初・ピアノの発表会で息子と連弾をしてきたよ #ピティナ

初・ピアノの発表会で息子と連弾をしてきたよ #ピティナ

ピアノをはじめて1年半。とうとう、ピアノの発表会に出ることになりました。それも、息子と連弾です。最初から自分に対するハードルを上げてしまったのを少し後悔しつつ、せっかくのチャレンジならちょっと変わったことをやってやろうという気合いとともに、練習を重ねてきました。

いろいろ話す前に、まずは演奏をお聞きください。

はい。2カ所ミスをしてしまいました。とはいえ、ここまでたどり着けてよかったです。
それでは、今回にまつわる3つの話「連弾のきっかけ」「練習の状況」そして「本番を終えての感想」をまとめたいと思います。

連弾のきっかけ

僕には少し負い目がありました。それは、他のお父さんに比べて子供と一緒に遊ぶのがそんなに得意ではなかったことです。例えば、他の多くのお父さんが公園で繰り広げるような、一緒に走ったりするなどをはじめた体を動かした遊びがあまりできません。むしろうちの相方の方が上手だったかもしれません。

時は経ち、息子が成長し、小学生に近づくにつれて、さまざまなことに興味関心を示すようになりました。その時に、いろいろな仕組みを語ったり、一緒に将棋を指したり、または百人一首をやるようなことはありました。ただ、なんか心の中で「違う、そうじゃない」と鈴木雅之さんの曲ではありませんがそういう気持ちは拭えませんでした。

そんな中、息子が普段使っているピアノのスコアを眺めていたら、今回演奏することになったグレチャニノフの「緑の草原で」を見つけたのでした。スコアを読んでいて「これ、ひょっとして一緒にできるのではないか。」そして「他のお父さんはあまりやらないけれど、もしやれたら結構面白いんじゃないか。」そう考えたのです。それが今年の夏です。

早速、ピアノの先生に相談したところ「11月に他の生徒さんも表参道で発表会に出ますから、そこでやってみませんか?」という後押しを受けました。そして、当の息子に聞いてみたら、あまり乗り気ではなさそうでしたが、まあやってみるかくらいで考えてくれることになりました。そうなったら、もうやろうってことで、ピティナ・ステップ 2021年11月 表参道の回を申し込むことにしたのでした。

練習の状況

さて、夏の終わりの頃から、練習を始めました。息子がプリモ(高い音)を担当、僕がセコンド(低い音)を担当することになりました。

息子はスムーズに譜読みを終える一方、僕はなかなか譜読みが進みませんでした。それに、小学校1年生の息子はなかなかお父さんと一緒に練習しようという気になりません。お子さんをお持ちの方ならわかるかもしれませんが、この年頃の子がスムーズに親の話を聞くってのはなかなかなく、ましてや親と共同作業なんていったい何を考えているのか、そんなことさえ思うのでした。そうしているうちに、いつの間にか時間がどんどん過ぎてしまい、さてどうしようかとなりました。

10月に入りブレイクスルーがありました。譜読みのしかたについて、特別に指導を受けるきっかけがありました。なんと、僕はそんなにスムーズではないのは十分理解されていることを踏まえて、2小節に切ってそれを完璧に覚え、それを繰り返しながら前進してみなさい、というものでした。これはやってみると絶大な効果があり、あれほど苦労していた譜読みが数時間のうちに終わったのでした。

そうなると、息子も「これなら練習になるな」と思ってくれたのでしょうか。少しずつ、一緒に練習してくれるようになりました。先生には週1回のレッスンのときばかりでなく、合間に動画をLINEで送ってフィードバックをもらいながら、徐々に仕上げていきました。まあ、それでも練習に付き合わない時は付き合ってくれないので、その時はきっぱり僕が諦めて1人で練習していました。

困ったことが2つありました。1つが、最後の2小節のタイミングが合わないことです。先生がプリモをやると合うんで、これはどうしたものかと息子に弾いてもらうと、どうも息子のタイミングがちょっと調整が必要となり、先生の指導で改善することができました。もう1つが、最後に分かったことなのですが、家のアップライトピアノだとあまり出なかった高音が、グランドピアノで屋根をあげて譜面台を取り去るとめちゃくちゃ通ることがわかって、音のバランスの調整をちょっとやり直さねばならなくなったことでした。これは全く想定外でした。ちなみに、会場だったカワイ 表参道店にあったShigeru Kawai SK-EXはもっと高音が通ります!

まあ、そんなこんなで、本番に問題なく出られるような状況にはなりました。

本番を終えての感想

カンファレンスでの登壇経験は何度となくありますが、ピアノの発表会を、それも40歳になって初めてやるのは、なかなか緊張しました。

練習では出なかったミスを2回してしまいましたが、後悔はありません。何より、息子と一緒に演奏出てとても楽しかったです。演奏が終わって、息子とお昼を食べている時に「また来年もやろう」と言ってくれていたのが、とてもうれしかったです。「どうもありがとう、また来年も出よう!」と伝えました。それにしても、コンペを含めて通算5回出ている息子の演奏は安定していて、息子の凄さを理解する機会にもなりました。

審査員の先生からは次のような講評がありました。Bravo 2つ、Great 1つでした。「親子共演、なんて素敵なのでしょう!」「セコンドのお父様、息子さんの音楽を聴いて大変良いサポートでした。」と、非常に嬉しいコメントもいただきました。また「もう少しファンタジーが欲しいです。」と、来年につながるフィードバックもいただきました。

師事いただいている先生からも、よくがんばりましたとともに最後ミスったところ惜しかったですねという話と、他の生徒さんの親御さんからも大変評判がよかったですよ、とのことでした。

おわりに

今回の初発表会、そして息子との連弾は、僕の中では良い形で終えることができました。もちろんミスを含めて反省点はあります。これらを踏まえて、来年はまた高いレベルの発表ができればと考えています。息子の方がもっとパワーアップしているはずなので、がんばらなんとなと思っております。

ピアノに限りませんが、音楽に取り組むとなれば、ライブに出たいって気持ちがどこかで出る方が多いはずです。僕もその1人でした。それが、こういう形で実績を解除できたのは嬉しいです。

そして、他のお父さんたちとまた違った形で息子と信頼関係を築く方法をもつことができました。遠回りはありましたが、何事にも自分なりのやり方ってのがあることを改めて知る機会になりました。

最後に、一緒に連弾を弾いてくれた息子、指導してくださった先生、そして仲裁(!)や練習時のビデオ撮影をしてくれた僕の相方、どうもありがとう。この場を借りてお礼のメッセージを残します。

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