昨シーズン、スキー 準指導員検定を受検しましたが、不合格でした。
それでも諦めずに取り組み続け、今シーズンついに合格することができました。

この記事では、 2025-2026 シーズンに準指導員合格まで取り組んできたことをまとめています。

なお、本記事は東京都スキー連盟(以下、東京都連)での受検経験をもとに書いています。都道府県連によって日程や一部の内容が異なる場合がありますので、必ず所属する都道府県連の最新情報を確認しながらお読みください。

この記事の要点

  • ケガなく・事故なく・病気なく検定を終えること。
  • 1年がかりで計画的に練習に励むこと。
  • うまくなるだけではなく、師範できる滑りと言葉を学んでいくこと。

スキー 準指導員資格とは

スキー 準指導員は、SAJ(全日本スキー連盟)が認定するスキー指導資格の一つです。多くのスキークラブやスキースクールで指導に関わる人が目指す資格で、技術だけでなく「師範できる滑り」と「指導の基礎」を身につけることが求められます。

2025年以降から執筆現在(2026年)において、検定では次の種目が行われます。

  • プルークボーゲン
  • プルークボーゲンからベーシックパラレルターンへの展開
  • 横滑りのショートリズムからベーシックパラレルターン小回りへの展開
  • シュテムターンからベーシックパラレルターンへの展開
  • 総合滑降 リズム変化
  • パラレルターン 小回り

このほかに、理論(筆記試験)もあります。毎年多くのスキーヤーが挑戦しますが、1発で合格する人はそれほど多くないと言われています。

また、基本的な受検の流れについては昨シーズンの受検体験記にまとめていますので、よろしければそちらもご覧ください。

スキー 準指導員 受検体験記 (東京都連 2024-2025シーズン)

シーズンの計画

シーズンに入る際、以下の計画を立てて臨みました。ケガなく・事故なく・病気なくシーズンを完遂することを目標にしました。個人的な事情として、来年は息子が中学受験の本番なので、今シーズン合格できないとしばらく再受験できません。そのため、今シーズンで決めるつもりで取り組みました。

  • 11月
    • シーズンイン (11/30)
  • 12月
  • 1月
    • 自主練習 (1/9,10,17)
    • レベルアップ講習会1 (1/11,12)
    • 中島先生プライベートレッスン (1/25)
    • 葛飾区スキー大会 (1/31,2/1)
  • 2月
    • 養成講習会2 (必修) (2/7,8)
    • レベルアップ講習会2 (2/14,15)
    • 東京都スキー指導者協会 準指導員合格のための特別研究会2 (2/21〜23)
    • スキークラブ 練習会 (2/28,3/1)
  • 3月
    • 自主練習 (3/6)
    • 検定本番 (3/7)
    • 合格発表 (3/8)

シーズン前

シーズン前から、シーズンは始まっています。

オフトレ

オフシーズンは、主に自宅近くのフィットネスクラブへ週2〜3回通い、体づくりをしていました。筋トレはもちろん、隔週でお世話になっているトレーナーの柏木先生と共に「指示された通りにすぐ動ける」体になるようファンクショナルトレーニングも組み入れて積極的に体を動かしました。ただ、夏が終わり秋頃になると、雪上に立てないもどかしさと暑さが重なり、心が折れかけ始めていました。しかし、スノースポーツ好きの人が時々話す「貯筋はシーズンに入って嘘をつかない」を信じて続けたのでありました。

理論講習など

10月になると、理論講習が始まります。東京都連では今年から対面講義が再開され、青山学院大学に行って講義を受けてきました(注:昨シーズン理論をやっているので本来は受けなくても良い)。ここで、昨シーズン、同じ班だった仲間と再会し、今シーズンの班連絡用 LINE グループを開設しました。

11月には、昨シーズンも受講した東京都スキー指導者協会主催「検定合格のためのスキー講座」に足を運びました。今シーズンは桜本先生の解説講座に加え、日比野先生のメンタル講座が加わり、技術・心身ともにどのような備えが必要かを学ぶことができました。特に、質問した時に「横滑りの展開は横滑り要素の多い小回りである」という話を伺えたのが、この後すごく効いてきました。僕は「横滑り操作を主体とした動きから、回旋を伴う小回りターンへ発展させる種目」と理解しました。この講座、すぐ満席になるので受けたい方は早めに申し込んでください。

練習内容

昨シーズンはプルークボーゲンと横滑りを落としてしまいました。そこで、この2種目の改善を中心に取り組むことにしました。最後の最後まで、この2種目には苦しみました。

11,12月

八千穂高原スキー場のオープン日に、滑り出しはプルークファーレンから始まったシーズンでした。養成講習会までに、スキー板を履く感覚を戻し、オフシーズンで作った体をスキーに合わせることを丁寧に行いました。時々、フリーランはしていましたが、基本的には基礎練習を中心に過ごしていました。

12月末は、いつもお世話になっている中島智吏先生にプライベートレッスンをつけていただき、調子を整えていきました。この段階で、中島先生からは「動けてるよ!」と背中を押してもらいました。あと、先生が技術選で実際にやっていた当日の心構えを教えていただきました。

養成講習会・レベルアップ講習会1

1月は種目はあまり追わず、基礎・基本を見直す内容が組まれます。

養成講習会1では、ポジショニング、荷重動作の練習をみっちりこなしました。この頃は、荷重し続けて一気に抜く癖があり、その際の股関節の内旋が負担をかけ膝を痛めかけていました。うまくいく、いかないという感覚以上に、体が知らせてくるので、こういうのは無視したらいけないということを学びました。その後は、じっくりストレッチをするようになってから快方に向かい、かつ荷重もゆっくり抜く操作ができるようになりました。

レベルアップ講習会1では、個人的に憧れだった Team GAGAN DO に所属していたドンブリ耕太さんこと白井先生が担当でした。白井先生からは、自分の滑りを振り返るバリエーショントレーニングをかなり教えていただきました。特に、ターン中の骨盤の動きは、その後の総合滑降 リズム変化でかなり使える技で、すごく役立ちました。本当はコブをたくさん習いたかったのですが、そういう場ではなかったのでまたの機会になりそうです。でも白井先生のコブの滑りはかっこよかったです。

でも、プルークボーゲンで腰がうまく落ちなかったり、横滑りで腰が外に出てしまう悩みはまだ解決していませんでした。

これらを終えた後、「悩んだら来るんだよ」と言われていたので、あらためて中島先生に悩みを相談しにいきました。「軽ワゴン理論」という面白い名前がついた理論を展開し(!)、決められた枠の中でどのように演技していくのか、振り返ることができました。ここで多くの悩みを払底することができました。

この頃、悩んでいたことは別の記事にもまとめています。

スキー トレーニングメモ – 準指導員 受検に向けて

養成講習会・レベルアップ講習会2

2月は、いよいよ種目を追う時期に入ります。

養成講習会2では、超緩斜面でのプルークボーゲンなど、意図的に難しいシチュエーションを織り交ぜながら練習しました。検定バーンだけではなく、様々なバーンで様々な操作ができることは、実際に先生になった時に大切になってくると思うので、とても勉強になりました。あと、プルークスタンスで交互に片足ジャンプしながら前進するという練習をしたのですが、これをやった後にシュテムターンがすごく良くなったので、荷重移動ってこうやってやるんだなと理解するのでした。

レベルアップ講習会2は、なんと20代の方から40代までのかなり広い年齢層で班が構成されました。若い方と一緒に滑ると、ペースが良い意味で早いので刺激になりました。ビデオを撮り合うスタイルはずっと続けているのですが、この班はみんな撮るのが上手だったのも印象的でした。しかし、この頃心配なこととして、気温が上がってきて融雪が進み始めていました。2月とは思えないほどザクザクの雪で、検定までに持つのか心配になり始めていました。

準指導員合格のための特別研究会2

昨シーズンも受講した、東京都スキー指導者協会主催「準指導員合格のための特別研究会2」を受講しました。3連休を目一杯使う盛りだくさんの合宿でして、濃密な追い込みをかけられるので今シーズンも受講することにしました。

徳長先生が担当でした。練習開始で開口一番「滑走性の良い滑りってなんですか?」という話になりました。その後、ずらす滑りから徹底的に取り組むことになりました。ずらすことってこんなに難しく、大切なんだ、そしてスキー何もわからん…という気持ちで1日目を終えたことをよく覚えています。また、足裏の感覚を研ぎ澄まし、足裏のわずかな荷重変化でスキーを操る、とても基本的なところから丁寧に取り組むことになりました。この感覚を身につけると、自分がどう滑っているかビデオを使わなくても振り返ることが少しずつできるようになります。特にプルークボーゲンで活きました。

その後は、クロスオーバー時に斜面に対して垂直に立つ「二等辺三角形」の姿勢、ピボットの動かし方を学びました。これができるようになると、ターン後半時に引っ張らなくなり、ターン前半も余裕を持って重心移動を始めることができます。3日目になって少しずつこのコツが見えてきて、総合滑降 リズム変化の練習の時に「すごくよくなった!」の声をいただけるまでになりました。あの時はすごく嬉しかったのを覚えています。

ただ、最後まで横滑りには苦戦しました。3日目に種目別練習をしていた際、桜本先生に「右が谷足の時に腰が逃げてる、「こう!」(グイっとな)」と指導を受けました。もうこれの姿勢を覚えて滑るしかありません。この動きは、東京に帰った後も、フィットネスクラブのジムの鏡を使って繰り返し練習しました。

この合宿で指導されている先生方からは、教程の行間に書かれていない大切な基礎をご自身の言葉を使って、わかりやすくご指導いただけます。この合宿もすぐにいっぱいになるので、受けたい方は早めに申し込みをされるといいです。

クラブでの練習会

最後の練習の機会は、クラブでの練習会でした。

指導員の先輩と受検仲間の3名で、徹底的に練習を重ねました。少人数で回すのと、みんなめっちゃ体力があるので、ひたすら練習ができました。横滑りもだんだん動きが見えてきました。先輩に自信をつけていただけて、感謝しています。

検定直前

この日は有給休暇をとって、練習しすぎない程度に本番と同じ場所で滑りました。しかし、 yukiyama アプリを見たら 21 回もリフトに乗っていたことが判明しました。練習しすぎないって思っていたのに、納得できるまで練習してしまっていたのでした。そのかわり、夜はゆっくり休みました。

検定当日

いよいよ、検定当日になりました。良い目覚めでした。昨シーズンほどではないですが、菅平らしく冷えて、バーンはなかなかカリカリでした。

設定斜面

検定の設定斜面は次のとおりでした。自分が滑走した種目順に並べます。

  • 総合滑降 リズム変化: シーハイルゲレンデ リフト線沿い 中〜下部
  • シュテムターンからベーシックパラレルターンへの展開: ファミリーゲレンデ 西側 上部
  • プルークボーゲン: 天狗ゲレンデ 林側 下部
  • 横滑りのショートリズムからベーシックパラレルターン小回りへの展開: シーハイルゲレンデ リフト線沿い 7号柱〜6号柱
  • プルークボーゲンからベーシックパラレルターンへの展開: ファミリーゲレンデ 西側 下部
  • パラレルターン小回り 不整地: シーハイルゲレンデ 林側 下部 コブ3レーン+ナチュラルバーン

基本姿勢

腰のポケットと、リフト券ホルダーに、今日のポイントをまとめていつでも読めるようにしておきました。実技は、滑走直前にメモを読んでもカンニングにはならないと教えてもらっていたので、皆さんも大手を振ってメモを潜ませるとよいです。

腰のポケットには、検定当日の要項と共に、次のメモを入れていました。

メモの冒頭にもあるのですが、前日と当日だけは、班仲間と距離を置き、スタートフラッグ以外のものは見ない、特に他の滑走者には目もくれず、集中力を維持しながら種目のメモに書いていたことを復唱していました。周りからは塩対応だったかなと後で申し訳ないなとも思いつつ、これは自分との勝負なので致し方ないとも考えています。

また、万が一頭からメモの内容が飛んでも大丈夫なように、どの種目でも通じる内容、3点をリフト券ホルダーに残しておきました。

  • 呼吸する: 息を止めると必然的に体が硬直します。そのため、特にターン中に息を抜くようにしてリラックスできるよう心がけました。練習中、プルークボーゲンで割とやらかしていた反省からきています。
  • 二等辺三角形: クロスオーバー時に斜面に垂直な姿勢を保ち、ターンの終わりとターンの始まりの間を安定した姿勢で滑られるようにします。その下半身の姿勢が二等辺三角形のように見えると教わったことに由来しています。
  • 正対: フォールラインに絡んでいる時に、まっすぐ落ちることを意識します。間違っても上半身をひねったりしないということです。

朝のアップは、みんながいなさそうな白金ゲレンデで行っていました。検定バーンではないので、静かに調整ができました。

総合滑降 リズム変化

あわよくば加点を狙って行こうと考えていた種目です。大回り→小回り→中回り、と仕上げました。シナリオは予定通りでした。ただ、一発目だったので動きにやや硬さがあったかなと思いました。

それより、ガスがひどくて、スタートフラッグが見えず無線でスタートの合図を聞く状態であり、かつゴールポールも滑走中に現れてくるくらいに見えず結構怖かったです。足裏の感覚を頼りに、コースセパレートされているため人にぶつかる恐れはないことに安心して丁寧な滑りを心がけました。

シュテムターンからベーシックパラレルターンへの展開

練習通りやれれば問題ない種目でしたので、落ち着いて取り組めました。あえていうなら、もう少しテンポ早く1,2の開閉ができたらよかったかもしれません。7ターンで仕上げました。

プルークボーゲン

課題の種目、まずはプルークボーゲンです。ただ、そういうことは一切考えず、ポイントをずっと復唱して集中力を高めて臨みました。

5ターンで仕上げました。呼吸・荷重動作・正対それぞれがうまくいった手応えがあり、午前の締めとして午後につながる勢いをつけることができました。具体的には、3ターン目で「これで大丈夫」とはっきり思えた瞬間がありました。

横滑りのショートリズムからベーシックパラレルターン小回りへの展開

課題の種目、もう1つが横滑りです。ただ、そういうことは一切考えず、プルークボーゲンと同様にポイントをずっと復唱して集中力を高めて臨みました。昨シーズンと違い、設定斜面が短くなり、種目名にもある「横滑りのショートリズム」をうまく表現できる必要がありました。これは、レベルアップ講習会2の頃にどの区間でやるか話を聞いていたので、想定しながらかなり練習を積んできました。

結果は、苦手なりにそこそこうまく滑れたのではないかと思います。6ターンで仕上げました。

プルークボーゲンからベーシックパラレルターンへの展開

練習通りやれれば問題ない種目でしたので、落ち着いて取り組めました。あえていうなら、徐々に加速していく演技ができたらなおよかったです。7ターンで仕上げました。

パラレルターン小回り 不整地 (コブ)

僕はコブが好きでよかったと思う種目です。こちらも加点を狙っていきます。

3レーンあり、一番深く掘れていた左側の林側のレーンを選択し、気持ち良く終えることができました。なお、一番右のレーンは浅いもののピッチがやや狭く、真ん中はちょっと崩れているところがありました。

理論 (筆記試験)

筆記試験は、次の流れで取り組みました。

  1. 開始と同時に、答案用紙に名前などを書きます。3枚あるので注意です。
  2. 問題用紙を全ページ一通り斜め読みします。どう解くか見当をつけるためです。
  3. 30分で一通り解きます。
  4. 残り時間は何度も見直しをします。実は、見直しをしている時にいくつか誤答を見つけたので、見直しは重要だなと思いました。

TOEIC の試験と違い時間には十分余裕(60分)があるので、十分予習した上で焦らず確実に向き合えば大丈夫かと思います。

この段階での振り返り

夜になって振り返っていた時、8割の力を出せれば上出来と考えていたので、自分が気づくほどの大きなミスはなく無事に終えられてよかったと思っていました。あとは、班仲間と酒を飲み交わしてこれまでのことを労い合いました。

合格発表の時

東京都連は、検定翌日に筆記試験会場で合格発表があります。発表方法は、番号順に結果が記載された封筒が渡され、その封筒の厚みで合否がわかると言われています。薄いと不合格で種目別の合否の表のみが渡されます。厚みがあると合格であり、合格証とバッヂそして後続の手続きの説明書が入っています。

僕は、昨シーズンは薄い封筒でした。

封筒を渡される時になって、列から目を背けていました。でも、渡される順番はやがてやってきます。そこで、手に取った時…厚みがありました。嘘だと思って中の書類…合格証の名前を確認したら、確かに自分の名前でした。こみ上げるものが抑えきれなくて、でも不合格になった仲間のことを考えると、その場をなんとしてでも早く立ち去らなければという気持ちになりました。

その先で、合格者だけが再び筆記試験会場に戻ることができ、足早に入るのでした。そして、目の前にいた先生たちや知り合いの人たちが「おめでとう!」と次々に声をかけてくださいました。40代も半ばなのに、人目を憚らずに号泣するしか自分にはできませんでした。それほどに苦しいことがあって、乗り越えられて、嬉しい気持ちでいっぱいでした。

おわりに

養成講習会などで先生たちや班仲間の話を聞くと、準指導員を1発で合格できた人は実はそれほど多くないことを知ります。そして、周囲に何回も挑戦している人がいます。1級と準指導員には、また違った壁があります。うまいだけではダメで、これからつくであろう生徒さんに背中を見せられる水準で師範できる力を求められます。また、準指導員・指導員検定は他の検定と違い1年に1回しかありません。

ここまで、僕のスキー 準指導員 合格体験記をまとめました。昨シーズンの終わりから体づくりの形で始まり、検定当日に向けて心と体を作っていく1年がかりの行事です。僕は学生時代にスポーツをやったことがないので、大会に向けて心と体を作るということをやったことがありませんでした。大人になってから、これほどまでに心血を注ぐスポーツに巡り会えたのは、幸せなことなのかもしれません。

ここまで指導いただいた全ての先生方、スキークラブの皆様、どうもありがとうございました。班仲間の皆さん、いつも楽しく、そして真摯にスキーと向き合える時間を共にできて嬉しかったです。そして、いつも自分の赴くままにスキーをさせてくれた家族に感謝します。

そして、目標だった「スキーの先生になる」資格を得ることができました。これから、一人でも多くの方にスキーが好きになってもらえるよう、やっていきます。