福山が本社の今の会社に入って、ちょうど1年。
僕がここに勤め始めたころは「東京営業所 スタート」だったのが、今となっては社員の半分が東京にいます。
さて、小飼さんの「404 Blog Not Found:東京と地方、搾取者はどちら?」というエントリを見てちょっと気づいたことをまとめてみます。
皆様、なぜ広島県から出発した会社の社員の半分が東京にいると思われますか?
多くの人は
・仕事の数が多い
・仕事の単価が高い
と言う理由を挙げられるのでしょう。
確かにそれはそうなんだけど、これだと「食う」ことだけに目が行ってるでしょう?
僕の感覚はちょっと違うんです。
感じたのは、次の3つのポイント、
1) 数多く・難易度が高い(≒単価が高い)仕事をこなすことでレベルアップできる
2) 同じ境遇の人が集まっていて切磋琢磨しやすい
3) 距離の壁はインターネットが普及した現在も無視できない存在である
これらです。
まとめると「自分を高めるチャンスがあるから」来る人たちがいます。
僕の体験で、福山に2ヶ月いて思ったのが「みんなゆったり仕事をしているな」ということでした。
しかし、僕の携わるインターネットのビジネスで、自社提供のASP/SaaSに類するサービスのマーケットに距離の壁はありません。この流れだと、どんどん走っている東京の人たちから簡単に追い抜かれます。また、インターネットのマーケットに興味がある人たちも絶対数が少ないことから、情報交換量に大きな差が出てしまいます。
なぜか、距離の壁を下げるはずのインターネットの仕事をすればするほど、距離の壁を大きく感じるのです。言い換えると、いくらRSSをたっぷり読んでいても、現実味を帯びた心に響く情報は取り寄せられない。これが僕の結論でした。
おそらく、このような背景があって、力があればある人ほど首都圏外から東京を目指す人が増えていくのです。
これって、搾取なんでしょうか。
ちゃうと思うんですよ。
インターネットのビジネスに限らず、チャンスが待っているから東京に来るんでしょう。
地方活性の例として、小飼さんは由布院のことを取り上げてました。
確かに、東京に無い資源の価値を高める行動はとても大切です。観光資源はその最たるものです。でも、観光の売上となるお金って、ほとんど東京からやってくるんですよね。九州内では福岡市内からでしょう。この流れだと地域内でお金があまり回っていませんから、本当の意味で地域活性になっているかと言うと、僕はまだまだ道半ばだと考えています。
それじゃ、僕が地域内でお金を回す術を知っているかと言うと、そうじゃないことは確か。
ただ、言えることがひとつあります。東京は疲れちゃうから、いつか地元に帰りたくなるのです。全員ではないと思うけど。
そうしたとき、お金もそうですが、最も大切な「知識」と「経験」を引っさげて、もといた地方に戻るのです。
彼ら・彼女らが、起業したり転職して、地域のために東京で培ったものを振舞うことができるようになるのならば、初めて地域の中でお金が回って、地方経済が上向きに動き出すはずです。それが、製造だったりサービスであれば、より効果が上がってくるはずなのです。経済を動かす『構造』が組み上がるはずだから。
そして、その結果として人と金が集まれば、自然と情報も集まるわけです。そこまでいけば、日本=東京という情報発信構造がいい意味で崩れて、日本全体の底上げにつながるのではないでしょうか。
ひとつだけ問題があるとするなら「生まれた土地のために自分の価値を提供したい」と、思えるかどうか。ここだけ。
地方格差って、何が問題なのか。
多様性を失う=東京でしか経済が回らなくなることで、長期的に見て日本が衰退することだと、僕は考えます。
しかし、小飼さんって夜遅くまで起きていらっしゃいますね。
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