この4月から、筑波大学GSSMでの講義が始まりました。どんな調子でやっているか、ちょっと書き残しておこうと思います。

■予想通りのハードスケジュール

こんなきついスケジュールは、株式投資システムの開発をやっていた頃以来じゃないかと思います。

多くのクラスメイトはM1の時に単位をほとんど取りきり、M2で研究に集中するというプランを立てます。そして、講義は火曜日〜金曜日の夜、そして土曜日は終日行われます。そのため、M1の前半は講義づくし!僕は、会計や経営戦略論に頭を悩ませ、数理系の講義で演習をガッツリこなし、コンピュータサイエンス系の講義を自分のペースで取り組む、そんな感じで講義を受けます。

また、課題(=宿題)はもう毎回のように出ます。ボリュームも満点。このGWは狙ったようにガツンと課題が出ており、涙目ここに極まります。今のところは期限に間に合わなかったという状況は回避できていますが、この先もそれが維持できるのかは自信がありません。食らいつくまでです。

もちろん、仕事は勤務時間こそ上司にコントロールしてもらっていますが、やる内容はほとんど変わっていませんからやりくりを考えなくてはなりません。パフォーマンスが下がったなんて見られたら、しゃくですからね。

■研究

GSSMはMBA(※1)を取れるということになっていますが、実態は『経営システム科学専攻』の名の通り、研究をしっかりやることがポイントになります。僕はじっくりと未知の分野に取り組みたかったので期待通りですし、その研究の基盤を固めるためのものとして講義があると考えていますので、何とか乗り切りたいという気持ちです。

多くの大学院では、おそらく入学時点で主指導教員が決まっているかと思うのですが、GSSMでは1学期中に決めることになっています。それにあたって事前に経るプロセスとして『研究計画の概要発表』があります。これは、クラスメイトはさることながら、GSSM専属の教授から自分の研究の方針についてとても厳しい指導が入ります。言い換えますと、この先に待っている研究の厳しさを、最初に味わうことになるであろうイニシエーションなのです。僕は5月下旬にあるのですが、戦々恐々としている次第です…。論文発表以上にビビってます。

■集団戦法

さすが社会人大学院でありまして、各分野のエキスパートがいます。自分の分野となれば朝まで一家言話せるような人ばかりです。そんなご縁を通じて、ある意味「スムーズに」課題や研究を進める関係作りが大切になります。

しかし、僕のような技術者は、営業や企画などをやっている人に比べたら「非コミュ」なのです。仕事の中でコミュニケーションをとることがどんなに易しいもので、かつ技術者という肩書きである程度見逃してもらえたのかということを痛感します。黙っているのはもってのほか、だからといって嫌みの無い程度にアピールするというのはバランスが難しく容易ではありません。

でも、もたもたしていては全くらちがあきません。少なくても、クラスメイト同士の情報交換が無ければ、研究にたどり着くまでに必要な単位取得さえもままならなくなります。実際、僕は会計がマジでヤバい(苦笑)。悩んでいる暇はない、ということだけはわかりました。クラスメイトのネットワークを効率的に使ってよりよくレポートをこなしている人を見ると、焦らないはずがありません。

■勉強って楽しいものなのか

途上国の子供が、時折「学校で勉強してビッグになるんだ」ということを語るドキュメンタリー番組をご覧になられた方がいらっしゃるかと思います。僕も、つい最近までは「勉強は辛い」としか考えたことがありませんでした。

でも、今は違います。こうして大学院で学ぶ機会を得られたことが、とてもうれしくてたまりません。昔の僕を知る人だと『とうとうあいつは気が違えたか?』と思われても仕方ないでしょう。でも、僕が10年間の間にどうしても必要だ、と思い続けたことを今まさに取り組むことができているのです。集中して勉強に取り組むことが出来るのは、極めて貴重な機会なのです。

学歴が無くて、コンピュータサイエンスの知識が無い状態で技術者もどきを続けて、そして未来につながる力が無いのを怯えつつを10年過ごし続けました。それを自分の力で脱し、切り開くチャンスをもらえたのです。講義はしんどいのですが、それを厭わず研究のステージへ踏み出すための通過点と思えばやりきるしかありません。

10年前の僕は、勉強なんてあほらしくて、授業中は寝るし宿題もかまけるようなひどい生徒でした。それを後悔することはありますが、それはもう戻ってこない時間です。また同じ状況を繰り返すのは全く学習していないことに等しく、次は無いというプレッシャーを抱きながら毎日を過ごしています。

M1は時間との勝負を続ける毎日になります。これまでのおつきあいがちょっと疎かになるかもしれません。その節は、どうか大目に見ていただけたら幸いです。

※1 『経営システム科学』という、コンピュータサイエンスと経営を絡めたという意味を持った学位もあります。僕はMBAのどちらにするかはまだ決めていません。というか、先ずは単位を取らねば!