一日修理工房 … DELL 2400Cを直す

一日修理工房 … DELL 2400Cを直す

先週の中ごろ、実家から電話が…
何でも、コンピュータ(DELL Dimension 2400C)が立ち上がらなくなったらしい。
エラーメッセージは何?と聞くと「Alert! Chipset heatsink not detected. System halted!」と出ているとのこと。これ、OSが壊れたとかそんな次元じゃなく、どうもハードウェア的に壊れたらしい。
とりあえず親と電話しながらググッてみると、出るわ出るわ同じエラーメッセージの症状。
これ欠陥だよ!ってブツブツ親と文句言っては見るものの、これでは何の解決にもならんわけです。それに、保証期限が切れていて修理に出せないということも判明。
さてどうしようかと思ったとき、修理方法が見つかったので、僕が引き取って修理することに。

注意: 下記手順を行われる際は、あくまで自己責任で。当方、一切責任は取れません。


今回壊れた DELL Dimension 2400C
[ 1/60sec / F4.0 / 50mm / ISO 400 / 発光 / EF 50mm F1.8 II ]

さて、土曜日の朝イチ、物が届きました(ほかの大物も届いたのですがそれは別の機会に)。
眠くて今にも気絶しそうになりながら宅急便のおばちゃんから荷物を受け取り、落ち着いた午後に早速修理開始。

親にあらかじめ取れた部品は別でしまっておいてもらった(輸送中に外れた部品が内部で暴れて破損を防ぐ)ため、状況は容易に確認できました。


チップセットからヒートシンクが取れてる!勘弁してよ…
[ 1/60sec / F3.2 / 50mm / ISO 400 / 発光 / EF 50mm F1.8 II ]

Web上で調べた、そのまんまの壊れ方です。
改めてあきれました…。こりゃ欠陥ちゃうかと、それは言い過ぎとしても自作PCでもこんなひどいたて付けはせんやろうと。だって、張りが強いヒートシンクの金具を、半田付けしただけの留め金だけでとめるんですよ。隣のCPUファンは厳重に取り付けてある様を見ると、あまりにも格差があります。
※チップセットは起動中、触れないくらいこっちんこっちんに熱くなるのです。CPUの次くらいに冷やす必要がある部品です。


取れたヒートシンクと留め金 ヒートシンクの金具は結構張りが強い
[ 1/60sec / F3.5 / 50mm / ISO 400 / 発光 / EF 50mm F1.8 II ]

さて、修理方法のサイトに載っていたマザーボードをはずして再度半田付けをしようとしたところ…、何とマザーボードが取れない。分解説明書は端から端まで読んでみたものの、外れない!くっそー
それに、マザーボードに直接半田ごてを当てる勇気も無いのです。細かいところ、かつ熱に弱い部品だからこれまた下手にやると二次被害を生み出す可能性があります。
ムリにはずして壊してしまってはいけませんので、別の修理方法を検討。

では、試しに取れてしまった留め金を元の位置に差込み、電気を流すクリップで金具間を導通してスイッチを入れたところ…。お、ちゃんと立ち上がる。データも壊れてないっぽい。
ということで、マザーボードを外さない修理方法で進めることにしました。

※ケースを開けるときは、必ず電源コードを「抜いて」から行いましょう。PCはコンセントが挿されているだけで電気が通じていて、下手に触ると壊れてしまいます。


秋葉原に買出しして今回そろえた修理部品
[ 1/60sec / F4.5 / 50mm / ISO 400 / 発光 / EF 50mm F1.8 II ]

早速、秋葉原で買出ししてきました。
揃えた部品は4つ。値段はすべて税込み。左から。
・熱伝導両面テープ 660円 でかいのでちょん切って使う
・半田ごて(30W) 924円 何と手持ちのものが壊れていた
・耐熱銅線 290円 起動中は内部が熱くなるため
・耐熱樹脂セメダイン 520円 金具を留めるため

占めて2,400円くらい。
これ以外に、半田付けするための台、半田そしてドライバーも別途揃えております。

さて、この後は写真をご覧いただきながらどうぞ。


取れた留め金に銅線を半田付け
[ 1/60sec / F4.5 / 50mm / ISO 400 / 発光 / EF 50mm F1.8 II ]

これくらいだと、電子工作をされた方なら余裕でしょう。


銅線のもう片方をまだくっついている方へ半田付けして取れた金具を差し込む
[ 1/60sec / F4.5 / 50mm / ISO 400 / 発光 / EF 50mm F1.8 II ]

こちらはせせこましいところに半田付けするので、ちょっと大変かもしれません。
でも、基盤に半田付けすることを比べたら難易度は低いと思います。

これが終わったら、とりあえずスイッチを入れてみてください。
スイッチが正しく入ったら、次の作業を進めてみましょう。だめだったら、取れた金具の差し込み具合がよくないかもしれませんので確認してみてください。それでもだめなら…、マザーボード部分から修理が必要かも。

最後はチップセットにヒートシンクを貼り付けるのですが、その前にやることをお勧めしたい作業があります。
それは、ヒートシンクにくっついている白いシリコングリスの除去です。
手順としまして
1. へらでごりごり大まかに取り除く
2. KURE 5-56などをの潤滑油を吹きつけ残ったシリコングリスを完全に除去
3. 台所用洗剤で油を完全に洗う
4. 水分をふき取る・吹き飛ばすなどして乾かす
と言う感じです。簡単です。


ヒートシンクを熱伝導両面テープで貼り付け 取れた金具を樹脂セメダインで固定し 完了
[ 1/60sec / F3.2 / 50mm / ISO 400 / 発光 / EF 50mm F1.8 II ]

セメダインは、導通しない樹脂製がいいと思います。導通するものを使ってしまうと、ショートしてしまうかもしれません。

おまけとして、CPUのヒートシンクにシリコングリスを塗りなおし。

以上で修理完了です。
本日、クロネコヤマトの配送センターに出しに行きまして、来週の半ばにはまた元通り活躍してくれることでしょう。

ちなみに、このPCは立てて使っていたのですが、今後は寝かせて使うことになります。
というのも、両面テープで留めていますので、ヒートシンクに対して横の力がかかると、数年経つとまた取れてしまうかもと考えたからです。ま、コンピュータとして使う分には大きな問題にはならないからいいか、と思います。

もし同じDELL Dimension 2400Cが同じように壊れてしまった方、参考になれば幸いです。

LINEで送る
Pocket

23 のコメント

comments user
こえむ

皆様、コメントいただきましてありがとうございます。
DELL、必死だな、と。

>電源モジュール内に入ってしまっている心配をした方がよいでしょう。
マシンを立てている向きによって通気孔から電源に紛れ込んで発火、というシナリオは怖いですね。
ユーザは気づかずにそうなるのですから。
でも文字通り『炎上』しなかったらOKなんでしょうかね。

さて、本件の結論は簡単で、次に買うPCは正直にアフターフォローに応じてくれるメーカーか、自力で何とかなるメーカーにするか、でしょうか。
店頭販売ならば販売店の力というのもあります。
ユーザが選んだ結果が、そのうち出てくることでしょう。

comments user
eri

私も今年7月に2400cの急なシャットダウンで困りました。
結局保障期間も切れ、修理に4?5万円かかると言われたので
他社のものを購入して使っております。


先ほど、9月30日に発表された不具合の件でDELLに電話したところ、
電源ケーブルの付け根付近にあるファンの不具合のみが対象で、
その他は一切関係無いと一蹴されました。
こちらが詳しく教えてほしいと頼むまでは「電圧に関して」としか教えてくれないし、
部品の滑落などの情報は関知していないの一点張り、
インターネットで何件も同じ状況の方がいらっしゃると話しても
インターネット上の噂については内部で調査しているから
あなたには関係ないとまで言われてしまいました。

朝から電話が繋がるまでの5時間、
ムダにしてしまいました。。。

comments user
匿名

発火するケースはDELLでは「電源部分のはんだ付け不良の可能性」と言っているようですが、
おそらくヒートシンクがはずれたときに一緒にはずれるU字型の
ピンが電源部分の放熱スリットの隙間から電源モジュール内に入ってどこかでショートして燃えるんでしょう。
つまり本体あけたときにU字型のピンが見つかったひとはラッキーで、見つからなかった人は電源モジュール内に入ってしまっている心配をした方がよいでしょう。
また、alertは再起動時にしか出ないようですので、起動中にヒートシンクがはずれると(普通は起動中にはずれると思いますが)エラーが出ずにそのまま通電されたまま動いてしまうようですので、
連続稼動させているひとは発火に要注意ですね。

comments user
masatoru

本日このヒートシンクが取れる件でDELLに問い合わせしましたが、今回DELLが発表した発煙する件とは違う症状だとのことです。
がっかりです。

comments user
匿名

いまごろこんな記事が出ていますが
HeatSinkの件には触れられていませんね
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0809/30/news111.html

comments user
attun

 私は、こういった故障を見たことがありませんが、ひょっとすると 温度ヒューズ、あるいは タイマーではないかと思えてきました。でも、起動できないならやっぱりただの設計ミスでしょうかね。

ご参考まで。

comments user
Tommy

このページは参考になりました。
私の場合はこのページを見る前にマザーを外して裏から半田で取り付けました。
確かに力がかかる状況であの取り付け方法は設計ミスと言うしかないですね。
皆様のご意見を参考にすると、やはり半田付けは...
接着剤で固定する方法で再度対応しようかと思います。
本当に貴重な情報ありがとうございました。

comments user
Tina

お世話様です。

Dellが設計ミスではないと言い張ってますが、ハンダはぱっと見だと
接着剤のようにがっちりくっついているように見えて、意外と機械的な
接着力はあまり強くありません。

基板を見たことがある方はご存知だと思いますが、大きな部品を
ハンダのみで接着していないと思います。端子部はハンダ付けで、
フレームはネジでとめたり樹脂部品でとめています。

ヒートシンクのバネをハンダでとめるなんて普通しません。
しかも近くにCPUのファンなどもあり、熱と振動、バネによる力と、
ハンダにとっては厳しい環境だと思います。

明らかに設計ミスでしょう。

comments user
こえむ

POCOさん>
コメントありがとうございます。
このコメント量、このブログでは突出して多くついております。それほど皆さん悩まれているのですね……。これはひどい。

comments user
POCO

いやー、みんな考えることは同じですね。私も会社のPCが起動しないということでDELL Dimension4600をもらい、自宅修理、同じチップセットのクーラー留め金が吹っ飛んでいました。
私もPCなどのケーブルをとめるビニールの被った針金で電極をつないでクーラーは瞬間接着剤で接着、見事に修理完了? DELLに修理を見積もったら約4万前後(マザーボード交換)といわれたそうです。
前にエプソンのPCが故障したとき、不明な部品(ちいさなUの字)はあれだったのかと3年ぶりに納得でした。
DELLのマザーボードで検索していたらこのページが出てきました・・・現在勤務中

comments user
こえむ

ainoさん>
ご覧いただいてありがとうございます(^^)
奥様と娘さんのお話、面白かったです(笑)。家族をもたれている方の特権ですね?

comments user
aino

私の2400Cが本日同じ症状でやられてしまいました。
たまたま、出産で帰省している娘のPCを使ってこちらのサイトにたどりつき、KANNO T.さんのアドバイスも参考にさせていただきながら、半田ごてやドライバーを使いながらなんとか復旧に成功しました。
本当にありがとうございました。
余談ですが、妻と娘は私がパソコンを開けて修理したことにとても驚き、今、尊敬のまなざしで私を見ています。
災い転じて・・・です。感謝、感謝!

comments user
こえむ

KANNO T.さん>
なるほどですね。
製造元の言い分は、一理あるかもしれませんね。
しかし、探せばざくざく類似症状を報告しているブログが出てくるこの状況も、また現実ですしね。

今の機種はどうなっているかはわかりません。
ただ、こういう想いはいちユーザーにとって、決して小さいことではありません。次にマシンを買い換えることになったときに、大きな判断材料として脳裏に浮かぶことは、間違いありません。
ましてや、コンピュータに慣れない人なら、慣れた人以上に来るはずです。

少なくても、親はがっくり来てましたから。

comments user
KANNO T.

こえむさん、
私もエンジニアなので分かりますが、これは間違いなく設計ミスです。これをDELLに質したところ、以下のメールがありました。
私には納得できないので、もうひとこと言ってありますが、それ以上は相手にしないことにしました。ご参考まで。

(DELLの見解)
設計ミスについて
Dimension 4600Cのヒートシンク固定用バネが外れた現象につきまして、
確かに過去にもほかのお客様より同様のお問い合わせをいただいており、
弊社におきましても現象・原因を確認するため、2005年9月末までに、
保証期間が切れている場合も、特別に無償で対応いたしました。
弊社での確認結果としては、製品製造時の、設計ミス、製造ミスとは考え難いものと思われ、2005年9月28日から、すべてのお客様に対して、保証期間とおり対応することになりました。

comments user
こえむ

KANNO T.さん>
マザーボードのはずし方、とても貴重な情報ありがとうございます。
私は5番で引っかかりました。万一またおかしくなったときに実践してみます。

しかし、お伺いした見積額、これは高いですね。
同様の症状がブログで何件も報告されているのですから、何かフォローがあってもよさそうなものです。

comments user
KANNO T.

同じPCでまったく同じトラブルが8月7日に発生、3年の保障期間が過ぎているので初めは慌てたが、カバーを開けて原因が判明、完全に修理したので、以下はご参考まで。
まず、トラブルの原因は設計ミスであることで、私はこれからDELLにクレームを付けようと思っている。(症状を詳しく言ったにもかかわらず、送られてきた見積書には35,700円とあり、自分で修理することにした。)

余談はさておき、マザーボードの外し方等。
1.ケーブルのコネクタ類をマザーボードからすべて抜く。
2.電源は緑色のレバーを引いてケースから外し、脇にずらしておく。
3.マザーボードの緑色のレバーを力任せに引っ張って外す。(なかなか外れないので諦めかかったが、ここしか外す方法が無いので、一段と大きな力を入れたら外れた。遠慮せずに力を入れるのがコツ。)
4.マザーボードを取り付けているたった1本のネジを外す。
5.マザーボードの四隅に裏の板金がはまっているのが見える。先ほどのネジのほうを下にしてマザーボードを立て、マザーボードの端面に当て木をしてハンマーで軽く叩くと板金からマザーボードが外れる。
6.取れたU字型の留め金を元の穴に通し、裏面からハンダ付けする。(少々余分にハンダを盛っておいた。)
7.CPUの放熱シートをチップセットの大きさより若干大きめに切り、貼ってからヒートシンクを取り付ける。
8.これまでの反対の順に組み立てて完了。

comments user
こえむ

よかったですね!動いて。
バックアップ取る、って発想はすでに玄人の域に達せられてますね(笑)

逆に気づいた点とかがあったら、トラックバックとかで教えていただけると助かります。ほかの人も助かるでしょうから…

comments user
海山 空

昨夜、修理?してみました。
なんとか、起動しましたのでバックアップを早急にとってサブとして
置いておこうかと思います。
本当にありがとうございました。
この方法だと素人の私でも以外に簡単に出来たので、変な自信が付いたような・・・

comments user
海山 空

ありがとうございます!
自分の中に「ダメモト」の気持ちが有りますので、今後のために
頑張ってみます。
どうにか、ハードのデーターだけでも今のPCに移せればお役ごめん
何ですが、欲が出てきました。
もしうまくいったら再度ご連絡いたします。
では・・・

comments user
こえむ

外れてしまった金具ですが、あれは元の位置に一旦差し戻す必要があります。
その状態で一旦運転してみて、問題なければセメダインで脇を軽く「固定」します。あのセメダインはあくまで金具の固定を目的としているものであって、通電を司るものではないのでご注意ください。

これらの作業は、私自身が自作PCなどでコンピュータをいじった経験があることと、壊れたら同等品と交換する腹積もりでやっています。
あくまで、ご自身ですべてのリスクを受け負いつつ、しかし楽しみながら取り組まれてみてはいかがでしょうか。

comments user
海山 空

助けてください!
私の2400Cも同じ現象になってしまいました!
ヒートシンクの取り付けまではなんとなく理解しましたが
外れた小さい部品はセメダインでどの様に付けたら良いのでしょうか?
穴の部分に直接セメダインで取り付けて大丈夫なのですか?通電するのかが心配で・・・

申し訳有りませんが回答お願いいたします。

コメントは受け付けていません。