突然ですが、僕は発達障害、具体的には混合型 ADHD と診断を受け、精神障害者手帳(3級)も持っています。今日は、発達障害がわかることによって就業にどのような影響があるのか、当事者のひとりとして書きます。きっかけは、内々に僕が発達障害だと話した人から、自分が発達障害なのかを知りたいという方が何名かいたからです。

TL;DR

この文章は、主に IT 業界で働く人で、発達障害に少しでも関心がある人向けに書かれています。伝えたいことは次のとおりです。

  • 僕の場合は日常生活に支障があって調べたらそれに ADHD という名前がついていた。
  • 発達障害とわかったところで仕事の向き合い方は変わらない。
  • 一方で社会的に困ることはいくつかある。

一方で、発達障害の検査や、薬のことなどにはこの記事では触れません。この後、長文になりますがよろしければお付き合いください。

ADHD という名前がついていた

僕が ADHD だと診断されたのは 2019 年の夏、まもなく 40 歳になる頃でした。

もともとはパーティや雑踏で人の声が聞き分けられないことに困っていて、いつも花粉症でお世話になっている耳鼻科で検査を始めたのがきっかけでした。その後、大学病院に移り精密検査を受けたのにも関わらず耳鼻科では分からず、精神科へ。大学病院の精神科に何日も通って検査をし、実際に説明を受けた時も 1 時間は時間を使っていただいたことを記憶しています。そのレポートは今でも手元に残っています。現在は月 1 回、後述する精神科に通院して投薬を受けています。

そうです、発達障害だと自分のことを疑ったことがなかったものの、自分が抱えていた生活の支障の問題を突き詰めると ADHD という発達障害の一種だったことがわかった、そういうことです。検査で発覚した後、他の多くの人と比較して自分がどういうことに困っているかをまとめてみます。

  1. パーティや雑踏などで人の話が聞き分けられない。そのため避けがち。
  2. 短期記憶が苦手。近所のスーパーに行くだけでもメモを取らないといけないほど。
  3. 単調かつ手順を踏んだ業務が苦手。届出や計算でミスが多い。

1 つ目以外は、現代だからこそ克服できる問題であるとお気づきの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そうなんです、コンピュータやスマートフォンを使って自然と弱点を克服していたので、日常生活で困りにくくなっていました。それもあり、この歳になるまで発覚しなかったのかもしれません。

発達障害と診断されている方でも、日常生活で支障が出ている項目は人によって違います。これも、発達障害の難しさとされているようです。一般的な分類はこの記事を参考にしてみてください。

https://www.kaien-lab.com/faq/2-faq-diagnosis/gray/

一方で、 ADHD ならではの強みもありました。例えば、ソフトウェア開発や文章作成時、ぶっ通しで一日中作業をし続けられる集中力を保てることです。過集中状態というそうです。悪いことばかりではなさそうです。

発達障害とわかったとして 仕事の向き合い方は変わらない

これはとても大切なことなのですが、一般の人と同じジョブディスクリプション(JD)の枠で応募して働く場合、評価も一般のほかの同僚と同じ尺度で評価されます。発達障害だから、評価にハンディキャップがつくことは通常はありません。

これは僕の個人的な経験に基づく見解ですが、具体的に生活に支障がなければ、もし診断を受けたとしても何ができるかというと、できることはほぼないということです。発達障害の中でも ADHD はいくつか処方薬があり対処する余地があるそうで僕もその一人ですが、自閉症(ASD)や学習障害(LD)だと直接効く薬はないと言われています。

最近、僕の今の主治医である山下先生(ライフサポートクリニック)がこんな話をしていたので、お時間のある方は聞いてみてください。

身体障害、例えば足が悪いのならオフィスをステップフリーアクセスにして欲しいとか、そういう要望ができそうです。しかし、発達障害には具体的な要望をするのが難しいですし、実際僕も悩みました。あるとしたら、自分の上司や信頼のおける同僚に、自分の立ち居振る舞いに改善の余地があれば話してもらえるようお願いしています。これは ADHD には不注意・多動・衝動の傾向があるためで、この点は後述します。また、最初に述べたとおり、パーティなどでは会話が聞き取れず仕事にならないのでできれば参加者から外して欲しいとも伝えています。

一方、僕が就いているソフトウェア開発の仕事は ADHD の影の部分をカバーできることが多々あるのにお気づきでしょうか。僕のような不注意が続く人でも、ソフトウェアの技術を使えばバグトラッキングシステムがタスク一覧と期限を代わりに記録してくれます。テストコードをあらかじめ書いておけば、デグレードも防げるでしょう。自動化すれば、手順書に沿って操作したことによるミスもなくなります。そして、仕組みで問題を解消することにもともと真摯な業界です。正直、僕はこの仕事に人生を救われた、運が良かったと日々考えています。

これが、経理の仕事だったり、工場の組立工だったりしたら、日々ミスばかりで大変なことになっていたのだろうと想像すると、ゾッとします。発達障害をカバーしやすい職種を選んで働くことも生き抜く上で大切かもしれません。

また、仕事の向き合い方を変える方法があります。障害者手帳を交付を受けた場合になりますが、障害者雇用枠で働く選択肢があります。ただ、僕の知る限りですが、一般の JD に比べて期待値と給与が下がってしまう傾向があるようです。なので、バリバリと働きたい人や、家族がいる人にとっては、少し難しい選択肢になるかもしれません。僕はそれもありこの選択肢を取ることをやめました。

社会的に困ることがいくつかある

僕が実際に遭遇した、社会的に困ったことについて述べます。

まず、転職時の面接です。労務管理上、自分が精神障害者手帳を持っていることを伝えていまする必要があります。その際に、発達障害の問題点について複数人に根掘り葉掘り聞かれるケースがあります。その時は笑顔でやり過ごしても、正直、あとでこれは心にきますね…。なお、比較的新しい会社や外資系だと Diversity Inclusion & Equity (DI&E) の考えが浸透しているせいかそういうことはありませんでした。どういうところで働きたいのか、自分にとってのフィルターになるな、くらいの強い気持ちを持ってあたった方がいいです。

次に、生命保険です。割増料金を払ってでも入れるならマシな方で、断られるケースが出ます。はい。経済的な面で信用を得られない可能性が出ます。

これは自分が困る、というより他人を困らせているかもしれない、というものです。僕の ADHD の特性(不注意・多動・衝動)が、明確または知らずのうちに友人・知人・同僚に迷惑をかけているのではないか、ということです。自分ではある特性が「標準」と思っているので、なおさら問題は根深いですし、常にその心配が自分自身にあります。これは、相手が自分に対して話をしやすいような信頼関係を保つか、言いやすい経路を作って話してもらうことでしょうか。実際にその経路を作って話をしてもらうと、割と精神的にくるのですが、話を聞けば合理的な理由なので自分自身を変えていくほかありません。それに、話す方もおそらく負担だったと思います。そういう関係がもし築けていたら、相手に感謝ですね。

最後に、発達障害に対する偏見です。正直、今回のこの記事を書くのも年単位で書くかを悩みました。もし働くなら、発達障害ばかりでなく、 LGBTQ+ をはじめとした多様性を大切にする組織で働くと、そういうことも気にせずに生きていけるはずです。実際、僕もそうです。

おわりに

n=1 ではありますが、僕が ADHD だとわかった経緯、発達障害の診断そのものが仕事の取り組み方を変えることはないこと、そして診断されると直面する問題点についてお話ししてきました。

ここまで読んでいただくと、発達障害の検査を受ける必要性はないと感じた方と、具体的に困っていることがあり発達障害の診断を受けてみようと考える人に分かれるのかなと想定しています。もし、発達障害の診断を受ける意味があるとしたら、自分自身が困っていることを明るみにして具体的な対策を取る基本情報を得て、適応しやすい環境で生きる選択をすることでしょうか。

また、発達障害をはじめとした精神医学に関する情報を発信する精神科医の先生もいらっしゃいます。益田先生(早稲田メンタルクリニック)もその一人です。とてもわかりやすい解説だと僕は感じていて、おすすめです。詳しく知ることから始めてもいいかもしれません。

本も紹介しときます。本を買われる際は ADHD は大人と子供で状況が違うので、留意して本を選んでください。

繰り返しますが、発達障害の診断だけで、今の仕事の何かが変わるかというと、そういうことはないということです。少なくとも僕にはなかったです。でも、なかったからこそ、今の仕事を続けられているとも言えます。

※この記事は ChatGPT(GPT-4) と壁打ちしながら作成しました。

追伸: フォローアップ記事

僕が受けた発達障害の検査と その後の治療について #ADHD #ASD