• 「凄腕エンジニアでこの人ならなんかすごいものを作るだろう」
  • 「飲んだくれでいったいこの人は普段何をしている人だろう」

僕なら2つのうちどちらと言われたいかと言うと、後者であります。多分、予想では前者と言われたい人が多いように思うのですが、あえてグータレな方を選ばせていただいております。実際、僕はグータレであります。

■逃げまくる

以前いた投資ソフトを開発する会社には、2人の先輩がいました。一人は理論的なことに関しては右に出ることのない力を持ち、もう一人は数学科を出たすばらしい知識をお持ちの人でした。そんな環境でさて自分はどうやって生きていこうかと考えますと、まともに技術で張り合うのはなかなか難しい。

そこで、2人の通らない抜け道を探します。正面から戦わず逃げる訳です。端から見てめんどくさそうでやりたがらないけど、役に立ちそうなことを選ぶ。誰もやってなさそうだから、やってみようかなとか。そうしていくことで、先輩達との距離感をつかみながら仕事ができるようになっていきました。

そのときはわかりませんでしたが、振り返りますと結果として自分独自の立ち位置を築けていたように思います。体裁を整えたインターネットサービスのサービスインのために、何をなすべきかをカバーする役です。

■やっぱり逃げまくる

今の仕事ですが、僕よりも優秀な技術者がたくさんおります。そして、社外に出て多種多様なコミュニティの方と交流していますと、その程度はさらに高くなります。もはや、技術者として勝負していくには難しい。今は20代だから仕事にありつく機会もあるでしょうけど、これから年齢を重ねると自分より若い人に追いつかれることは必至。また、コンピュータサイエンスを学んで戦っている技術者と張り合うのは、成り上がりの僕とはベースが違いますから追いつけることはないでしょう。

そうしますと、技術とは別の何かを絡めていくことで、強力な1つの軸で戦うのではなく、それなりに強い2つ以上の軸をもとに戦うことを思いつきました。ひょっとしたらこれは誰かの言葉だったかもしれませんが、結果としてこの発想にはなったでしょう。例えば、以前学んだファイナンスのこと。ほかにも、体感することで理解するもの。絡めるのはとても簡単で、かつ無数にあります。

今の仕事も、ゲームなのにWeb技術者の僕が飛び込んだのもその延長線です。ゲームプログラマだったら、こうは簡単にいかなかったでしょう。今ではシステム投資計画立案の仕事もします。

■「頼もーう!」と叫ぶ

上記のように絡めたりしますと、多くの場合は「この人は〜ができる」という判断を傍目からはしづらくなります。そうしますと、自分の環境を獲得するには「頼もーう!」と自ら探して飛び込むことぐらいなのではと考えるようになりました。もちろん、飛び込むだけではダメでその後もガッツリやり込みます。

しかし、しんどいですこれは。

■だから普段は飲んだくれている

ですので、普段はただの飲んだくれとして「あー、あいつは飲んでると面倒くせーなーwww」くらいに言われている方がええと思っております。相手もその方が楽につきあってくれるでしょうし、もし嫌だったらさっと目の前から去っていくことでしょう。楽な気持ちになった人は、いろいろなことを話してくれるので聞いている方も楽しいですし、すばらしい機会を…それは突然なことでも…得ることができることもあります。

■見ている人は見ている

思いがけなく、僕が10年前にやっていたオンラインソフトのことを評価してくれる人がいらっしゃることもあります。これを聞いて、本当に嬉しくなりました。熱心に取り組んだことが、時間こそ経っていますが見てくれている人がいることを知ることができたのです。

やることをやれば、焦ることもないのだなと気持ちを平静に保つことができます。