「起業を増やさナイト」に行ってきた – 見聞を積もう

「起業を増やさナイト」に行ってきた – 見聞を積もう

昨晩は、あるtwitterの盛り上がりから開催する運びとなった「起業を増やさナイト」に参加してきました。紹介してくれた @f1at さん、感謝!

■起業は苦しい物だと思っていた

僕は、これまで社長に近い場所で仕事をしてきました。それは、資金調達の立ち会いや、個人保証の印鑑請求におよぶなど、起業家=社長の厳しさの側面をつらくなるほど見ることでもありました。どれほどの想いがあっても、その目の前の厳しい現実を、僕だととても乗り越えることはできるなんて、到底思うことなどできませんでした。もし、起業するにしても、ファイナンスを行わず自己資金で小さくやろう、そう考えていたのです。

■周りにいる人は同じ志だった

いくら知人に紹介してもらったイベントとはいえ、どんなもんじゃと疑心暗鬼になっていたことは確かです。

でも、企業とは直接関係のないイベントで知り合った、様々な方がこの起業イベントに参加していたのです。起業は最後は自分でやる物なのだけれど、周りに同じ志の人がいたのだ、と言うだけで本当に助けられた気分でした。

■話の概要

簡単ですが、僕の琴線に触れた事項をまとめてみます。この欄は、質問した際に伺ったことや、直接お伺いした内容を含みます。ほかにも聴講された方がいらっしゃいますが、それぞれ琴線に触れた事項が違うはずですので、検索して合わせてご覧になってみてください。

磯崎さん

  • 経営経験者は、日本では希少な人材。失敗さえもバリューになる。
  • 初期の間違いほど修正が利かない。特に、出資割合を十分考慮すること。
  • 出資を受ける際の契約条項を十分確認すること。特に、自分たちに不利になりかねない部分に要注意。
  • 今の時代にはエクセルがある。計画をすることで、少なくても「できないこと」「失敗するパターン」をあらかじめ知ることができる。計画が変わることはあまり問題ではない。
  • 銀行は思考が統一されているが、投資家は人それぞれ。まずは一人でも多くの投資家に会い、想いが共有できる人を見つけよう。

村口さん

  • 戦後直後に成長した企業は、$1=?360という戦勝国に履かせてもらったべらぼうに安いレート(「下駄」と言う言葉が出てきました)で世界に切り込めた訳だから、$1=?90の僕らの時代が大変なのは決しておかしな話ではない。
  • 米国のVCが成長したきっかけは、旧来の日本が大事にした「系列取引」に鍵がある。残念なことに、日本は逆の方向へ進んでいる。
  • 資本主義を使いこなす…「格差」は容認しなければならない(但し貧困は全く違う問題)。これとどうつきあうかを考えておくこと。
  • 起業は体力勝負。若い方が得、と理解しました。
  • 桃太郎がやったことを思い出そう!
  • 日本とシリコンバレーの起業家に差があるとしたら、世界観。日本人は首都圏や日本国内に終始しているが、シリコンバレーの人は世界を見ている。大風呂敷を広げている訳ではない。そのような見識を持つために、見聞を広める…特にその筋のメッカを必ず訪れることが肝要である。ただ、プロセスとして小さな市場をステップにすることはある。
  • 市場と需要がある…にぎわいのあるところに活路を求めていく。
  • 起業家は、まず行動。動いてから、考えていく。
  • 想いの上に、しつこさ・根性・気合いが重なり、それが10年続けることができれば成功への道は開ける。
    (その背景に、人が言う「優秀さ」はあまり関係ないのだなと思いました)

藤野さん

  • 相手は、話をしている自分のその先の背景を見ながら話している。
  • 税金は払ってなんぼである。社会貢献の第一歩である。
  • お金は使うべきところに使う。什器等、もらえる物はどんどんもらってお金を使わないようにすべし。
  • 損しても殺されない人からお金を調達しよう。かなり具体的でした。
  • 成功の十分条件はない。必要条件がある。
  • 「労働観」の意識…特に「会社」と言う言葉が出たら気をつける。場合によっては、想いが一致しない人と別れることも考慮する。お金は、身を削って働いた代償ではなく、僕はお客様からの感謝の気持ちと価値を定量化して取引することだと思っています。
  • 「想定外」の想定。想いもよらぬことはいつでも起きる。それは起きるものであり、起きた後のファイトが重要なのである。
  • スタッフとの日頃のコミュニケーション、重要。
  • 「牛」と「熊」 (ブルとベア)

■僕には見聞が必要だ

僕が村口さんへ「日本とシリコンバレーの起業家の差」を質問した際に伺ったとても大切な言葉。「世界観」。僕にはこれが足りないことが明確にわかりました。今からでも独立することはできますが、それにしては見えている範囲が狭すぎました。世界でIT技術がどのように使われているか、まだまだ知らないことばかりです。昨年のベトナムに限らず、使える時間をフルに使って、国内外の様々なシーンをつぶさに見ておかなければならない、そう考えました。

これは、僕の中長期な課題として、とても明確なものになりました。自分の考えていることが本当に自信を持てる物なのかを確かめられ、そして自分がまだ見ない新しいことが発見できるのではないか、そんなわくわく感が湧いてきます。

そうしている間に、起業の想いが固められるような気がしてきました。これが、今回のイベントで最も大きな収穫です。

■起業は簡単ではないけどやればできる物だ

これが、今回のイベントを通じてわかったことです。先に述べた起業家の苦しみから逃れることは難しいことに代わりはありません。しかし、それをも上回る想いがあれば、しっかり乗り越えられるし実際にこえている人がいることがわかっただけでも、とても勇気づけられました。

そして、起業のための実践的…それは本に書かれていないような泥臭さも伴う話が、かえって僕らが起業の現実を正確に知る機会になりました。それは、理解が浸透していない不安から、問題点がわかる安心感に変わった瞬間であります。

しかし、そのためには僕にはまだ時間をかけてやらなければならないことがあることがたくさん見つかりました。やりたいことを何となく、ではなく、どうしてもやりたくてたまらないものをしっかり固めていく。僕に今ある、単なるサラリーマンとして勤めているのとは違う環境を活かしながら、それはできるはずです。

■やっぱり飲みにいってしまった

で、その後にたまたま同席していた @ogijyn さん, @takahashim さんはじめとした何名かで銀座のなじらてで一杯ひっかけてきました。結構無茶振りでしたが、2次会も起業の熱い想いが広がる話になりました。悩みはつきないのだけれど、前進することを決して忘れず邁進している皆さんの話を聞いて、僕もハッパをかけられ家路につくのでありました。

名刺交換させていただいた方々、お会いしたすべての皆さん、そして講師としてとても貴重かつ熱いお話を賜った磯崎さん・村口さん・藤野さん、どうもありがとうございました。そして、また皆様お会いするときを楽しみにしています。

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