■JR東日本パス なんと特急料金込みで1日1万円乗り放題
JR東日本から、東日本大震災復興応援企画として『JR東日本パス』が発売されています。JR東日本管内ならどこまで行っても1日1万円、特急は自由席なら乗り放題、指定席は2回まで乗れるという、非常にお得なきっぷです。
僕もこのきっぷを買って、仙台に行くことにしました。震災から3か月経過してそろそろ落ち着いているから牛タンを食べに行けるかなと思ったことと、親戚がいるのでどうしているかなと訪ねようと考えました。
新幹線は那須塩原を過ぎると150km/h程度の速度でゆっくりと北上します。普段のはやては275Km/hですからゆっくりと思われるかもしれません。でも、1か月余りでこうして走ることができる東北新幹線の保守体制は称賛に値します。3か月前に、ここまで復旧できているとだれが想像できたでしょうか。
■駅前は落ち着いていた
普段より30分ほど時間をかけて仙台駅に到着です。仙台駅周辺は、落ち着きを取り戻しているように見えました。
まもなく親戚と合流し、次の目的地へ。「えっ、何で一人で来たの?」「彼女とか連れてこないの?」とさっそく冷やかされたぜ。へへへ。
■牛タン!牛タン!
いきなり、今回の訪問の目的である牛タンを食しにまいります。利久さんにお世話になります。
お昼前なのですが、大行列!といいつつ、予約をしてもらっていたのですんなりと入ることができました。早速、昼定食をオーダー。1人前と1.5人前があり、僕は1.5人前にしました。ごはん・スープがついており、ついでにとろろのオプションを加えました。
おおお、仙台の牛タンは肉厚なんですよ!東京で牛タンを食べると薄いお肉というイメージがありますが、そうじゃない。カルビと同程度はあります。初めて食べる人はちょっとびっくりするかもしれません。僕も久しぶりに食べましたが、やっぱりすごいです。
■20年ぶりの松島へ
たらふく食べたあと、まったく何も考えていなかったのでどうしようかとなりました。そこで出た案がべただけど「松島」。いやー、べたですねw と普通なら話題になりそうなのですが、今回はちょっと悩みました。ご存知の通り、仙台の太平洋沿岸は津波で大きな被害が出ていたのです。でも、松島は比較的早く復旧したんですよ、という話を聞いて、それならということで足を運ぶことにしました。小学校2年生に行ったっきり、20年ぶりくらいじゃないですかね。
近づくと、確かに言われたとおり、想像していたほどひどくはありませんでした。遊覧船はいつも通りお客さんをたくさん乗せて島々を回っていましたし、みやげものやさんは半分くらいが営業を再開していました。
さて、定番の松島めぐりの遊覧船(50分)に乗ります。改めて乗ってわかったのですが、デッキでかっぱえびせんをもって立っていると、カモメがわっと寄ってくるんですねwww それもくちばしでつかむのが非常にうまい。そして、観光客がかっぱえびせんで餌付けしてくることをよく理解している!
のんびり島々を眺めながら、カモメと戯れるってのは、いいもんですよ。
■島々に守られた松島
しかし、なぜ日本三景の一つである松島は他に比べて被害が少なかったのか。それは、島々が天然の消波ブロックのような役目を果たし、本州側に到達するころにはずいぶんと勢いが弱くなったんだそうです。
しかし、そうでなかった地域はどうだったかというと、あらゆる人工物を乗り越えて津波が襲ってきました。仙台駅に戻る際に通った塩釜で、その様子を見ることになったのです。
ここの場所、ご存知の方もいるかもしれませんが YouTube に当日の状況が撮影された動画があがっています…
同じ場所の動画は、『YouTube – 東北地方 太平洋沖 地震 宮城県 塩釜 津波 マックスバリュー塩釜店 映像』としてもあがっています(Embed出来ないのでリンクのみ)。
東京にいた僕も大変な思いをしたのですが、仙台周辺の沿岸ではそんなこととは比較にならない状況が繰り広げられていたのです。ほかにも、積み上がった廃車、遥か先の陸地に打ち上げられた漁船、10分歩いた先にも到達した津波の痕跡が、その威力を十二分に伝えてきたのであります。
親戚にはこう言われました。「覚悟無くして、今の名取や気仙沼に向かってはならない。ヘコんでしまうだけだ。」と。仕事で行ってきている本人が語る話ですから、僕はそれに従うだけです。
■東北へ旅に出よう
確かに沿岸部は大変な被害であり、福島原発の問題は継続しています。
でも、仙台駅周辺をはじめとして、普通に観光できる状況は戻ってきています。同じ日に、知人が岩手に足を運んでいたりもします。ですから、まずは東北に足を運び、事実を知り、そしてお金を使う。被災していない僕らが個人レベルですぐにできる、貢献なのではないでしょうか。JR東日本パスは7月もありますしね!
もし、本格的に貢献したいと考える人がいれば、事前の情報を集めるという意味でもこう言った日帰りのライトな訪問のプロセスを間にくわえるのはどうでしょうか。より明確に覚悟が出来ると思います。
そして、僕にとっては、東北の親戚・知人が全員無事だったことが、何よりなのです。