前回に続きまして、イギリス訪問記です。Yorkの次は、Londonに加え日帰りでCotswoldsへ行ってきました。Londonを選択した理由は、今回の旅のもう1つの理由があるからです。その話を含めて、このエントリでは「今回訪ねた所」「Londonでの生活」そして「相方との友達と会ってきた」の3節に分けてお話しして行きます。

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今回訪ねた所

Oyster Card(日本で言うSuica)を携え、Tube, London Busを駆使してまわりました。ざっと書き並べてみます。順不問です。

London EyeBig Benの近くにある観覧車です。まずはここでLondonの街並をざっと把握しちゃいましょう。東京なら、スカイツリーにのぼるようなものですね。

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National Gallery – Londonの中心、Piccadilly Circusから少し歩いた所にあります。日本では生でなかなか観る事のできない名画が、それなりに広いはずの美術館の中に大量に展示してあります。特に、日本では宗教画は滅多に観る事ができないので、この目で鑑賞できた事を本当に嬉しく思いました。そして、入場料は無料。日本では考えられない事です。

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Regent’s Park – 街の北側にある、大都会とは思えないほどの広さがある公園です(※1)。のんびりするのも良し、バラを観賞するのも良しです。僕らは、Open Air Theatreで”Twelfth Night“(シェークスピア「十二夜」)を観てきました。晴れた昼下がり、校外学習に来たたくさんの小学生がいましたが、みなさん静かに、そして積極的に「参加」していたのが印象的でした。ただ、ミュージカルそのものは、シェークスピアの話を知っていないと結構辛かったです。

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Her Majesty’s Theatre – Piccadilly Circusにある伝統ある劇場でして、ここで有名な”The Phantom of the Opera”(オペラ座の怪人)を観てきました。さすがに有名な演目だったので、何とか英語が聞き取れる僕でも楽しむ事ができました。そして、演技の迫力が「違います」。日本からLondonに行く目的に、ミュージカルを観に行く事を選択している人がいる理由がよくわかりました。

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Olympic Park – London Olympicのメイン会場です。水泳場と陸上競技場は今も健在です。日本の国立競技場に比べると道幅が非常に広く、多くの人も捌きやすい構造となっていました。2020年は日本もそうなっているといいですね。

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The Wallace Collection – 個人で収集された美術品の数々が、これまた無料で観覧できます。欧州の富豪の水準は、日本のそれとは遥かに差があります。そして、それらに身近に触れられる環境があるのは、とても価値のある事だと思います。レストランが併設されており、お昼も食べる事ができました。

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Cotsworlds – Londonからバスで3時間弱、Englandの原風景が残る観光地です。National Trustが自然を大切にしながらも手厚く管理・保護をしていまして、とても美しい場所です。今回は、みゅうさんの日帰りバスツアーに参加して訪問しました。今回ご一緒した添乗員さんは、バスの中ではイギリスのこぼれ話や、到着地でのオススメ&オススメしない(!)場所の情報をお話ししてくれまして、なかなか良かったです。

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外食 – Pubにはあちこち行きました。ビールはうまいし、パイは盛りだくさん出てくるし、最高ですね。相方の友達とメキシコ料理屋にも行きましたが、なかなか良かったです。結局、Fish and Chipsは、Londonでは食べませんでした。ただ、某コーヒーショップのサンドウィッチだけは、おいしくなかったです…

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highspeed – 鉄道発祥の地 イギリスにおいて、日本人ならちょっと気になる鉄道があります。それはMade in Japanの電車、highspeedです!200km/h出す列車はいくつかありますが、乗り心地が圧倒的にいいのです。突き上げてこない。やっぱり日本の電車って凄いんですね。Stratford から St. Pancras までの短距離ではありましたが、楽しむ事ができました。

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Londonでの生活

Londonではホテルは高いので、比較的安価な短期賃貸アパート(Serviced apartment)を借りました(※2)。場所はKing’s Cross駅から歩いて5分の好立地にある”Studios2Let“さんにお世話になりました。セキュリティもよく、きれいなところで、かつシャワーも熱くて勢いよく出ていましたので、安心して過ごす事ができました。また、食事はスーパーで買って作れば、日本と同じくらいのコストで過ごせます。

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さて、ロンドンと言えば、この標語(※3)です。

“Keep Calm and Carry On”

この標語、日本人がLondonで生活する時も心に留めておきたい言葉です。Londonにいると1日に数回はトラブルが起きます。そんな時でも、冷静にやるべき事をやりましょう。

例えば、僕は旅行中に…指定席を取ったのに人が座っていて「失礼ですがそこ取ってるんだけれど」と言って退いてもらうなんて何回もありましたし(※4)、支払いがカード文化なのにカード決済機が故障して慌てて小銭をかき集めて支払ったとか、極めつけはオーブンでトマトを焼いていて出そうとしたら火災警報機が鳴ったとか。特に、火災警報機の件は、管理人さんは「あー、10分くらい待ってれば止まるよ!」と言うし、相方も「まあLondonはこんなものだよ」と涼しげな顔をしています。ここで、僕は諦めがつきました。Londonにいれば、人間として優しくなれそうです(笑)。

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また、Londonの人たちは非常にマナーが良いのが印象的でした。特にTube内が顕著でして、我先にとイスに座る人はいないし、妊婦や足が悪い人が近くにいれば自然と席を譲るし、そして女性が重たい荷物を持っていればすかさず助けに入るEnglish Gentlemanがいました。これは、日本人である僕らも大いに参考にしたいたしなみだと思いました。

相方との友達と会ってきた

イギリスへ来たもう一つの理由は、こちらです。

相方は20代の頃に数年間イギリスで生活をしていました。その際に知り合った友達と、初めてお会いすることになりました。今回は、お互いパートナーを連れてということで、いろいろ話が盛り上がりました。

話していてわかったのですが、友達のパートナーは何とソフトウェアエンジニアをやっているとのことで、おおお!という感じになりました。その後、同じソフトウェアエンジニアの方なら想像がつくかと思いますが…日英ソフトウェア開発事情の情報交換会と相成りました。日本以外の状況を生で聞くのはこれが初めて。たったひとりからの情報と言われるかもしれませんが、僕にとってはとても大きな世界の入口に立てた事に、大変感謝しています。まあ、二人から「ソフトウェアエンジニアはいつもコンピュータの話ばかりしてる!(笑)」って一言言われてしまったのは、ご愛嬌であります(笑)。

ちなみに、相方と友達は、会っていない間のお話や、パートナーとの生活についての情報交換をしていたようです。二人とも平日の仕事上がりのところ、時間を割いてわざわざもてなしてくれた事をとても嬉しく思います。優しい人とは、彼らの事を言うのでしょう。

なお、お二人はどちらも男性です。そう、LGBT(Lesbian, Gay, Bisexual, and Transgender)であります。僕は身近な人がLGBTなのは初めてです。お会いして話している時は何とも思っていなかったのですが、今考えますととても素晴らしいな、愛って性別とか国籍とかって関係ないとは言うけど、本当に関係ないんだなと深く感心しています。そして、そんな中でも彼らが僕らのような男女のパートナーと同じように過ごせるイギリスの懐の深さに、感銘を受けるのでありました。

そして、ツール・ド・フランスの観戦とともに、もう一つの目的を無事達成する事ができ、本当に良かったと思っております。

健康で文化的な生活ができる場所

ここまで、「今回訪ねた所」「Londonでの生活」そして「相方との友達と会ってきた」の3節に渡ってお話しました。僕は、Londonを健康で文化的な生活ができる場所である、と感じる事ができました。

English Gentlemanのたしなみ、無料で入館できるハイレベルな美術館や公園、そして当たり前のように演じられている公園のStreet PerformanceやTubeのコンコースから聞こえる日替わりのStreet Music(※5)。また、ちょっといい加減だけれど、それさえも「まあいいか」とうまくやり過ごしつつ、日々の生活を楽しむ余裕。

イギリスのこうした余裕は、強国かつ戦勝国であった事から来るものなのかなと感じずにはいられませんでした。もちろん日本にも凄い所もあり、この70年弱で先進国として恥ずかしくない経済水準を達成しました。ただ、ここに来て気持ちの余裕を失っているかな?人とは多様であり様々な生き方がある事を意識しているか?と考えてしまうこともあります。

極東の、遠い遠い所からやってきたイチ観光客ではありましたが、本当にたくさんの刺激を受ける事ができ、そして日本への宿題を持ち帰ることができた旅でした。この旅を通じて、余裕とは自分がどうありたいかを考えて行動する事が大切な要素の一つなのだなと考え始めている、今日この頃です。

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※イギリス訪問記 一覧

※1: Londonには他にも広い公園が各所にあり、本当に驚きます。

※2: 東京に比べたら家賃は数倍高いです。

※3: この標語が入った定期入れ(Oyster Card Case)を買いまして、普段使っております。

※4: 車内改札でも、車掌さんは行き先しか確認していませんでした。事実上、自由席状態です。

※5: 審査をパスした人が許可を得て演奏しています。従ってレベルが高い。Piccadilly Circus駅の下りエスカレーターに乗ると、下で演奏している音が徐々に聞こえてきまして、本当に良い風情でありました。他にArtのプロジェクトも催されています。