ITエンジニア 丸20年を迎えて – 計画よりも適応を

ITエンジニア 丸20年を迎えて – 計画よりも適応を

2001年4月に就職してから、丸20年になります。早いものです。せっかくの節目なので、これからのことを整理するために文章に認めます。

出張がてら、年単位ぶりに東海道新幹線に乗れたので、その間の時間が久しぶりにできたってのもあります。

これまでを振り返る

2001年4月に、ソフトウェアエンジニアとしてITエンジニアのキャリアをスタートさせました。
現在まで、本業のみだと7社に就業し、そのうち4社がスタートアップです。職種は、本業のみだとソフトウェアエンジニア、ITインフラエンジニア、プロダクトマネージャ、プロジェクトマネージャ、そしてソリューションアーキテクトの5つを経験しました。
対外活動は、出版した本は2冊、雑誌の連載は4回、講演は9回、査読論文のアクセプトは1件になります。
特別なイベントとしては、1社でIPOを経験できたことです。
収入も、勤めている企業とそのステージで大きく上下しており、ベースラインの生活は低めに設定している今日この頃です。
高卒で働き始めましたが、2013年に修士号を取り、その中で計算機科学やソフトウェア工学を学び、現在の活動に活かしています。

もうちょっと細かい話は、2017年にキャリアキーノートに起こしたので、よかったらご覧ください。

最近の若い人はすごい

僕の観測範囲ですが、最近の若い人は本当に凄いなと思います。一流の大学を出るのは当たり前、その上で再現性を伴って新しい知識を日々貪欲に獲得して、日常業務で活躍されています。20年前、自分が若かった時は今ある仕事をこなすのに必死で、未来はその経験を積んだら戦っていけるのではと考えていましたが、そうではなかったようです。

昨年、僕はソフトウェアエンジニアのキャリアを終えて、ソリューションアーキテクト(以下、現職)という、お客様の技術支援を行う業務についています。主たるお客様はアーリーステージ(できたて)のスタートアップ企業様ですが、企業様によって採用されている技術は多種多様です。以前のようにWebサービスを構築する技術ばかりでなく、機械学習、データ分析、そしてIoTも絡んできます。

計算機科学の基礎部分は大きく変わらないものの、現場で活用される技術や、ビジネスの環境は日々変化し続けています。また、技術として利用されるものの範囲も広がり、経験値が貯まるどころか、ますます学びを深めていかなくてはならない状況です。変化に対応できなくなったところで、僕のITエンジニアとしてのキャリアは続かなくなるだろうと予想しています。

この状況で、どこまで自分がこの世界で戦っていけるのか。生活もありますのでヒリヒリしますが、やれるだけやっていくしかないという気持ちです。

自分の強みと再現性

こうなりますと、否が応でも現職での強みとは何かってのを考えさせられます。

幸いなことに、前職までにたくさんのことを学べました。例えば、スタートアップ企業の成長フェイズ別に必要な技術要素が何かを始め、高い負荷がかかるサイトをいかにスケーラブルで可用性高く運用するかや、それに必要となるソフトェアエンジニアリングはどのようなものか、であったりします。また、業務知識系だと、FinTech、特に決済領域に関われたことで、ノウハウが必要なFinTech スタートアップ企業様の支援にも貢献できることがあります。

一方で、組織で生きていく以上、これらの知見や技術について、スケーラビリティを出していく必要があります。具体的には、同僚に共有できるよう形式知化していく、自分がそのような知見を持っていることを示して、それぞれの強みを持って互いに協力し合えるようにする、などです。

とはいえ仕事をしやすい環境を見つけられた

20年近く、開発現場にいたのですが、ソフトウェアエンジニアとしては特別な結果を出せていたわけではなく、現場でソツなく開発をこなす一人のエンジニアに過ぎませんでした。にもかかわらず、今は日々たくさんのお客様と接しながら、技術支援を通じて日本のスタートアップの成長に少しでも貢献させていただく仕事をやらせていただけるようになりました。これは、これまで幅広く様々な技術や現場にかかわらせていただけたからこそできる仕事でした。運が良かったのです。

そうですね、難しい仕事ではあるのですが、歯が立たないって感じたことはないのです。1年やってみて、水は合っているのだと思います。

これから

この20年、計画して仕事をやってきたわけではありません。20年前に今のことを想像できませんでしたし、ましてや3年前に今を想像できたかというと無理でした。その代わり、状況にいかに適応していくかを考えて取り組んでいました。これからもそのやりかたを続けていくつもりです。結果として、アジリティ(敏捷性)とレジリエンシー(回復力)がある生き方ができているようです。

そのためには、今、何が起きているのか、日々観察を怠らないようにしていきたいと思います。

とりあえず、シンカンセンスゴイカタイアイスを予定通り食べられておいしかったです。

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