社会人になってから修士に飛び級すると何が大変?

社会人になってから修士に飛び級すると何が大変?

こんにちは。 @koemu といいます。これは「社会人学生 Advent Calendar 2019」の18日目の記事です。

5年ほど前になりますが、僕は筑波大学 大学院 ビジネス科学研究科 経営システム科学専攻(GSSMと呼ばれています)に通っていました。その時の話は、修了してたちまちの頃に「GSSMのオープンキャンパスで体験談をお話しました」と「筑波大学 社会人大学院(GSSM)を無事修了しました」という記事を書いています。

さて、修了から5年以上経ちまして、改めて思い返してみると「これは大変だったなぁ〜」ということ、特に僕が高卒から修士に飛び級したからこそ大変だったと感じたことをまとめてみます。「大学で習うはずのことがわからない」「論文執筆で苦心する」そして「わからないなら聞くしかない」の3篇です。

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大学で習うはずのことがわからない

GSSMは社会人向け大学院ということもあり、修士1年のときに必修で「復習」のような単位があります。解析はさておき、線形代数で本当に死にかけました。単位を落としかけた、という意味で…。本来であれば大学の般教の頃に学ぶことですから、復習のときはサラッと流すだけ。他の級友と違い、そこは必死になって学ぶしかありませんでした。

あと、研究室のゼミのときに集合論でハマってしまいました。その際、当時大学院で先輩であり博士課程にいた、現在は放送大学教授の辰己丈夫先生に、別途、集合論のゼミを開いてもらって覚え直せたのも幸運でした。辰己先生ありがとうございました。ちなみにゼミで使ったのは以下の本です。

飛び級すると、飛んだ分の勉強はやらないから、わかっている前提で進む。アタリマエのことなんですけど、当たり前にやるのは大変です。とはいえ、覚えなおそうとしたときに、様々な先生が付き合ってくれたのは本当に感謝しています。そう、学び究めたいって人を歓迎するのが大学って場所なんだってのを知りました。

論文執筆で苦心する

大学院になれば、論文の1本や何本でも書くのが普通です。僕の指導教授だった久野靖先生は、様々な本を翻訳されておりまして、文章を書き慣れている先生の一人でした。それもあるのでしょうか、言葉こそ優しいものの指導は厳しく、学位論文執筆は非常に大変でした。何度となく第1章を書き直した記憶があります。

通常、大学を出ていれば卒論を書きますので、文章を書く技術はある程度備わっているものです。しかし、僕の場合は我流でずっとやってきてしまったため、当初の学術論文執筆の技術はひどいものでした。先生は本当にこのレベルから付き合っていただいて感謝しかありません。

学位論文などは「自己紹介」のページからリンクしています。ご興味のある方はどうぞ。

今は、いろいろ本や雑誌の連載を持ったりして、その学びをアウトプットする機会を得られています。世間様に顔出しできるくらいの文章は書けるようになったかな、と自分では思っています。幸せなことです。

わからないなら聞くしかない

社会人向け大学院ってのは、学校によると思いますが、僕が通っていたGSSMは社会人経験がある人のみいました(休職・離職している人もいます)。なので、平日は夜間、土曜日は終日講義でした。朝から仕事をして、その後に講義、しびれますね。そのうえで、講義後にレポートがあります。レポートがない日はないんじゃないでしょうか。学生専業でも大変なこれらのタスクをやるの、なかなか死ねますでしょう?

そんな中、レポートをやっていたり、課題をやっていたり刷ると、わからないことが出ます。僕なら会計の課題が解けない、ある級友ならソフトウェアの課題に四苦八苦している、というもの。こういうとき、どうするかというと、教え合います。わかるある人が、かんたんなゼミみたいなのを広場でやったりします。割とこれが盛り上がります。みなさん、社会人をやってそれなりに知見を得ているので、一つ一つの話が濃ゆいですし、これが交換できるだけでも貴重な経験です。

少なくともレポートの写し合いはやりません。そんなのやればすぐにバレますし、何より自分で貴重な時間を負担してきている足しに全くなりません。

わからないことは聞くってのは、いつの歳になっても大切ですし、いつの歳になっても知見を得られるもっともわかりやすい方法の一つであります。これは別に飛び級は何も関係ない話ですが、印象的なことだったので書きました。

学び究めるのは楽しい

僕は大学院に入るまで、勉強ってのは辛くて苦しいもので、できれば逃げたいものでありました。それが、大学院に入ることで、ガラッと変わる、エポックメイキングなできごとでありました。学び究める楽しさを知れただけで、人生はとても豊かになりました。もう少し早く知ることができればという思いもなくはありませんが、それを考えるより今後に活かしたい、そして誰かにその良さを伝える機会があればとことん伝えたい、そんな気持ちです。

社会人になってから大学院生になっている最中の人は、時間・パワー・お金の面で非常に苦労しているはずです。とはいえ、やりきれば終わり、その先にまた違う未来が待っているはずですので、がんばってください!!!

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