最近読んだ本 – 中二病から再読を通じて見える世界まで

最近読んだ本 – 中二病から再読を通じて見える世界まで

本を読むのが好きなので、少ない時間を見つけつつ少しずつ読んでおります。

今日は、その中で個人的に大変面白かった本を3冊取り上げてみようと思います。物理的に嵩張りそうなので、電子書籍で買うことも割と増えました。

正義と微笑 – 太宰治

主人公の芹川進って人は、絵に描いたような中二病を発症しているのが冒頭からよく分かります。疲れた頭で読みますと、ヘラヘラした笑いを伴いながら読み進めることができます。マタイの一節とかは大事な人には大事だと思いつつも、若い人ってそういうのに感化されるところあるよなー、って気持ちになって心温まることさえあります。旧表記ではありますが、戦前の作家に触れる本としてはさらさらと読みやすい本だと思います。

ちなみに、Kindleだと0¥で手に入れられることがあるようです。

政治的に無価値なキミたちへ – 大田比路

今は大変良い時代で、大学の講義資料がインターネットで手軽に手に入る時代であります。その一つです。

政治の話はどうやっても主観が入りがちではあると僕は認識しているのですが、その論点の整理のしかたをじっくり解説している本です。このような知識は、その人がどういう立場で、どんな議論をしているのか、自分の土俵で考えるときに大事な指標になると思います。たまにバージョンアップして、読み直す必要が出てきたりすることがあります。これまた現代らしい。

これまた、Kindle Unlimitedだと0円で手に入れることができます。

闘うプログラマー (原題: Showstopper! – G. Pascal Zachary)

「人生を書き換えるものすらいた」という一節をご存知の方もいるかもしれない、Windows NTの開発に関するノンフィクションです。初版のWindows NT 3.1は1993年にリリースされ、今はWindows 10にまで進んでます。歴史が長いOSになりました。

さて、この本は、初版は1994年でして、僕が就職した頃に読んだ記憶があった本です。仕事で、スタートアップ企業を支援する側に立つことになって、改めて読み直そうと買い直した本です。今は上下巻に分かれてないんですね。

当時は、新しいことをやるには、死ぬほど働かないとダメなんだなー、大変なんだなーというくらいにしか思ってませんでした。そして、もうすぐ社会人になって20年、実際に病気や自害で死んでしまったり、心や体を崩し再起不能になったり、よくてソフトウェアエンジニアの道から降りる同僚を見ました。僕は、死にはしなかったものの体調を崩して倒れたりとか、罷免になったりとか、そして会社が上場したりとかして、割といろいろなことを経験させてもらいました。それも、本当に多くの人生の時間と精神を費やしたと自分の中で振り返っています。

この本の登場人物は、改めて読み返しますと一人一人の私生活の背景まで含めて精緻に描写されていて、Windwos NT 3.1をリリースするため、いや、それ以上に何かを成し遂げたい人たちが、人生を賭けて奮闘しながら、何かを犠牲にしてしまう様子が描かれています。そんな中、家族を持っている人の生活が事実上崩壊している様子まで書かれているのですが、「人生を書き換えるものすらいた」というフレーズの後に、離婚の話があります。僕は感動ものの映画でもなかなか涙腺が弱くなることはありませんが、どうしてかこの節は気持ちを抑えて読むことはできませんでした。

大きなことを成し遂げようとする際、何かが手落ちになってしまうことは、往々にしてあります。それでも前に進まなければならない、前に進みたい人にとって、同志となってくれる本であると僕は思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、疲れたときに脳味噌をふわふわさせながら読める本、議論のマッピングをするための本、そしてある戦いの本を取り上げさせていただきました。

みんなも読んでいて良かった本を教えてくださいね〜!

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