日々、アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWS Japan)のソリューションアーキテクト(SA)として、僕は起業間もないスタートアップ企業様を主に担当させていただいています。その中で、よくいただくのが「AWSの情報は日々どこで集めるといいのか」です。公式ドキュメントを読む、というのが基本ではあります。ただ、公式ドキュメント以外にも展開している情報があるので、よくお答えするパターン別に書き並べてみます。今回は、特にスタートアップ企業様向けに書いていますので、人によってはまた別の情報源やご案内をすることもあります。あらかじめ留意ください。
「引き出しを増やしたい」「体で覚えたい」「導入事例を知りたい」「実装時のTipsを知りたい」そして「最新を追いたい」の5つに分けて説明します。技術選定や、お勤め先で説明、そして実務での際の助けになれば幸いです。また、日本語の情報源を中心としています。
引き出しを増やしたい
AWS JapanのSAのみなさんが、AWSのサービスを解説する「Black Belt Online Seminar」というものがあります。ここで、AWSのそれぞれのサービスの特徴、ユースケース、そしてベストプラクティスを知ることができます。
例えば、Amazon AuroraというRDBMSサービスについてどのようなものかを知りたいとき、Black Belt Online Seminarの資料を参照していただくと、重要なポイントを動画・スライドで詳しく解説しています。公式ドキュメントを読む前や、理解を促進する資料としてご覧いただけたら幸いです。
Black Beltをはじめ、解説資料一覧は「AWS サービス別資料」にあります。また、[site:aws.amazon.com Black Belt (製品名)]で[検索]していただければ、すぐにその資料を見つけていただけます。一つだけ留意いただきたいのが、複数出た場合は、最新のものを選んでいただくほうがよいです。
他には、Amazon Web Services ブログ, AWS Startup ブログ, AWS Summit Japan, AWS Innovate, そして re:Invent(英語) などの資料があります。
体で覚えたい
AWS Japanでは、「AWS Hands-on for Beginners」と称して、これからAWSを使い始める方に向けて、AWSの仕組みを解説動画と共に実際に触って理解できるコンテンツを用意しています。触ってみると「こういうことだったんだ!」と理解していただけることも割とあるはずですので、ぜひどうぞ。また、学習が終わった後に片付ける方法まで解説していますので、学習後に必要のない課金が発生しないように畳むこともできます(※1)。
また、これ以外のハンズオンの企画も時々開催していますので、もしよろしければご参加ください。「AWS Webinar スケジュール」からご覧いただけます。または、SAのTwitterなどを見ていただくと、ツイートしていることがありますので、合わせてチェックしてみてください。
導入事例を知りたい
AWSの公式サイトに事例を取り上げたページがあります。ここから、担当している業務に近かったり、これから触れる技術に近いお客様の事例を探していただき、参照していただければ幸いです。
スタートアップのお客様に特化した事例だと、AWS Startup ブログの「Case Study」があります。こちらの方が、よりスタートアップの方に身近な情報になるはずです。
また、AWS Loftなどのイベントで、お客様自身が事例を発表されるケースがあります。特にスタートアップのお客様の事例も多めなので、スタートアップ企業様や新規サービスを企画されている方にご活用いただける内容です。
ぜひご利用ください。
実装時のTipsを知りたい
これは特にAWS Amplifyで進んでいる取り組みなのですが、実装時のTipsなどをまとめた「Amplify学習リソース集」というまとめリポジトリを展開しています。ここには、主に「公式ハンズオンドキュメント」「利用者による日本語解説へのリンク」そして「コミュニティ活動情報」がまとめられています。AWS Amplifyを積極的に活用しようとお考えの方に、ぜひご利用いただきたい情報集です。
その他、JAWS-UGなどのユーザ会の活動の中で、構築・実装・運用時のTipsをまとめられている方がいます。そちらの情報もぜひ参照されてみてください。
最新を追いたい
AWSは常にサービスのアップデートがあり、そして新しいサービスも登場します。その情報を日々一つずつ追いかけるのは大変だと思います。そんな時に活用いただきたい2つの情報源があります。
1つは、AWS Blogにある「週刊AWS」です。毎週、最新のAWSの情報がまとめられております。僕自身も、ざっと調べるときはまずここから読み始めます。
もう一つは、Twitter Space(音声メディア)の「#ohayo_aws」です。毎営業日 9am〜9:30am (JST)で放送中です。最新のアップデートを、SAのメンバーが説明しながら耳で情報をインプットできます(※2)。朝、始業時のお供にいかがでしょうか。
おわりに
ここまで、AWSの日本語情報を探す際に、5つの目的「引き出しを増やしたい」「体で覚えたい」「導入事例を知りたい」「実装時のTipsを知りたい」そして「最新を追いたい」に沿った情報源をご案内しました。ご自身の学習スタイルに合わせて選んでいただければ幸いです。
その上で、壁打ち相手が欲しい…などがありましたら、御社担当者にご相談いただければ、SAが出向けることがあります。SAへの相談は無料です。特に、作り始める前にご連絡いただけると、ベストプラクティスの提案がしやすいため、大変嬉しいです。もちろん、運用が始まった後の更なる改善の相談でも結構です。僕は、技術相談ばかりでなく、技術組織や開発フロー、そしてビジネス側の人との渡り合い方の相談まで、幅広く承っています。
また、こちらは有償ですが、一問一答はサポート窓口もぜひご活用ください。サービスの詳細は「AWS サポート」を、問い合わせのしかたは「技術的なお問い合わせに関するガイドライン」ご覧ください。
※1: 僕が個人アカウントで試すときは、AWS Organizationsでハンズオン用のアカウントを1つ作成して、終わったらそのアカウントを丸ごと閉じてしまいます。これだと、アカウント内で稼働しているサービスを指定して一つずつ止めたりする必要もなければ、誤って別のものを操作する恐れもありません。
※2: 同じチームの同僚の @mats16k さんが発起人で始まった企画です。発足以来、ほぼ毎営業日続けられています。続けることについて、僕は本当に尊敬します。なお、やっている本人が一番おぼえると話していました。