コンピュータの世界の基本は「理屈」の世界でして、物事の背景を様々説明すると言う文化が根付いています。もちろん、理屈抜きの世界も存在していますが、これは実務の部分より上のレイヤー、たとえば経営とか戦略という部分で一部採用されるものと僕は考えています。

変わりましてオーディオの世界。
雑誌やWebをはじめとしたプロモーションの内容を見ていると、色々な言葉をちりばめて説明されているなと思います。言い換えると、とても主観的。機種比較と言う相対分析はあっても、絶対的データを元にした分析ってのをあまり見たことがありません。そもそも音は感性が結論を左右するもの、という理屈はわかるんですけどね。

そんな中、今使っているオーディオシステムのスピーカーケーブルを買い換えました。『KIMBER 4VS』という、米国のメーカーが製造するケーブルです。秋葉原のヨドバシカメラで1,300円/mくらいの価格でした。
というのも、今使っているフロントスピーカー用ケーブルは安物で10年以上使っていると言う代物であること、また実は親父から「このケーブルはいい」という勧めがあったことがきっかけでした。


KIMBER 4VS LANケーブルの親分のような雰囲気を醸し出しています
[ 1/60sec / F4.0 / 50mm / ISO 100 / EF 50mm F1.8 II ]

はじめてみたときの印象。これは『LANケーブル』か!?でした。LANケーブルは通常ビニールの覆いが被さっていますが、開いてみるとケーブルが編んであるのが確認できます。これはノイズ対策というれっきとした理由(詳細は検索して調べてみてください)でやっているのです。
さては、これをオーディオケーブルでもやっている、ということでしょうか。

家に帰って早速接続を始めようとしたのですが、ここで大きな問題が発覚。
なんと、線の被覆を剥くのがすんげーメンドクサイ。なんと、1本(1セット?)買うと、片側8本の被覆を剥かないといけないのです。なんじゃこりゃ。幸いワイヤーストリッパーなる自動被服剥き機をを持っていたのでちょっとはましでしたが、それでも通常のケーブルを接続するのに比べて約4倍の労力(合計32本の対応)が必要なのは変わりません。
最終的には、末端処理として片方にバナナプラグを、もう片方はスピーカーにバナナプラグが着かないので半田で纏め上げておきました。


末端処理終わり 30分かかったぞ
[ 1/60sec / F4.5 / 50mm / ISO 100 /
EF 50mm F1.8 II ]

つなげ終わりました
[ 1/60sec / F3.2 / 50mm / ISO 100 /
EF 50mm F1.8 II ]

末端処理が終わり、接続した後、早速音を鳴らしてみました。
初めての感想。なんか『今まで音質低下フィルターがついてたのか?』ってくらい、フロントスピーカーからマトモな音が出てくるようになりました。言い換えると、今までくすんでいた音が開放されたような、そんな音になりました。決定的な違いには聞こえないのですけど、長年聞いているとわかるレベルにはなっていると思います。
さすがに、買えばmあたり90円くらいの安物、それも経年劣化しているおまけのケーブルから変えると、こんなもんなのかなと考えています。
これより高いケーブルってあるのですが(なんか単位mあたり数万円とか)、さすがにこの水準だと僕ではぜんぜん聞き分けられないと思います。聞き分けられそうなレベルで一番高いのが、今日買った4VSくらいのクラスかなと、感じました。

ちょっといいコンポを持っているけど、ひとつ新しいことを試してみようと思われた方にお勧めです。