18日、おとといの朝日新聞のサイトに『asahi.com:消えゆく東京駅発ブルトレ 「銀河」来春に引退 – 暮らし』という記事があがっていました。

以前乗った(『寝台特急 はやぶさで東京へ戻ってみた』※1)時のことを思い出すと、この決定は「致し方ないのかな」と考えてしまいます。
その理由を端的に説明できるのが、この2枚の写真。


昭和で時が止まった ブルートレイン
[ 1/125sec / F5.0 / 17mm / ISO 1600 /
EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM ]

このアメニティでは人は寄り付かん…
[ 1/30sec / F5.6 / 10mm / ISO 1600 /
EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM ]

まず、開放型B寝台。これがブルートレインの味でしょう!と言われる方は少なくないと思いますが、現実問題として個室が主流の現代ではこれでほかの交通機関と戦うのは難しいのではないでしょうか。
そして、このアメニティ。「ボロい」としか表現できません。
新幹線よりも遅く、そして夜行バスより高いのに、これではブルートレインが勝てるはずもありません。

しかし!

先のエントリでも書きましたように、ブルートレインは家族旅行や時間があるときのチョイスとしてはすばらしい素質を持っています。


子供連れでもらくらく 季節列車として残せないのだろうか?
[ 1/20sec / F8.0 / 28mm / ISO 100 / EF 28mm F2.8 ]

4人家族でB寝台の1セグメントを取ってしまえば、意外にゆったり過ごせるかもしれません。新幹線と違って広々していて遊びやすいですし、かつ他人と常に顔を合わせることもありません。前に乗車したときは、そういうグループも少なからずいらっしゃいました。

そして、日々忙しい方に…。
時を忘れてのんびり移動するのはいかがでしょうか。
僕も世間で言う「IT系企業」「ベンチャー企業」に勤めながら、時間と情報の大海原で毎日もがきながら生きています。そういう日常からふっと離れたくなったときに、暖かく迎えてくれるのがブルートレインなのです。
ぜひ、忙しい人にこそ、乗っていただきたい。

ちなみに、九州を行き来するブルートレインの経路は新幹線・空港が充実しているため、万一何かあってもすぐに飛んで帰れます。行きはブルートレイン、帰りは飛行機(東京?福岡は季節によりますが1時間半くらい)というチョイスも可能です。


寝台特急 はやぶさ&富士は2009年春までの運行予定 ご乗車はお早めに!
[ 1/100sec / F8.0 / 28mm / ISO 100 / EF 28mm F2.8 ]

来年よりブルートレイン引退ラッシュになります。
おそらく、鉄道マニアの方が積極的に切符を取られると思います。引退日が近づくと見物などで駅のホームもすごいことになるはずです。
乗ってみたい方、ご乗車はお早めに。

※1
実は、このブログの過去ログで先月最も読まれたのが、寝台特急はやぶさの記事でした。そんな現実を見ると、思った以上に潜在需要はあるのではないかと考えてしまいます。

「あゝ哀れ 寝台特急はやぶさ 廃止に」に2件のコメントがあります
  1. なみぞうさん>
    カルテット、なんて低コストな個室でしょう!
    お乗りになられたときは、食堂車もあったのですね。いっぺんでいいから列車の食堂で夕飯を食べてみたかったです。
    所要時間、ご指摘のとおり旅情よりも疲れのほうが印象強く残ってしまうかもしれません。東京?福岡は10時間越えますからね。

    このご時勢でよくJR創立20年も持ちこたえたな、もうよかろう、いい思い出にしましょう…と考えています。

  2. カルテットという四人個室という名の、ただのB寝台に扉を付けただけ。なんていうのも昔はあったんですけどね。旅の異動の情緒もいいけど、それに伴う疲れを比べると短い時間の方が、やっぱり選択しちゃうんでしょうね。
    ブルートレインはそれだけで映画になったくらいの尊大だったし、十分に役目を果たしたのではないでしょうか。
    昔九州からの帰りに、ガラガラの食堂車で食べたシチューが案外おいしかったことがなつかしいです。

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