先ほどDVDレコーダーが壊れた!というお話をしたのですが、実はもうひとつ壊れたものがあります。
それはイヤフォン。
水曜日に、おととし購入したaudio technica ATH-CM7Tiの左側の配線が断線してしまい、音が出なくなったのです。うわー、マジでショック。高かったのに。
僕にとって、移動時間・仕事中(特にプログラム・資料作成中)に音楽は欠かせません!DVDレコーダーと違ってとてもじゃないけど無しでは生きていけない。
ということで、ヨドバシカメラでDVDレコーダーと一緒にイヤフォンを買いに行くことにしました。
ATH-CM7Ti どうしても左にダメージが行ってしまう [ 1/80sec / F2.2 / 50mm / ISO 400 / EF 50mm F1.8 II ] |
最初、イヤフォンコーナーを探していたのですが、なんと探しているメーカーのものが「ない」。
秋葉原のヨドバシカメラなのにそんなことはないだろう、と思っていたのですが、やはりそうでした。なんと、通路に面したベストポジションにあるガラスケース内に、大事に並べてあったのです。
確かに、数千円のイヤフォンが山ほどある中で、万単位のイヤフォンは「ハイエンド」の中に入るのでしょうね。
さて、今回は選ぶのに悩みました。
というのも、メーカーによって出てくる「音」がそれぞれ違うのです。これはDVDレコーダーのように客観的な指標では選べないので、なかなか難しいのです。試聴したとしても、使い続けるとまた感覚も変わるので決定打にはなりません。
最後まで残ったメーカーは、今まで使っていたaudio technicaと、巷で評判がよいSHUREの2つです。
そこで、相談に乗ってくれていた店員さん曰く「audio technicaの音が気に入っているのであれば同じメーカーがいいかもしれません。SHUREは音がスタジオモニターのようにフラットでまったく感覚が変わりますよ。」とのこと。
正直、メリハリがあって音域の広いaudio technicaのイヤフォンは気に入っていました。しかし、ここは違う音も聞いてみよう!ということでSHUREを選択。
SHUREは1万円程度のSE110から、6万円を超えるSE530まで幅広くラインナップがあります。6万円のイヤフォンってのもすごいですね。
今回、僕は予算を1万円台に設定していたので、SE210を買ってきました。初めてのカナル型イヤフォンです。
実はこの写真 上下が反対です ほかのイヤフォンとちょっと違うところ [ 1/60sec / F2.2 / 50mm / ISO 400 / EF 50mm F1.8 II ] |
さて、数時間コンポのCDプレーヤーで Break-in したSE210の感想です。
簡単にまとめると『疲れにくい』『味付けしないモニターのような音』でした。
続いて、細かい話を5つほど。
■遮音性がすごい
外で使うことが多いイヤフォン。いい音楽を聴くためにできるだけ外部の音を遮断したい、という方は少なくないと思います。
この遮音の手法は、大きく2つあります。『密閉度を高める』方法と『相殺する音を出す(ノイズキャンセリング)』方法です。
SHUREのイヤフォンは前者の「遮音」を選んでいます。『音をいじらない』という理由からだそうです。
この遮音効果、非常に高いです。部屋の中で使っていると、テレビの音がほぼ聞こえなくなります。これほど遮音効果が高いと、ノイズキャンセリングでなくても十分かもしれません。
ただ、これほどだと電車の中で車内放送が聞こえるのか、ちょっと心配なくらいです。
■付け心地がいい
今まで使っていたどのイヤフォンよりも、付け心地がいいです。
数時間、そして今この記事を書いているときもつけているのですが、まだ疲れていません。
イヤーパッド(詰め物)もいろいろタイプがあるので、取り替えるととまた変わるかもしれません。
ただ、装着方法がほかのものと違って、ケーブルが『上向き』になるようにつけなければなりません。その証拠に、上につけるとロゴが正しい方向を向きます。最初のうちは気をつけないといけませんね。
■高域があまり出ない
正直、こもって聞こえます。
断線してしまったATH-CM7Tiの再生周波数帯域は10?45,000Hz。かたやSE210は、なんと25Hz~18,500Hzと、全然幅が狭いのです。一瞬「悪いイヤフォンを買ってしまった」と焦る位に高域が聞こえません(※1)。
これは、慣れるまで時間がかかるかもしれません……。
■音がフラット
マイクをはじめとしたスタジオ用の機材を手がけるSHURE。
そのせいか、音に味付けがほとんどありません。日本のメーカーに多い「ドンシャリ」や「際立つ音」のイヤフォンに聞き慣れていると、最初にショックを受ける可能性が高いです。僕もその一人。
ただ、いろいろな音がよく聞こえます。今まで聞いていた曲でも『あ、こんな音が鳴ってたんだ!』と新しい発見ができるかもしれません(※2)。
また、この音質は実は『疲れづらい』ことにもつながっています。仕事などで長時間使う僕にとっては、実は好都合になる可能性を秘めています。
■プレーヤーの特性まで もろに出る
上の『音がフラット』につながりますが、このイヤフォンは「プレーヤーの性能」をそのまま引き出します。
今まで使っていたATH-CM7TiやSONY MDR-E888ではあまり感じなかったのですが、SE210では「如実」に出ます。
これがよくわかったのが、コンポのCDプレーヤからウォークマンにつなぎ変えて聞いたときです。どんな音がちゃんと再生できているのか、よく聞き分けることができます。イコライザーでいじったところでダメです。出ていない音は出ていない、とイヤでも理解させられます。
従いまして、今まで日本のメーカーのものを使われていた方は、上記をよく理解したうえで買い換えられることをオススメします。特に、R&BやPOPSが好きな方は。
ただ、おまけのイヤフォンしか使ったことがない方は、1万円以上ならどれを使っても『感動』すると思います。もし、イヤフォンの交換に興味をもたれたら、これを候補に入れられてみてはいかがでしょうか。
あと、海外のメーカーのイヤフォンは、日本のメーカーのものに比べて本調子になるまで時間がかかるそうです(※3)。
数ヶ月使うと、また音が変わってくると思います。今から楽しみです。
※参考サイト
■SHURE (公式サイト 英語)
■ヘッドホン ナビ: SE210 – SHURE(シュア)のイヤホンSE210
■米Shure開発担当者に聞く、新カナル型イヤホン「SE210/SE310」の秘密 AV&ホームシアターNews
※1
人の可聴周波数上限は15,000?20,000Hzだそうです。
ただ、僕は超音波式ネズミ除けが出す「プツプツプツ」という高周波の音が気持ち悪くなるくらいよく聞こえるので、人並み以上に高域が聞こえているのかもしれません。
※2
この体験は、自宅で使っているヘッドフォンAKG K240や、以前使っていたSONY MDR-CD900STとまさに同じです(こちらもスタジオモニター)。
※3
車もそうです。日本車は数千kmでいい感じになりますが、欧州車は1万kmを過ぎないと面白くもなんともありません。
日本では知名度が今ひとつですがプロ志向なら絶対GRADOをお勧めです。
インナーイヤーはストリートならいいけどオフィスやインドア利用ならば
耳に優しく音場の広いオープンエアーが絶対いい。
この音の広がりは国内産と次元が違います。
http://www.knicom.co.jp/index1.html#Grado 入門機はSR60ね。
あと左だけ断線は日本のデザインでは良くあることです。
ユニバーサルデザイン(ケーブルが左利き右利きで平等の等長)
じゃないからです。
*ノートPCの件ではお世話様。