6月に「徳力さんのセミナー「ブログを活用してヒューマンネットワークを広げる方法」へ行く」というエントリをご紹介しました。
ざっくりまとめると『わらしべ長者理論』とも言うべき、人同士のユルいつながりがより大きなアウトプットを生み出すことができる、というお話です。

そこで、私が徳力さんから学んだ項目が5つあります。
1. 名刺交換した方には事後にメールを送る
2. 会いたい人のブログ上の会話に参加する
3. お会いした方とブログを通じて会話する
4. グループで活動する できれば主催する
5. コミュニケーションにウェイトをかけすぎない

学んだ項目について、講義を受けて半年がたち年末となった今、しっかり振り返ってみようと思います。

【1. 名刺交換した方には事後にメールを送る】
ポイントは「自分を知ってもらう」ことにあります。名刺交換したときは注目している話題で盛り上がっていて、自分のことを話す機会がとても少ないのです。それを補完するのがこのメールです。

これは、講義を受けた後すぐに実践してみました。確かに自分を知ってもらえる機会は大きく増えますし、何よりメールを送られる方は比較的少ないことがわかったので、より印象を深めていただけることもわかりました。これは、ブログへのRSSフィードの登録数が徐々に増えたりしていることで認識することもできます。
ただ、これは『宣伝』になってはいけない、という事に気づきました。
そこで、今では『お礼状』(※1)という形に発展させて、引き続きお送りするようにしています。
何らかのご縁があってお会いできました。その中で、盛り上がった話もあります。そして、名刺交換させていただけたのです。そんな出会いへの感謝をこめています。

【2. 会いたい人のブログ上の会話に参加する】
講義中は、確か徳力さんが梅田さん(はてな取締役)のブログへトラックバックなどを送って議論のきっかけを作ることで、いつかお会いできるのではないか?という話だったと記憶しています。

僕も、『東京にはチャンスがある だから地方からのぼるのだ』というエントリなどでちょっとだけやったことがあります。ただ、徳力さんのようにトラックバック先の人を印象付けるレベルまでには至りませんでした。
ただ、これをやってわかったのが、より『相手の”話したいこと”を理解する』努力をするようになるのです。
世の中には様々な方がいて、そして様々な意見があります。だから、単純に相手をDISる(否定する・反論する)だけでは議論にならないことを身をもって理解できます。
得られた結果が講義内容とは違ってしまいましたが、僕自身にとっては貴重な収穫でした。

【3. お会いした方とブログを通じて会話する】
おさえることとして「会っていなくてもblogでお互いに通じ合っている」ことです。blog以外にも、twitterなどでやられている方もいらっしゃると思います。

これは、僕自身がそうしていたことより、僕とお会いした方がそれを体現してくれた、という出来事がありました。
それがよくわかるエントリが『『俺ブ』にちょっと参戦』です。
私がとある勉強会でお会いしたtsujiさんが、私のブログを読んでくださっていたことがユルいつながりをより豊かにしていただけました。
このおかげで、勉強会でお会いする度に、今まで以上に深いツッコミを入れられるようになっています(笑)。
ちなみに、

なので、ブログを教えてもらえた場合は、後から拝見させてもらうのを基本にしています。

とのコメントもいただいています。そうです、『1』がきっかけだったのです。

【4. グループで活動する できれば主催する】
これは「何かをしたいとき、一人では大変。だから、集団で取り組む。」そして「集団の目的が明確だとコミュニケーションしやすく進めやすい。」という内容です。

これの実践は、ブログやWeb開発者を通じた人のつながりではなく、とあるセミナーでお会いした人たちとの共同作業という形でやってみました。
詳細は、最近の出来事だった『板倉雄一郎事務所 クリパ2007 盛大に催される』からです。
このクリスマスパーティに実行委員として参加した結果、講義で伺った内容が『心躍るほどに体感』できました。まず、「クリスマスパーティを成功させよう」そして「自分たちがどんどん楽しもう」という価値観の元、自分がどのような形で貢献するかということをしっかり考えて進めることができるのです。
そして、この取り組みのアウトプットは、参加者への「クリスマスパーティでの楽しい思い出」でした。
もちろん、この背景にはリーダーの力強いバックアップがあってこそでもあることは、絶対に忘れてはいけません。

【5. コミュニケーションにウェイトをかけすぎない】
大切なこととして「コミュニケーションだけでは何も生み出さない」ことでした。WEB+DBの催しでも、形を変えて同じことをおっしゃられている方がいらっしゃいました。

『ユルいつながりをもつことが大切』ということを教わりつつも、この示しがあることに十分気をつけなければなりません。
たとえば、ブログを書いていたり、催しに参加して会話しているだけで、なんか満足している自分がいたりするのです。僕も一瞬はまったことがあります。これでは時間をはじめとしたリソースの浪費になってしまいます。なんてもったいない。
だからこそ、このコミュニケーションが『どんな目的なのか』また『どんなメリットがあるのか』を常に考えながらやることで、何とか自分自身をコントロールしているのが現状です。
そして、上記2つの考え方は、コミュニケーションに限った話ではないポイントだと僕は考えています。

さて、徳力さんは広報などを担当されている方で、人とのつながりが大切なお立場なのだと僕は想像しています。
しかし、僕は普段はエンジニア or/and マネージャーです。
短絡的に考えると、コミュニケーションのノウハウよりプログラミングのノウハウの方が大事じゃないの!?なんて思われるかもしれません。
でも、現在はオープンソースコミュニティを初めとした、会社を超えた『コミュニティ』で活動されているエンジニアが増えていることは、多くのエンジニアの方は体感され、そして実践されていると思います。
手法はどうであれ、このような『人とのユルいつながり』が、新しい価値を生むための種を蒔くいいチャンスなのだと、僕は考えます。

そして、この『わらしべ長者』理論、徳力さんがもともと「会社・自分をより多くの方に知っていただきたい」という気持ちではじめられたことだと、後にご本人から伺いました。
その言葉の裏に、ご本人にとってすごく苦しい状況があったのだろうと、僕は推測しました。
そんな中から生まれた貴重なノウハウ。それも何の対価も求められずに教えていただいたノウハウ。
僕は、何らかの形で返したい(=アウトプットしたい)と、ずっと思っていました。
それを形にすべく、実践を振り返ったレポートをここに記します。

続編が書けるように、来年も「仕事」「コミュニティ」それぞれで、最高のアウトプットしていきます。
僕に、数多くのすばらしい出会いを与えてくれるきっかけをもたらしていただいた徳力さん、どうもありがとうございました。

※1:
書き方がわからない!という方は、社内・外にいる『優秀な営業マン』(=トップセールス)に聞いてみてはいかがでしょうか?
僕が知る『優秀な営業マン』は、初めてお会いしたお客様に必ずと言っていいほど『お礼状』を送られています。
彼らは「人とのつながりが売上につながる」ことを常に考えていらっしゃるので、『わらしべ長者』につながりそうなノウハウも数多くちりばめられています。
エンジニアの方だと、普段仲が悪い方(!?)もいらっしゃるかもしれません。ま、ひとつここはコミュニケーションを深めるきっかけをこめて、彼らのノウハウを吸収してみてください。