昨夜、JPA(Japan Perl Association)主催の「JPA Thanks CONBU トークセッション」へ足を運んできました。前日、なんとかギリギリ登録する事ができました。模様は「JPA Thanks CONBU トークセッション まとめ – Togetterまとめ」にまとめられています。
CONBU(CONBU – COnference Network BUilders)さんとは、大規模な勉強会やカンファレンスなどのネットワークの敷設・管理を行うネットワークエンジニア集団の名称です。様々なベンダーの人たちが協力して、素人ではなかなか手に負えない大規模ネットワークを、短い時間で作り上げられるプロが集まっているのです。なかなか珍しいです。
あの1,000人超が来訪するイベントにおいて、短い準備期間で滞りなく快適なネットワークを提供できることは、非常に高い技術とモティベーションのもとに成立している事に他なりません。特にWi-Fiは素人が設置すると、大規模になってしまうとあっという間に破綻します。それを思うと、彼らに感謝せずにはいられません。
そして、どうやったらそれができるのだろうと、僕はふと興味が沸いたのです。実は、YAPC::Asia 2014の際にHUBで少しだけ話を聞いた事があったのです。できれば、もっと深く聞いてみたいなと思っていた矢先だったので、これは伺うしかないと思ったのです!
また、最近はボランティア先のTENTOで数十台のマシンをつないで移動教室を立てる事もよく行っているのですが、Wi-Fiの設定で色々苦労していました。YAMAHAのRTX1200とWLX302を買ってもらったのに宝の持ち腐れだね自分!!!だから、この機会にしっかり知見を獲得したかったのです。
伺ってみて、その話の内容には期待以上でした。ご自身の技術的好奇心、そして違う分野の人とより広く関わっていきたいと考える志高いプロフェッショナル集団に、自分たちは支えられていた事を改めて認識できたのでした。このようなお互いの知見を出し合いながら面白い事をする機会がより増えれば良いなと思ったのでした。
CONBUのみなさん、ありがとうございました!会の準備や食事を提供いただいたJPAの皆様、ありがとうございます!そして、会場を提供いただいたmixiさん、お世話になりました〜
それでは、いつものようにノートをアップしておきます。
YAPCとLL、異なるカンファレンスのNWをさくっと構築する
- 高橋さん
- NWエンジニア
- 話す事
- NWのこと
- 資料公開します(あとでリンク張る)
- 会場ネットワークを提供したけど
- テーマ
- ポータブル化
- 低コスト化
- 準備期間: LLの後だから4日!!!
- 通常は1〜2ヶ月でやる仕事!!!
- 要件も増える
- セキュリティ
- 高速
- 低コスト
- v6?
- でもやるしかない!
- テーマ
- 求められる機能はイベントを問わず変わる事は少ない
- 一度作ったものを再利用して低コストに
- 計画・論理設計・検証の一部
- だめなもの
- 物理設計・下見・検証の一部
- 一度作ったものを再利用して低コストに
- 構築方法
- 設定済みにして運ぶ: 今まで通り
- テンプレを作ってデプロイ:
- クラウドに機能を持たせる: 今回採用。クラウド側にVPNを張ってつなげる。
- 集まって作業する必要がかなり減る
- 配送
- 段ボールかなり運ぶらしい
- コスト結構かかる
- 運搬中にサーバが壊れた事さえあって、去年のLLではタイムトライアル状態…
- こういうのもクラウド側におくと避けられる
- NFV
- 突然の要件変更!!!
- それも前日!
- VPNあかんやん!
- VLANで
- 当日どうなの?
- トラブル
- 違うVLAN IDで動いてた: 借りている装置とかで、調整をしていたつもりが思った設定になってなかった。
- L2TPつながらない: パケットがお漏らし…宙に浮く。
- (ちなみに私もこの問題引っかかりました)
- Abuse
- トラブル
- その他のこと
- 1,200台あまりのMac(MACIDベース)がつながったらしい
- 口に出して言えない言葉をパスワードにする
Wi-Fiの電波の話
- @tinbotu さん
- ざっくりまとめると
- 遅い受信レートではつながらないようにする
- 到達距離を制御するにはAPの高さと向きを変える事で対処
- チャンネルの衝突に気をつけながらセットアップ
- 切れちゃう原因
- 電波が弱い
- 混んでる
- 強さと速度
- 電波の強度によって、リンク速度がリアルタイムで変わっている。
- 切れると別のAPをさがす。
- 壁とか貫通しづらい。
- 水も通りづらい(人間が壁になる)。
- 人が増えると電波が届きづらくなる。
- 時空間の問題
- 遅い端末が、電波を使う時間を奪う。
- 通信時間が延びる→電波占有時間も延びる。
- だから、遅い端末を切ってしまおう!
- 電波が弱いほど受信レート(リンク速度)は落ちる。
- そこで受信レートが低い=弱い電波の端末を締め出す事が可能。
- CiscoとかYAMAHAのAPには受信レート設定の項目がある。
受信レートの設定ができると、実は安いWi-Fi APでもいけるかもしれない(でもそんな製品は今の所ないらしい)。
- しかし、APを増やして対策すると電波が衝突する。
- チャンネル設定だけでは限度がある。
- 遅い端末が、電波を使う時間を奪う。
- 譜面台にWi-Fi APを乗せる理由
- 高さはもちろん、角度も変えやすい!
- 低いと狭く、高いとより遠くへ。
- より飛ばしたい方向へ届くよう傾ける。
- だから、飛ばす方向を柔軟に変更できる。
- これで、電波が飛んで行ってほしい方、飛んで行ってほしくない方、それぞれコントロールしやすくなる。
- チャンネルが衝突しそうな時はより効果的。
- 出力調整で、下げても電波の届く範囲があまり狭くならない。
- そして、受信性能は設定ではどうやっても抑えられない。
- だから高さで調整するのが手軽で確実。
- 高さはもちろん、角度も変えやすい!
- 電波の混雑は、inSSIDerなどのツールで、使用率も含めて確認する。チャンネルが埋まっているだけでも、使用率が低い事があるので見逃さない。
- 電波の到達距離は、感覚でわかるそうです…これはすごい。現場でたくさんの知見を獲得されているのでしょうね。これだけはまねできそうにありません。
CONBUのみらい
- 資料と発表内容のみ公開OKのセッション
- CONBUが注力するところ
- ホットステージ (Interopとかのカンファレンスネットワークの準備)
- クラウド化
- 構築のマネジメント
- ホットステージ
- 超短時間化!を目指す。
- 配線に32%の時間がかかってる。27, 32, 27 ,14 = 休憩,配線,開梱と梱包,確認
- AP 25台 大変だ!
- 専用 配送箱作った!18台はいる。
- 梱包工数が減らせたと思う 10倍ほどのパフォーマンスアップ
- 土管
- みんなと手を組みたい
- コンテンツを提供しなきゃ
- 「誰々はどこにいる?」
- 「人気発表プログラムは何?」→AP毎にとれると…へへへっ
- 面白い事を話していると、トラフィック量が 減る んだ。
- サイトの発散具合・エリア毎のトラフィック・プログラムにマッピング→わかる!?
- アイディアだし
- 人気URLをだす→GitHub, CPAN等に絞って
- 同じトークを聞いている人をマッチング→昼飯食いに行こうぜ
- sandboxあると誰か作るかも
CONBUはみんなと仲良くなりたい
- たじまさん
- JANOGとか手伝ってます
- 次回 JANOG35 も来てね!1月だよ!
- 最初にやるべきだけれど、最後にやります!
- CONBUって?
- NWエンジニアにとって
- 最近遊べない
- 実験できない 特に壊せない
- NWエンジニアにとって
- 前史
- 2009年くらいまで
- ネットワークを提供すらしてなかった
- 運営向けのみくらいかな
- NW屋のカンファレンスなのに…
- 第一世代
- 2010年頃
- 細々と来場者向けに提供
- ノウハウなく大失敗
- NW屋のカンファレンスなのに…
- 第二世代
- SNS大躍進
- 会場で仕事をしたい(ふりをする)要望の増大
- 備え付けWi-Fiの崩壊
- 大変な労力とコスト
- NW屋のカンファレンスなのに…
- よくよく考えると
- メインコンテンツはプログラム
- NWは道具なのにコストがかかる
- 毎回作っては壊し…
- NW屋のカンファレンスなのに…
- ほめられると嬉しい!
- 同じ業界ならつるんでいる事が多い。
- だけど、違う分野の人とあまりつながっていない。
- YAPCなどを通じてコミュニティを越えて絡んで行く。
- 理想
- 僕らがいなくてもNWが作れる時代に。
- カンファレンス運営担当が何もせずにNWが組める時代に。
- そして、機器だけでなく、人もつなげたい。
おまけ: CONBUさんへ
ブログに書いておいて!とお話を伺ったので残します。
まず、こんな話を聞きたい!です。
- クラウド上のサーバの設定
- Juniper FireflyのConfig例
- エッジにいるルーター(RTXとか)のConfig例
- VMイメージがあると嬉しい
- オリジナル梱包箱を作る時の材料…と思ったら書いていただいてました。
AP専用箱の材料は、折りたたみコンテナ・プラダン・スポンジです #yapconbu
— くま害 (@tinbotu) October 29, 2014
- NOCツアー: 大変だと思いますが…PyConでやっていただいてかなり勉強になりました
続いて、ネットワークを絡めてこんな事をやってみたらどうだろう!です。
- 位置情報スタンプラリー: 満遍なくまわってもらう動機にする
- IPアドレスで抽選会: DHCPから割り振られたIPで当選番号が決まる! 開発あんまりいらない
- ハッカソン: 機器のsyslogをfluentd等を経由してGoogle BigQuery等に蓄え(MAC IDなどは伏せて)、そのデータを使ったハッカソンをやる。