昨年出版された、梅田さんの「ウェブ進化論」はあまりにも有名です。
そして、約10年前に出版された、村井先生の「インターネット」「インターネットII」。当時インターネットにかかわっていた方は、読まれている方も多いのではないでしょうか。

ちょっと思うことがあり、この10年でインターネットはどんな変化があったのだろうと振り返ってみることにしました。


10年で 変わったこと 変わっていないこと
[ 1/50sec / F3.5 / 28mm / ISO 400 / EF 28mm F2.8 ]

■インフラ面
[変わったこと]
ダイアルアップから常時接続へ (テレホーダイのリダイヤルしまくりで粘ったのも過去の話)
数十Kbpsから100Mbpsへ (ISDN 64Kと比較すると1,600倍ですよ!)
モバイル環境でのアクセス環境の充実 (Air H”に公衆無線LAN そしてeモバイル)
[変わっていないこと]
思いつかない。実はこの分野が最も革新が進んだんでしょうね。

■ハードウェア面
[変わったこと]
マシンスペック (細かく書くと多すぎるのでやめときます)
デスクトップからノート中心の生活
[変わっていないこと]
マシンを取り巻く部品の数々
マシンをいじるための操作機材(キーボード・マウス)

■ミドルウェア面
[変わったこと]
オープンソースのミドルウェアの台頭 (DB=Oracle→MySQL・Web=Netscape Enterprise Server→Apache などなど)
[変わっていないこと]
管理の負担

■開発面
[変わったこと]
オープンソースの開発環境・ライブラリの増加
コンパイル型からスクリプト型の言語へ主流の変化
コンピュータ内に実行形式ファイルを置くことからWebアプリ中心へ
主たる情報源が本からGoogleへシフト (ただ僕は本を読む量が増えた)
[変わらないこと]
エディタでプログラムを書くこと (私だけかな?重くなるIDEを避けているだけなのですが)
コツを人から教えてもらうこと (人伝えのコツはとても強力)

■サービス面
[変わったこと]
リンクをたどって開拓することから検索中心に (ネットサーフィンなんて言葉もありました)
※それ以外は実はあまり思いつかない。新しい、新しいと聞くのだけれど、結局何かをブラッシュアップし続けているように受け取っています。
[変わっていないこと]
信頼性の担保方法が確立していない (たぶん僕が生きている内には確立しないと思う)

■収益面
[変わったこと]
ハードからソフト、そしてサービスから、と収益を得る口が変化したこと (梅田さんのあちら側・こちら側の話ですね)
[変わっていないこと]
決済方法がカード・振込みがメインであること (ネット上で電子マネーが普及したようには思えない)

■仕事面
[変わったこと]
公に向かってアピールするチャンスが生まれたこと (たとえばBlog)
正社員以外の働き方が広まりつつあること (いい意味でも悪い意味でも)
ぶっちゃげる大切さ
[変わらないこと]
常に成長し続ける取り組み
サラリーマンの人事考課制度 (変わったと言う人もいるだろうけど)

■会社面
[変わったこと]
投資を受ける手段が増えた
より多方面、かつ公に評価を受けるようになった (たとえばBlog)
[変わっていないこと]
ぶっちゃげることを恐れること

■生活面
[変わったこと]
メールと言う連絡手段ができたこと
買い物のチャネルが増えたこと
「つながっている感」をを通して人との距離を感じるシーンが減ったこと
[変わっていないこと]
暇なときは歩いたり乗り物を使ってあちこち出回ること
JRの運賃が下がっていないことから直接会うコストは変化していないと思われる (バスや飛行機は目覚ましい)

結局、これを通して自分で何を整理したいかと思ったと言うと、インターネットが「昔から変わってない」「変わっている」と言う議論をしている人がいるとき、「どの点がどうなっているのか」自分ではっきりさせておきたかったのです。
対象が不明確なまま、変わった・変わってないの議論を進めてしまうと、なんだかよくわからないうちに決め付けてしまう気がするのです。仮に対談している本人たちは共通認識を持っていたとしても、はたにいる聴衆である僕らの理解ができていなければ、対談している方の真意を読み取れなくなってしまうことでしょう。

で、まとめてわかったのが、サービスの変化が実は緩やかと言うことです。
新しいサービスが生まれては消えていきますが、10年前から残っているサービスを注目してみると、実はとんでもない変化はあまり起きていないように感じるのです。それとも、私が超・鈍感なのでしょうか。
技術はだいぶ変わって、生活も変わったと実感できるのですけどね。
となると、サービスってのは、斬新で新しいものをばーんと出しても飽きられてしまってはおしまいで、多くの方に長く定期的に使っていただけるサービスの方が、結果として収益を生み出しやすい体質になれるのでしょうね。

ほかにも探したらあるかもしれないのですけど、とりあえず自分のためのまとめは終わりっす。