ベンチャー企業は、一般企業と決定的に違うポイントがあります。
「リスク」です。

リスクと言っても、私が考えるに大きく分けて3つあります。
・財務面
収益の基盤は、はじめは0です。
そのため、銀行からは借りることができない多額(時には億単位)のお金、すなわち資本金を、ベンチャーキャピタル(VC)やエンジェルから、実質担保もなしに供出していただくことがほとんどです。
しかし、出していただいた資本金も、売上が上がらなければいつかはなくなります。財布の中身を気にしないといけない日々もあるかもしれません。
・事業面
はじめは、収益を上げるためのアイディアだけです。
もちろん、考えの深さや広さに差はあります。しかし、物事はやってみないとわからない。空振りかもしれない、うまくいき始めても頓挫する出来事があるかもしれません。
・労働面
人なんて、数人です。
わずかな人で、いち早く夢をかなえるために、働く時間を省みず、売れるまでは何とか生活できる資金をもとに、いつか夢見る市場制覇とあふれんばかりの売上のためにがんばります。
ここで、自己コントロールを誤るともれなく体調を崩します(体験済)。

「ベンチャー企業ではない」企業は、軌道に乗っているか、または小規模でも手堅い事業を通じて社会貢献を行い、それなりに安定した利益を出していることが多いはずです。リスクが比較的低いのです。
ベンチャー企業は、大変・大変だとよく言われるのですが、リターンが大きければリスクが大きくなるのはこれは当然。
何の不思議なことでもないんです。

そうすると、仕事の「やりがい」と申しましょうか、そういうものをどこで感じるかというと
・経営者と一緒になって、達成したい夢に対して全力で走る。
or 経営者となって、自ら達成したい夢に向かって仲間とともに走る。
これに尽きるのではないでしょうか。
自分が作ったサービスが一人の目に留まり、そこから噂を伴って広がり、やがては新聞や話題になってさらに成長していく。それが、自分でやってみたい・貢献してみたい分野で起きている。んでもって、でかいリターンがやってくる。これほどすごいことは人生でなかなか経験できません。

そのために、まだ見えぬ夢に向かって、リスクを最小限に抑える努力をし、全力で投球する。でも、一緒に様々な犠牲を払わなくてはならない。だから、軌道に乗るまでは本当に「苦しいだけじゃないか!」もっというと「なんてことやってるんだ自分」と思えてしまうのです。
そんなときに「夢」が思い出せれば、がんばれそうです。
でも、「夢」が自分の求めるものではなかったら…。これは悲劇です。

だから思うのです。
会社、特にベンチャー企業は会社=社長の理念を十分理解してから入社、というか参加すべきだと。
少なくても、昭和の労働者 vs 経営者という構図はありえない。仕事は与えられるものでもない。働いた時間が労働の対価、ということもありえない。
あるべき姿は、経営者と同じ方向へ歩きながら、夢を実現するために日々共に行動する。仕事を通じて自分自身を磨き上げる。そして、出せた結果に応じて収益配分量が決まる。

そう思えないと、ベンチャー企業で働くことは本当に苦痛だと思う。
普通に働くなら、ベンチャーではない会社のほうがリスクも少なく気楽に手堅く仕事ができるはずです。もし、リターンの部分だけでベンチャーを選んだのなら、それは『甘い!』。物事には表裏がある。それに、一杯「給料」を貰う方法ならほかにあります。

こういうのを突き詰めていくと、投資の考え方に近づくな、と思います。実際、自分への投資でもあると思うし。

社会人6年目。ようやく自分の意思で行動できる環境を手に入れた中で、自戒もこめての今日のエントリでした。
環境は「スタートアップ」の時期で、かつ風当たりは非常に強いのですが、何とかやってみようと思います。

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