睡眠。それは、人生の3割以上を占める大切な時間です。一方で、よく眠れない、眠ったのに眠った感がない等、眠りにまつわる悩みを持つ方も少なくありません。僕も眠りに関する悩みを持つ一人でして、特に寝起きがすっきりしない点をどうにか改善できないかと思っていました。

そんな中、「起床しやすい時間に起こしてくれる」という、ねむり時間計を借りる機会がありました。また、ねむり時間計を使った結果、寝方を改善するきっかけを掴む事ができました。そこで、7月から1ヶ月以上使ってみてのお話を「ねむり時間計の仕組み」「データを取ってわかったこと」そして「改善策として実践し始めたこと」の3点に分けて、お話しします。

CRW_1900

■ねむり時間計の仕組み

ねむり時間計は、大きく3つの機能が備わっています。

  1. 時計そのもの
  2. 目覚まし時計 – 睡眠のタイミングを計り目標起床時間前後に鳴動
  3. 睡眠状況の計測 – 振動センサーを用いている

販売元のオムロンの紹介では「2 目覚まし時計」の部分が強調されています。気持ちよく起きることができる期待が持てそうですものね。僕も最初は2に注目していたのですが、使っているうちに「3 睡眠状況の計測」がとても大切な機能である事に気がつきました。3については、次節で詳しくお話しします。ただ、一つ僕が感じる問題点がありまして、それは目覚まし時計としての「アラーム音」が非力なのです(;_;) そこで、僕は念のためアラーム音が大きい携帯の目覚まし時計も7:15にセットして併用しています。

また、ねむり時間計はスマートフォンと連携して使う事がほぼ前提となっています。スマートフォンから、主に次の3つの操作を行います。

  1. 睡眠状況をはじめとした各種計測機器(体重計や血圧計等)の計測結果の表示
  2. 目覚まし時計の時刻設定
  3. 睡眠に関するアドバイスの確認

なお、データ同期のためにNFC、Bluetoothを用います。僕が借りている古い機種(HSL-001)はNFCのみですのでiPhoneではねむり時間計と通信ができません。そのため、僕は相方のNFC・Ferica対応のAndroidスマートフォンを使ってデータを送受信し、自分用のiPhoneでデータを参照しています。なお、執筆時の最新機種(HSL-002C)ではBluetoothにも対応しているため、iPhoneからもデータを送受信できます。

スマートフォンと連携させる事で、時計側でのデータ参照・更新のための機構の多くを排すことができ、結果として時計自体が高くならずに販売できているのでしょう。

■データを取ってわかったこと

当初、ねむり時間計を使った目的は「すっきり起られる時間に起きる」ことでした。しかし、使い続けているうちに、目的が「どのように眠ればよく眠れた事になるのかを知る」ことに変わってきました。

次の図を見てください。ねむり時間計が記録した「睡眠時間」の記録です。

※凡例: 「青: 目覚ましセット〜眠りにつくまでの時間」「水色: 眠りについた時間」「赤: 目覚ましが鳴り始めてから止めるまでの時間」「緑: 食事の時間(手動入力)」「橙: 運動している時間(手動入力)」・「星: 目覚めっぷり評価(手動入力)」・「ベル下の数値: スヌーズ回数」

IMG_0972

自分が「眠っている」と思っている時間と、時計が認識している「眠りに入っている時間」には、違いがあるんですねー。僕の場合、入眠は5分の日もあれば1時間以上の日もあり、起床時間は10〜30分の間となっています。そう、1日1時間程度、眠った事になっていない時間があるのです。僕はこれまで寝付きが悪く、朝起きづらい事は自覚していたのですが、データとして客観的に見ることでその認識を新たにしました。

そして、数週間のデータとともに生活を振り返ると、3つの問題点が見えてきました。

  1. 夜更かしすると寝付きが悪く朝も起きにくい
  2. コンピュータの画面を見た直後は寝付きづらい
  3. 6時間以上「眠りに入っている」といい感じで起きられる (8時間以上寝るとスッキリ!)

こうして、眠りの問題を改善するよいデータが得られました。次節で、データを踏まえて考えた改善策をお話しします。

■改善策として実践し始めたこと

ねむり時間計のデータとこれまでの生活のしかた、およびねむり時間計用のアプリ「ねむり体内時計」のアドバイスを踏まえて、よく眠るために次の改善策を考えて実践し始めました。

  1. 0時過ぎに寝る
  2. 寝る前はコンピュータの画面をあまり見ない
  3. 体を冷やす

1は、7:20頃に起きる(※1)ためには、入眠に30分+眠りに6時間+起床に30分、合計7時間ベッドで眠る時間を作るとよい事が見えてきました。そうすると、眠る時間は12時過ぎがよさそうです。実際、0時過ぎに寝るとたいていすっきりとした目覚めになります。これは効果ありです。

2は、寝る1時間前になったらコンピュータの画面を見ないようにしました。あの、LCDの明るい光が眠りによくない影響を与えるようです。やってみると、入眠の時間が減る効果があり、より長く眠りに入れる事がわかってきました。いい感じですね。なお、寝る前の1時間は話をしたり、テレビを見る(※2)などして過ごしています。

3は、特に夏場は体を「冷やす」とよく眠れるようです。そこで、眠る直前だけエアコンを強くしてみました。これも少し効果があるようです。なお、夏以外はやらなくてもいいかなと思っています。

7月下旬から実践し始めた所、おかげさまで仕事は気持ちよくできますし、精神的にも安定しますし、何より体調がいいです。眠りって起きている時のパフォーマンスに大きく影響するのだなと実感する毎日です。

■おわりに

ここまで、ねむり時間計を使って睡眠を改善してきたことを、「ねむり時間計の仕組み」「データを取ってわかったこと」そして「改善策として実践し始めたこと」の3点に分けてお話ししました。客観的なデータをもとに眠りを改善する事で、起きている時のパフォーマンスを改善できることが、自分にとってねむり時間計を使うメリットとなりました。

よく眠れない、寝ても疲れが取れない、そして朝起きづらい方など、眠りの悩みを持つ多くの方に価値がある一品だと思います。スマートフォンさえあれば5,000円程度で買って使う事ができるので、投資額もそんなに高くないこともいいのではないでしょうか。

僕も、眠り方が体に定着するまで、しばらく使い続けるつもりです。

※1: 目覚まし時刻は6:40〜7:20 の40分以内に5分間隔のスヌーズがかかるようセットしています。

※2: 僕にとってテレビはそこまで悪影響は無いようです。また、自分なりの「眠れる」番組・DVDがあるといい感じです。