「君の代わりはいくらでもいる」
と、一社目の面接官であり、所属部署の課長だった方からこれを言い渡されることから始まった、僕の社会人生活。

ここ最近のシステム開発における人の流れはどうでしょうか。
業界にいる方ならご存知かと思いますが、人材市場では人が足らないのではなくできる人がいない状況、そして中国などへの「オフショア」なるアウトソーシングなどなど、決して悠長なことを言っていられる環境ではありません。
そして、他のエンジニアに比べて、コンピュータ エンジニアは「技術の陳腐化」が早い、即ち定年までエンジニアでいることが難しいことも、厳しい環境に拍車をかけているように思えます。

さて、そんな世の中を駆け抜けるべく鍛えなければならない基礎体力をいかに獲得し、そして自らのビジョンをいかに描けばよいのだろうか…、そう考えているときに出会った3冊の本をご紹介します。


3冊の本
[ 1/60sec / F4.5 / 14.5mm / ISO 50 / Canon IXY Digital 60 ]

まずはじめに読んだのが、働き方の視点を広げるために買った本です。

■フリーエージェント社会の到来

コンピュータ エンジニアの方であれば、いつかはフリーと考える方もいると思います。既にフリーの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな、「組織で働く」時代から「フリーエージェント」としてビジネスに取り組む時代にシフトするであろうこれからの時代について、実際にフリーエージェントとして活躍している人たちのインタビューを交えて解説した本です。
特に、フリーエージェントとして活躍するときの「周囲の人間関係」の話は興味深いものがあります。もし、周りにフリーで活躍されている人がいたら、その人の話と照らし合わせて読んでみてください。より現実感が沸いてくると思います。
ただ、織り込んだほうがいい話が一つあります。この本の原著が出版されたのは2001年、すなわち米国ITバブルの真っ只中なのです。いい話が多くて悪い話が少ないな、と感じるはずですので。

続いて、ビジョンを描くためのヒントを得たいと思って手に入れた本です。

■アテンション!

最近、調べ物をしているときに「Attention Economy」という言葉を目にしました。
ネット上で調べていくうち、日本では早い人は2005年くらいからこの言葉に着目し、考察を深めていらっしゃるようでした。そこで、自分自身でも調べてみようと動きました。
昨今、インターネットが普及したことで、情報の入手ハードルは下がったどころか情報があふれてしまっています。広告はさることながら、社内のコミュニケーションでもメールがあふれてもうむちゃくちゃ。そこで、アテンション(≒関心)をひきつけることで情報のふん詰まりを解消していこうという、かなり端折るとそういう話です。
前半の概念の部分を読み終えると「さあどうすればいいの?」と言う話になりますが、後半は大枠のみに触れるに留まっています。本の内容を理解しても、その実践は読む人の力に委ねられます。

ここまできて「さぁ、どうすりゃいいの?」と頭の中はもうむちゃくちゃ。そんなときに見つけた本がこちら。

■ハイコンセプト

この本を読みはじめると、冒頭でお話した「自分の代わり」の課題に戻ります。
「答えのない社会」をいかに走るか、「調和」(Sinfony)という言葉を随所に織り交ぜながら解説されています。
それと、前半で右脳・左脳の話題が多いように見えます。おそらく、後の話の理解を進めやすくするためにピックアップされた話であって、少なくても右脳・左脳の働きに囚われて読み進めるのはこの本が言わんとする本質ではないなと、僕は考えています。
今回紹介した3冊の中で、この本から読んでもいいと思います。その後、残りの2冊を読んでからこの本を読み返すと、より深く、そして現実感を伴いながら読み込めるはずです。
ちなみに、著者は1冊目に紹介した本と同じ方です。

いずれにしても、今回取り上げた3冊は内容が『濃い』!理解を深めるには、何度も読み直さないと難しいだろうなと考えています。まるで、歴史に関する小説を読み返すと新しい視点で展開を感じ取れる、そんなイメージに近いのです。

最後に、これら3冊を読んで僕の理解を簡単にまとめますと…
「作業」は早く・安く・そして代わりがあるところに取って代わられていき、それを乗り越えるために「創造」「信頼」「挑戦」という基礎体力を元に、自分のドメインとそれにつながるビジョンを固めて行動することが肝要であると、捕らえました。

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