第1回 小中学校ハッカソンの幹事をやってきました #tento_hs1

第1回 小中学校ハッカソンの幹事をやってきました #tento_hs1

去る3/30(日)、日本でも珍しい小中学生が参加するハッカソンイベントが、筑波大学 東京キャンパスにて行われました。主催は、小中学校向けプログラミングスクール「TENTO」と、ビスケット塾を主宰する「デジタルポケット」です。

僕は、企画段階からTENTO側の幹事団の一員として本イベントに携わってきました。せっかくですので、振り返りの意味も込めて、「目的」「種目の設定」そして「当日の模様」についてまとめておこうと思います。

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■ハッカソンの目的

大きく次の3つの目的があります。

  • 普段、教室で学んでいるプログラミング学習の成果を出す場として。
  • プログラミング教育の成果の一つを示す場として。
  • 同じプログラミングを学ぶ人同士の交流の場として(※0)。

これらは、以前から行っている「プレゼン大会」とそれほど変わりません。とはいえ、第1回プレゼン大会の頃に比べてTENTOメイト(生徒)さんも増え、かつ組織自体も大きくなり、ハッカソンのような大きなイベントも開催できるようになってきたという事で、取り組む運びとなりました。

■種目の設定

種目は、当初より3種目を設定する事で決まっていました。

Viscuit部門は、主に小学校低学年の子向けに設定しました。テーマは「ゴールがあるゲームを作る」とし、1.5時間で開発を進めました。開発用PCは、主にビスケット塾さんの備品であるタブレットPCで行っていたのですが、マウスよりもより柔軟に操作できるようです。昨今のWindows 8搭載PCだとタッチパネル付きのものが多く、この開発手法はより普及してくるのではと思います。

Scratch部門は、広く小・中学生に参加してもらえるよう設定しました。テーマは「身近な人の生活を助けるソフトを開発しよう」とし、3時間で開発を進めました。テーマ設定の背景として、「問題発見力」「課題のモデリング」そして「ソフトウェアを通じた問題解決力」を試せる機会にしたい、というものがありました。

HTML + JavaScript部門は、主に小学校高学年以上の子向けに設定しました。他の2部門と違い2〜3人でチームを組み、テーマとして「RPGゲームを開発する」事としました。チームで役割分担をしながら、6時間の中で一人ではできない規模で成果が出せるのか、大人になった時に求められるチーム開発の経験が出来る機会にしてみました。

ハッカソン経験者の方だと、多くの部門で「時間が短めだな」と思われた方もいるはずです。これは、小学生…特に小さい子はそれほど集中力が持たないのではと想定したのが大きな理由です。

また、各部門の開発中は、普段TENTO・ビスケット塾で指導にあたられている方々に「サポーター」として携わっていただきました。主に、ルールの説明、開発環境のトラブルの対処、そして発表の対応を行っていただくこととしました。

■当日の模様

ちょっと時間が前後する事もありましたが、事前に設定したスケジュール通り進める事ができました。

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各部門、ほぼ全ての子が作品を仕上げる事ができました。これが何よりよかったと思っております。また、参加者の保護者や観覧者の皆さんに、実際開発している様子をご覧いただく時間を確保できた事も、好評だったようでした。

そんな中、いろいろなことが起こりました。特に、Scratch部門で「開発環境がABENDしてソースが全部飛んだ」という、大人である自分でさえ身の毛もよだつトラブルが発生しました。その子は本当に落ち込んで泣いてしまっていたのですが、その後は何とか気を持ち直し、残り1時間のところから発表にこぎ着けるまで作り直す事ができました(※1)。大人の開発者の皆さんはこまめに保存されていると思いますが、これらを小中学生の参加者の皆さんにもちゃんと話した方がよさそうです。

開発の状況ですが、各部門で違いが出ていました。

  • Viscuit部門は、ビスケット塾さん主導で進めていただきました。さすが普段Viscuitを使って指導されているな、というすごさを見た気がします。
  • Scratch部門は、サポーターのマンパワーが足りなかったなと反省しています(最も参加者が多かった)。結局、審査員として来ていた阿部先生にも入っていただき、何とか進める事ができました。本当にすいませんでした…(※2)。なお、参加者3〜4人に1人のサポーターを割り当てると無理なく行くはずです。
  • HTML + JavaScriptは、プログラミングスキル差がはっきり出ていました。今後、よりプログラミングの経験を深めて、再挑戦してもらえたらと思っています。マクドナルドの食べ物が山積みになっていたのが、ハッカソンらしくて印象的でした(笑)。

他にもいろいろ反省点があるのですが、現在TENTO内で総括を進めている所です。これらをまとめて、次回実施するときは同じ問題を起こさないよう取り組みます。また、大人向けのハッカソンを運営するのとはまた違った難しさもある事がわかってきましたので、その辺りも経験を蓄積して行けたらと思っています。

■今後について

今回のハッカソンですが、成果物やアンケートの内容を確認する限り、当初の目的は達成できたのではと考えています。1回目から3種目やるのも大変ではありましたが、次回以降は土台がありますから少しずつこなれてくるはずです。また、当日にいろいろな事が発生しましたが、幹事団全員で柔軟にワークアラウンドで対処できホッとしております。多くの方の想いと力を持ってして、このようなイベントができたんだなと感じずにはいられません。

昨今、プログラミング教育の重要性が唱えられています。ただ、どういった結果が出ているのか、わかりづらい所もあるかと思います。そこで、本イベントを通じて現段階の「成果」について、一つ示す事ができたのではないかと思います。ただ、先ほども申し上げました通り、まだまだできる事がたくさんあります。

そして、「世の中にはすげぇ奴が一杯いるんだなぁ〜」ってのを、多くの子たちに経験してもらいつつ、明日のプログラミングのモティベーションにしてもらえるような場として、今後ももっと盛り上げて行けたらと願っています。そのためには、次回以降はより多くの団体の方々に参加・幹事に加わっていただいて進める事も検討したいと考えています。また、より多くの方に見に来ていただけるようにもしたいですね!

皆さん、お楽しみ様でした!次回も、どうぞよろしくお願いします。

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※0 新宿・さいたま・横浜・市川、各教室の子たちが一堂に集まります。

※1 審査の結果、その努力をたたえて受賞される事になりました。

※2 あのScratch本を書いている阿部先生と直接話ができるという事で、参加者の子たちには好評でした。

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