならないマネージャ職についている人はこの点を強く感じていただけるはずです。そして、中小企業に勤めていることを利用して、より自由な選択肢を自分の中に作ることができています。今年の春から大学院に通いながら仕事をする選択肢もその一つ。やることはやる、そしてそのぶん自分の希望も通す。強い権限の人にすぐにリーチできる中小企業だからこそスムーズにできています。

少なくても、20〜40代の時代は、こうして自分の活動をベースにして、上長、ひいては会社の経営層に対して緊張感をお互い保ちながら仕事ができます。名実共自分自身の必要性が確認されれば、会社の経営層はポジションを作らざるを得ません。もし、作られなかったら別の会社に行くだけです。逆の場合は、大変ですね。両者緊張感が必要なんです。そういえば、日経新聞の「私の履歴書」へ執筆される経営者の方は、サラリーマンからの叩き上げの方が多いですよね。

だから、会社の傘に守られていることはあっても、決して盾にしてはいけないのです。

■僕は中小企業がいい

会社は会社でも、大企業だと、確かに組織の傘が手厚い代わりに、自分の選択肢はかなり制限されます。やることが先鋭化されているともいえますし、そうして行くうちに自分の力が枯れる方向に向かうのではという危機感があります。守られすぎて、安住してしまうのでしょう。

だから、僕は積極的に中小企業に勤めるようにしています。トップとの距離も近いし、自分の活動の場もある程度コントロールしつつ自由が利きます。あわよくば、部分的に主導権を握れます。中小企業にいて、上長や経営層の言いなりで終わるのは、本当にもったいないと思います。経営方針を逸脱しない範囲で結果を出すべく自由に活動できる環境があるのだから。

もし、会社の制約がきついとしたら、それはスタッフ全員の価値観が会社組織の中で統一に向かっていないのでしょう。大企業のような多種多様な人がいるところならいざ知らず、中小企業で起きるとしたら悩ましい問題ではあります。でも、それに対して働きかけができるのも中小企業の良さです。僕も何度となくやりました。価値観が近ければ、ルールは最低限でいいのです(※1)。

全部が全部自由なんて世界は無いでしょうし、もしあったとしたらそれはそれ相応の義務が降り掛かってくるはずです。少なくても、独立は自由を手に入れる手段じゃないという理解です。

■僕の考えはまだ枯れていない

今の話、具体的な話はまだ多くありません。今、まさに取り組んでいるところだから、中身が枯れていないのです。ポジションが明確になるということは、それはもう枯れ始めているともいえます。分かりにくい話になってしまっているのですが、頭の中を引っ張り出すとこうなっていました。

極端な話をすれば、明日、気が変わって独立を選択するかもしれません。

その反面、変わらないものとして、全ての判断は過去の判断から続いてきていて、明日もその判断の連続が続きます。生まれ変わったように判断の連続が断絶することはありません。過去の選択の結果が今であって、今の選択が明日を決めています。そう考えたら、緊張感は常にもてます。

※1 あえて約束しているルールがあり、それは「”お金”, “人員”, “失敗” については必ず相談・報告する」ことです。シンプルですが、ビジネスで判断を迫られる際に必ず出てくる要素です。

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2010年の師走は催しづくし! – 立ち位置を見い出せ

今年の年末は、例年にないイベントづくしの時期となりました。ワイワイガヤガヤ、年末ならではの楽しみですよね。

■これだけイベントがあったけど…

参加したイベントは4つあります。

ただ、本当は行きたかったのだけれど、参加を断念したイベントもいくつか。

  • XBRL勉強会 #16
  • 自然言語処理研究に関わる人の忘年会

この12月は体調を3回も崩してしまい、全てに参加することができませんでした。今年は仕事とMBA受験を平行して進めていたせいでしょうか、ほっとしたこの時期に一気に体調不良が出てしまったのかなと反省しております。体を鍛えて、体調管理を万全に整えた上でこれですから、全部行けなかったことに少し悔しささえあります。

(出られなかったイベントの幹事さん、すいませんでした…。)

■空前のイベントブーム

Twitter 上を始め、多くのところで「最近は勉強会・イベントが非常に多いよね」という話を聞きます。IT系の仕事に携わる人が集う催し自体はずいぶん前からありますが、イベント予約システムである atnd の RSS を見ていると、同じ日にいくつものイベントがあることがよくわかり、なるほどと頷くばかりです。

これだけイベントが催されていますと、このブログをご覧頂いている方も少なくても一つは足を運ばれていると思います。でもなぜ、こんなにイベントが催されているのでしょうか。

■会社内のコミュニティだけでは限界がある

僕は、IT系ベンチャー企業というと聞こえがいいですが、いわゆる中小企業に勤めている身です。人とつながれるにしても社内の数十人と取引先程度、新しいことを始めるにしても情報収集する範囲に限度があります。大企業ですと、プロジェクトが変わる度に新しい人に出会えますし、情報収集もそれぞれの専門家が割り当てられていますから余り苦労することもありません。

そこで、社外の有志や、特定の企業が手弁当で催しているイベントに参加することで、より自分の交流範囲や知見を広めて行こうと考えて参加するようにしています。実際、催しは似たようなことを考えて足を運ぶ人がたくさんいらしていて、行く度に感化されるものがたくさんあります。その中で、中小企業に所属されている方もさることながら、個人で独立して活動されている方ともよく出会います。存在感も後者の方が強い気がします。

こんな形で考えている人が増えているのかなと想像しています。

■そして自分の身を立てる

イベントはとても楽しいです。当初、社外のイベントに参加し始めた頃(「続・わらしべ長者理論‐5つの実践」もご覧ください)は多くの方と出会ってワイガヤすることが中心でした。しかし、その考えも今年になって変化してきました。

僕の現実は、生き馬の目を抜くようなITビジネスの厳しい環境から逃れることはできず、何らかしらの形で自分の身を立てなければなりません。世間では人材情報サイトをはじめとして求められる人材はああだこうだと喧伝されています。そんな中、仕事を通じて人様に貢献するにあたって自分がどのように行動できるのか。これを自分一人で導くことは極めて難しい課題です。

そこで、様々な人との交流を通じて相対的に自分の立ち位置を推し量るようにしています。物事を成し遂げるにあたって、1つの能力だけで進められることは大変稀です。また、突出した1つの能力を勝ち得るのもなかなか難しいものがあります。その中で、数ある能力をどう掛け合わせれば自分の立ち位置があるのか、日々確認と調整を続けるのです。その能力は、もちろん多くの人が知るもの…例えばプログラミングの能力というものもあるでしょうし、そもそも能力と人が認定される前に自分で発見できるものもあるかもしれません。お世話になった方が書かれた blog 記事「ウォーズマン理論 – 一匹狼の作法 〜 不入虎穴 焉得虎子 〜」を読んでいてよりそれを強く確信しました。

これは決して何でも屋になるという訳ではなく、人と違う「何ができます」を明確にできる一つの手法であるとも思っています。言い換えれば「差別化」です。

■参加者でもいいけど幹事はもっといいよ

イベントは先ずは参加することに意義があります。もし、余裕があったら幹事もやってみてください。幹事といっても一人でやるのではなく、既に幹事長になっている人のヘルプでもいいのです。イベントが、また違った視点…それも広く見渡すことができます。僕は昨年に続いて今年も1981忘年会の幹事団の1人として動きましたが、最中は慌ただしい時間になりつつもイベントそのものをより幅広く楽しむことができるのは、何事にも代え難い楽しみです。

ただ、一つ勘違いはしないでほしいのは、幹事になっていたとしてもイベント内で目立てる人になれるかというとそれは違うということです。もともと yusukebe や amachang のように既に知名度があったり、その場を一気にもって行けるようなキャラ… Facebook 忘年会でのささくれさんのような強いインパクトがあればこそ多くの人のアテンションを引けるのです。最近「幹事力をフルに発揮するためのわたしの10か条 – Navier-Stokes」という blog 記事を読みましたが、この裏方としてどう活躍するかという考え方に僕は強く共感しています。

■固くならない でも目的は大事

イベントに出席するにあたり、遠慮したり固くなることは全くないと思います。ただ、1つでもいいから目的をもって参加すればとても有意義な時間になるはずです。

来年4月からは大学院に通うことになり、イベントの参加自体が難しくなります。ですから、3月までの間にできる限り積極的に参加を続けようと考えています。もし、イベント会場で僕を見かけたら、いろいろお話を聞かせてください。よろしくお願いします。

イベントの幹事さん、出会った皆さん、どうもありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。

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hbstudy#18 で GPGPU サーバの選び方についてLTしました

11日は、株式会社ハートビーツさんが主催する 「hbstudy」 のLTにて、『写真で見るGPGPUサーバの選び方』を発表してきました。

■資料の補足

最近、グラフィックボードをベクトル型コンピュータのように活用するGPGPUという言葉が聞かれるようになりました。もともとGPUは3D描画を支援するハードウェアとして、主にゲーマーの方々に普及していました。3Dは単純な繰り返しの計算が非常に多いのですが、これは物理演算や類似検索を行う時も同じ。そこで、 CUDA などのAPIの整備とともにGPUを安価なベクトル型計算機として用いることが盛り上がっているようです。

さて、最近のCPUで100Wを超えるTDPになるものはハイエンドのものばかりですが、GPUはミドルレンジも100W台のTDPであり、結構な電力量と発熱量があります。そのため、ただ単にPCI Expressの拡張スロットに挿そうとしても、すんなり行かないことは珍しくありません。

そこで、私が GPGPU のシステムを構築する際にいろいろ悩んだ部分の一部をLTにまとめて、 GPU はどういうものがあって、サーバはどういう構造がある、だからこういう点に気をつけて機材を選んでみてください!という発表をしてみました。 GPGPU を始めてみたいけど、どういったサーバを用意すればいいのだろうとか、 1U/2U サーバでどうやったら GPU は搭載できるのだろうか検討してみたいという方の力になれば幸いです。

ちなみに、大規模かつハイエンドの GPGPU コンピューティングを行う場合はこの資料では対応しきれないもっとディープな話がたくさんあります。例えば、科学計算のクラスタや、レンダーファームの構築を行う場合は、この内容だけでは対応しきれません。その際、設計する方は、データセンターのファシリティからアプリケーションの実装の癖まで、しっかり垂直統合して考えて行くことが求められます。

■頂いたお話

GPGPU のプログラミングができるエンジニアはどれくらいいるのか?」。根本的な問題を指摘されてます…。本格的にやろうとするとバッドノウハウがいろいろありなかなか難しいのですが、 NVIDIA のこの2〜3年くらいに出た GPU (GeForce 9800とかで十分)を搭載したマシンで単に CUDA の API を叩く…例えば自然言語処理でよく用いられる TF/IDF を求める計算を行ったりすると、その威力を身近に感じることができるはずです。また、いい例かは悩みますが『Cracking Passwords In The Cloud: Amazon’s New EC2 GPU Instances ? stacksmashing.net』も GPGPU を要領よく使った例の一つです。

最近の GPU は、ストリームプロセッサ(計算部分)数が安いものでも 100 個程度、ミドルグレードなら 400 個以上あります。単純比較はできませんが、 Core i5 の同時4スレッドなんてのは「屁でもない」パフォーマンスを叩き出します。取り急ぎ始めてみる場合は、外部電源端子接続不要な GeForce の 1万円台のものをポンと買ってきてちょちょいと取り付けるのが一番手軽だと思います。

■勉強会の様子について

今回はライブドアの伊勢さんによる『インフラエンジニアに一言』がメインセッションでした。インフラに関する特殊な技術を解説するという形ではなく、どちらかというとこの20年くらい、伊勢さんの経歴をなぞりながらテクノロジーがどう遷移しているか、おさらいをするようなセッションだったのが印象的です。3Dの話もあったのですが、その際にレンダーファームの話題もあがっており、LTの際にこんなレベルの話をしていいのかとちょっと悩みました(苦笑)。

LTのセッションは8名もの登壇者がおり、僕は1人目立ったのですが、持ち時間5分ギリギリでした。皆さんも5分を目一杯使って、様々なパフォーマンス(あえてプレゼンとは申しません!)を繰り広げられていました。LTはメインセッション登壇に比べてずいぶんと敷居が低いですし、簡単に登壇申し込みできる場合が多いので、皆さんもぜひ挑戦してみてください。5分に凝縮して話すのは、意外に知恵がいりますよ!

あと、いちびりな方へもう一言。100人に名刺交換をするより、1回のLTのほうが、自分の存在を広く伝えやすいです。

■最後に

はじめての参加でしたが、ハートビーツの皆様に大変お世話になりました。また、セッティングおつかれさまです。どうもありがとうございました。

Togetter – 「hbstudy#18 「インフラエンジニアに一言」 ライブドア 伊勢 幸一さん」
Togetter – 「hbstudy#18 LT~懇親会」

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飛び級で叶えるビジネススクールへの道

今年の春にMBA取得に向けビジネススクールの受験を始めて(「MBA取得を目指すことにしました」をご覧ください)はや半年。高卒だったため通常のプロセスよりより多くの選考過程をくぐり抜けなければなりませんでしたが、無事、筑波大学 大学院 ビジネス科学研究科 経営システム科学専攻 博士前期課程 (GSSM) に合格し、通学することを決めました。

今回の受験は、大学受験のときとは比べ物にならないくらい多くの方の支援と、事前の情報収集がありました。10年前に大学受験に失敗した時に比べ、自分自身の意識もさることながら、受験に臨むための準備の仕方により形勢がずいぶん変わることを体感しました。

そこで、今後国内MBA取得のためにビジネススクール受験の(筑波大学 GSSM をビジネススクールというとちょっと誤解があるかもしれませんが)準備を始める方、特に高卒から飛び級して取り組もうとされる方に向けて、また応援していただいた方への感謝をこめて、本エントリをしたためます。

■流れ

まず、僕が取ったビジネススクール受験のための準備の流れは次の通りです。

  1. 周囲への説明 – 1〜3月
  2. 受験校選定 – 5月, 8月
  3. 受験勉強 – 4〜10月
  4. 研究計画書作成 – 5〜8月
  5. 受験資格審査対策 – 5〜8月
  6. 受験本番 – 9〜11月
  7. 結果発表 – 10〜12月
  8. 周囲への説明 – イマココ

これを、今年の1月から12月まで行う1年勝負でした。従いまして、もしこの記事をアップした時期にご興味を持たれた方は、ぜひ今から情報収集をはじめてください。「受験校選定」〜「受験本番」については、この後に別エントリを起こしつつお話をして行きます。特に「受験勉強」「研究計画書作成」「受験資格審査対策」は平行で進むことを覚悟する必要があります。

僕の今のステージは最後にある「周囲への説明」です。最初にも「周囲への説明」がありますが、これはtypoではありません。国内のビジネススクールへ通うことは勤労学生になることを意味し、家族・勤務先に自分自身の決意の背景と影響に対して説明および相談をすることが必要になります。アラサーにもなりますと、ある程度責任ある立場になる人も少なくないと思いますし、事実自分がそうです。

はじめの「周囲の説明」は「MBA取得を目指すことにしました」のエントリそのものなので、良かったら参考にしてください。ただ、目的は人それぞれのはずですので、とらわれないようにしてください。

■受験校選定〜受験勉強開始

高卒・専門学校・短大卒でビジネススクールを目指す場合、必ず通らなければならない道として「受験資格審査」があります。この制度が設けられているかどうかを示す情報が、入試要項に書かれています。

(2) 本学大学院において行う個別の入学資格審査により,大学を卒業した者と同等以上の学力があると認められた者で,22歳に達したもの及び平成23年3月までに22歳に達するもの
ア. 高等学校・短期大学・高等専門学校・専修学校・各種学校の卒業者,外国大学日本校, 外国人学校その他の教育施設の修了者で,個人の能力の個別審査により,本学大学院において,大学を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者等

平成23年度 筑波大学 ビジネス科学研究科
経営システム科学専攻 博士前期課程 募集要項

これに類する条文を見つけられたら、道が開かれたと言っても過言ではありません。

詳しい話は「受験校選定編」に書きましたので、ご覧ください。

■受験資格審査の真相

受験資格審査と一口に言っても、各校全く違う対応です。

実質プロセスが無い所もあれば、純粋に「大学卒業程度」の能力をはっきりと求められる所と、多岐にわたります。大学の試験のようにある程度パターン化されたものではないので、情報戦と今まで培ってきた自分の力のすべてが試される場であります。

こちらも長くなるので「受験資格審査編」にまとめました。

■研究計画書作成と本番への対応

ビジネススクールは大学院ですから、受験する場合は「研究計画書」や「エッセイ」と言ったレポートを必ず提出しなくてはなりません。配点も大きいため、これの出来が入試の結果を大きく左右します。試験は研究計画書作成の段階から始まっているのです。

本番の試験は、面接で終わる所もあれば、小論文筆記試験が待ち受けている所もあります。いわゆる、人気校であればあるほど試験過程が厳しくなるといっても過言ではありません。だけど、ここまでたどり着ければ大卒の方達と同じステージに立てているとも言えます。

詳細は「研究計画書から本番まで」に書きましたので、大卒の方も参考になればと思います。

■結果

僕の戦績は次の通りでした。

  • 明治大学 グローバルビジネス研究科 (MBS) 合格
  • グロービス経営大学院大学 合格
  • 筑波大学 GSSM 合格

なぜ筑波大学を選択したかというと、2点あります。

一つは、「経営とコンピュータサイエンスを同時に学べる」点を重視しました。経営を学ぶのは当初の目的でしたが、僕がコンピュータエンジニアであったことからコンピュータサイエンスもどうしても学びたいと思ったからです。他の2校に比べてアカデミックな学校と言われますが、MBAをとりに行くことよりも、勉強して次の仕事や生活に役立てることが目的ですから、物事を突き詰めるのならその方がいいかなとも考えています。

二つ目は学費でして、国立は私立のビジネススクールに比べ半分〜3割の学費で済みます。また、受験を進めている間に親元の生活が芳しくない状況になりはじめ、そのことを踏まえると私立に行くことは断念せざるを得ない状況になりました。国立大学である筑波大学に合格できなければ、ビジネススクールへ通うことをあきらめたかもしれません。

こうして、僕の理想であった「まとまった勉強の機会」を確保する道筋はたちました。ただ、今後も安泰にできるかというとそうではなく、いろいろな不安もよぎります。もちろんこの事実はとても喜ばしいことなのですが、何もかも忘れてという訳にはならないのです。

いろいろ考えてしまいますが、最後はシンプルに、この結果が自分に「より多くの力」を、そして「より多くの機会」を求めるために加速できる道筋だと信じて、しっかり勉強していきます。多くの人に支えられて作ることができた通り道を、大切に歩くつもりです。

受験前に相談に乗っていただいた方々、受験時の対策を支えてくださった方々、そして応援してくださった皆様、どうもありがとうございました。深く、深く、感謝します。

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    昼は要求定義からインフラ構築まで担当するサーバサイド技術のSE、夜は焼酎をこよなく愛す兄ちゃんです。
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