今年もYAPC::Asia Tokyo 2015へ行ってきました、そしてトークしてきました!
僕も @uzulla さんのようなノリノリの3日間を過ごしました!
(このあと、uzullaさんは一発目のトークを始めるのでした。)
いやー、楽しかった!今年でひと区切りとなってしまうのが本当に惜しいです。さて、ブログを書くまでがYAPCですので、ブログを書いてYAPC、そして僕の夏を締めることにします。
「辛いことをやめる!から始まる業務改善とInfrastructure as Code」と題してトークしました
(写真は公式カメラマンさんによる撮影です。ありがとうございました!)
足を運んでくださった皆様、どうもありがとうございました!満席御礼でありました。記念すべき10回目のYAPCで、約4倍の競争率の中、それも2日目のLT前のトリの時間を割り当てていただけたことに大変感謝しています。
スライドは以下の通りです。
(2015/08/31追加) トークの動画はこちらです。
また、Togetterさんがまとめたツイート、技術評論社さんが集めた有志の方がまとめたレポートがあります。その時の空気感がわかるものです。取りまとめありがとうございました!ぜひご覧ください。
- 変化を恐れるな!システム業務改善のスペシャリストが語る現場が変わるアプローチ #yapcasia #yapcasiaE – Togetterまとめ
- YAPC::Asia Tokyo 2015 2日目レポート:YAPC::Asia Tokyo 2015 スペシャルレポート|gihyo.jp … 技術評論社
YAPCに来られるようなアンテナの高い方は、勉強会・カンファレンスのあとで会社に戻った時に「この知見を広めよう!」と意識される方が多いと思います。ただ、その時に「何としてでも…力づくで・敵を作ろうとも、この変革を達成しよう!」と考えてしまうこともあるでしょう。僕も以前はそうでした。ただ、それは軋轢を生み出していまいかねず、最悪の場合は自分の居場所が無くなることさえあります。そこで、早まらず、確実に、そして価値を生み出す変革をやるための経験談を失敗談をまじえつつお話ししたのでした。
留意したのは、「文化」(culture)という言葉を使わないようにしたことです。文化と言ってしまうと何となくわかったようで、実態をぼかしてしまうことにつながりかねないからです。「それは文化だから当然だ」「それはうちの文化じゃない」という言い方は聞いたことがある方がいると思いますが、何の説明にもなっていないですよね。だからこそ、できる限り再現性が出るように説明をしたつもりです。
トーク後に頂いた感想としては、「よし、明日から実践しよう、がんばろう!」と「自分たちの取組みと近くて確認できるよい機会になった」というもののまっぷたつに分かれました。前者は想定していたのですが、後者はあまり想定していませんでした。今度は、うまくやれている人同士達でTipsが交換できたらいいなと考えています。
このブログの末尾に、今回のトークで挙げた参考文献の邦訳版の本の一覧をまとめておきます。あわせてどうぞ。
また、感想エントリも良かったら書いてください!昨年同様、ブログ検索機能を使って読むようにします。
今回のトークが、みなさまの仕事のモティベーションになったら幸いです!
※質疑応答ログはビデオがアップロードされ次第、改めてまとめます。全部覚えきれなかったー
トークの準備について
今回のトークは「スライドは英語で作る」目標を立てました。
というのも、 @tagomorisさんのエントリ「ソフトウェア技術についてのスライドは英語で書こうぜの話 – たごもりすメモ」や、@nishioさんから、英語のスライドならより多くの国の人に読んでもらえるよ、と聞いていたからです。
しかし、YAPCのような大きなカンファレンスで発表するにあたり、自分の英語力で大丈夫か少々不安がありました。そこで、クラウドソーシングサービスのUpwork(旧oDesk)でネイティヴチェックをしてくださる方を探し、お願いしました。今回お願いした方は日本語もわかる方で、英語のスライドになる前の日本語草稿をもとに細かいニュアンスなども添削いただけて大変助かりました。ネイティヴだからこその言い回しはめちゃくちゃ勉強になるので、みんなもお願いするといいと思いますよ!(参考: 「「個人でも行える海外アウトソースの第一歩 (Vol2)」に足を運びました」)
なお、スケジュールはこんな流れで進めました。
- 5月中旬: Abstract 提出 – 勢いで書いて提出 その後は待機
- 6月下旬: 採択結果受理 – 喜ぶ
- 7月上旬: 発表の骨子の作成 (大項目→中項目をざっと並べる) – だいたいすぐ終わる
- 7月中〜下旬: スライドの作成 – 家事・仕事の合間を縫ってぼちぼちやる
- 8月上旬: ネイティヴチェック依頼 – 依頼中は質問等に対応しながらぼちぼち待つ
- 8/15: 発表練習 – 相方に時間計測・話の聞きやすさ・修正点を評価してもらう
- 8/17: CTOレビュー – 勤務先における対外発表時必須のプロセス
- 8/22: 発表当日
いろんなペースの人がいますので、こう言う人もいるよ、ってことで参考にしていただけたら幸いです。
感想
いろいろなカンファレンスがありますが、ことYAPCは特別に楽しいイベントでした。また、スタッフの人が一人一人プライドを持って担当している範囲で最高の貢献をしているのも、僕の印象に深く残るものでした。僕もイベントの幹事長をやることがあるのですが、このくらいできると素晴らしいなと思うばかりです。
また、多くの人たちと一同に会せることがすばらしいことです。情報交換はもちろん、近況を伺ったり、人の紹介など、普段できない様々な体験があります。今回、TENTOで学ぶ高校生を引率していたのですが、彼にも第一線で活躍するエンジニアの姿を生で見てもらって、いい形で開発に反映してほしいなと願うのでした。
トークも一通りまわりました。主に、自分が追いかけ切れていない分野の知識を補完できるものを選びました。それぞれ、ひとこと感想をまとめましたのでどうぞ。
- PHP帝国の逆襲!(を願うPHPerが話す最近のPHPについてのクイックツアー PHP7対応版): 安定のuzullaさん、空気を全て自分に引き寄せるあの力は面白くて凄い!技術に裏付けした笑いも素晴らしいものでした。
- はてなブックマークのトピックページの裏側: Elasticsearchってこうやって使うんだぜ!って魅せられたトークでした。
- 我々にできるOSSとそのコミュニティの育てかた: OSSを使ってもらうため、広めるため、使い続けてもらうための実践に基づいた知見を伺えた貴重なトークでした。まず、自分はREADMEの英語の内容を手厚くしないとな。
- メリークリスマス!: Larry Wall氏の生トークを初めて聞けた。ただ、文化的背景があまりよくわからず、楽しめなかった自分がちょっと残念。
- Managing Containers at Scale with CoreOS and Kubernetes: ロボットレストランネタ最高でした!Kubernetesは深くいじったことが無かったので、デモンストレーションを通じて動きを知ることができたのは良かったです。
- 今フロントエンドで何が起こっているのか: フロントエンドの歴史と近況がまとめられていて、サーバサイド開発を担当していて追いつけていなかった自分にとって、羅針盤を作ることができました。こういうサーベイ発表ってのも大きいカンファレンスでは重要だと思います。
- Conway’s Law of Distributed Work: リモートワークを始めるにあたってのツールやテクニックを伺いました。特に、テクニックの部分は必要に応じて参考にするつもりです。特に、人となりを知る方法は日々面と向かって生活していても大変なのに、リモートワークだとより大変なのは想像に難くないですからね。知見重要。
- Podcastを支える技術、エンジニアのためのWebメディア、そしてCPAN: 安定のyusukebe。発信することの大切さと、エンジニアだからこそできる「作る」ためのモティベーションを高めてくれるトークでした。
LT1日目: ネコトーストラボさんの断続CMがじわじわきた。 - ISUCONの勝ち方: 秘伝のタレの投下タイミングなど、質問も含めて知見溢れるトークでした。さーて今年はがんばるぞ!(初参戦)
- NASA主催の世界最大級ハッカソンSpaceAppsを運営した話: イベント幹事の苦労談を全くくろうと感じさせずに話すのは素晴らしいなと思いました。あと、僕もイベントの幹事を時々やりますが、あれはやるとイベントがより楽しめるようになるので僕からもオススメです!
- Docker3兄弟について: Docker Toolbox 最新情報のセッションでした。Kubernetesとの違いをつかみつつ、選択して行った方が良さそうですね。
- データ分析基盤を支える技術: 広い視点で、モダンなデータ分析基盤をどう構築するのか、方向性を掴むための知見がためられるトークでした。自分自身のデータ分析基盤の知識に偏りがあったことに気づけて良かったです。
- 【特別企画】YAPCあるある(仮): ああ、人間模様。
- 辛いことをやめる!から始まる業務改善とInfrastructure as Code: これはトークした方ですね。既に述べたので省略。
- LT 2日目: CONBUさんのF1のピット作業のようなネットワーク機器の据え付け・撤去作業の実演、本当に最高でした。ITインフラは見えにくい仕事だと考えていたのですが、あのように魅せるのは素晴らしいし参考にしたいです。
- Run-up: 牧さんの淡々とした終わり方がクールでした。まだまだ終わらない感じあります。
トークのメモは長過ぎたので、今回はブログエントリに書かず、gistにアップしました。よろしければどうぞ。
2日目のあとは、ハチイチのメンバー数人でゆっくりと夕飯を食べていました。祭りのあとに、こうやってゆっくり余韻に浸るのもいいものです。
スタッフの皆様、大変お世話になりました。そして、皆様お楽しみ様でした!またお会いできる日を楽しみにしています。ありがとうございました。
トーク中に登場した参考文献 (の、邦訳版)