速読の勉強をして以来、ずいぶんと本を読むようになりました。
技術書、ノンフィクション、エッセイ、そして昨年まで読む事が無かった小説…。ずいぶんラインナップが広がっています。

さて、そんな中で最近読んでみて面白かった本をひとつ、そして関連する本もあわせてピックアップしてみます。


ぼくには数字が風景に見える・夢をかなえる洗脳力
[ 1/25sec / F3.5 / 28mm / ISO 400 / EF 28mm F2.8 ]

取り上げる本は「ぼくには数字が風景に見える」。プラスして「夢をかなえる洗脳力」です。
内容としましては、アスペルガー症候群&サヴァン症候群を持つダニエル・タメットさん自身が半生を書いたエッセイです。

実は僕の一番下の弟(弟が2人います)は学習障害(LD)という症状でして、五体満足なのですがところどころ著しく勉強が遅いという感じなのです。しかし、また別の能力となると著しく高いパフォーマンスを発揮することもしばしです。コンピュータを使わせると、コンピュータのエンジニアである僕が時々息を飲む様なエレガントな使い方をすることもあります(※1)。たとえば、マウスの動きがとても効率的なのです。ワードも業務で使えるレベルを持っているし、ネットでググるときも適切なキーワードを入れてすいすい使っています。
また、純粋で規律正しいという側面も持っています。実家にいないので詳細はわかりませんが、少なくても遅刻や礼儀などで迷惑をかけたと言う話は聞いていません。
また、実家にいたときはLDの子と交流していることもあったので、程度の差はあれ傾向はある程度近いことも身をもって感じています。
LD・ADHDとアスペルガーを一緒に議論することは難しく、ひょっとしたらかぶっている部分もあるのでなんともいえないのですが、なんていうかたいていかぶっているように見えるので、おそらくそうなんじゃないかなと思っています。

本の中で、特に言及されている話として「共感覚」があります。
これは、美術品を見て「燃え盛る熱さを感じる」とか「激辛だ」と、本来感じないような感覚があたかも感じたような感覚をもつことを指します。僕も、プログラムのソースコードや手記を見ると、「澄み切った高原」「区画整理された街並み」あるいは「迷路にいるような」感覚を得ることがあります。皆さんにも少しでもあるのではないでしょうか。
この件、以前読んだ苫米地さんの「夢をかなえる洗脳力」、特に第3章・第5章に共感覚を取り入れる手法が取り上げられていました。
実例を読んだ後に手法をもう一度読み返すと、やり方のイメージがより沸いてなかなか面白そうです。ただ、僕は著者のダニエルさんみたいな高度に発達した共感覚はもっていないので、ちょっとずつからでしょうか。その結果、ちょっとずつでも自分の能力が高まったら、すごいですよね。

最後に、僕ももっと幅広い多様性を受け入れられる人間になれるようにならなければ、と感じました。
ちょっと、今まで人を受け入れる力(器と言う人もいます)が弱かったな、と認識する機会になりましたし、何よりそれが違った角度でより現実味を持って感じられて良かったな、と思っています。

素直な文章でまとめられた純粋な美しさを持った本ですので、機会があったら読んでみてください。

※1
エレガントにエロサイトを探していたたときは、閉口しましたが(苦笑)