サンフランシスコ出張シリーズが続いております。
ツール・ド・フランスを観戦したのが2014年。またいつか自転車ロードレースのプロツアーを観戦したいと思っていた矢先、東京にいる同僚から「koemuさんが出張中、ツアー・オブ・カリフォルニアがやってるはずですよ」と教えてもらったのでした!これはしめた!!
ということで、先週の日曜日、ツアー・オブ・カリフォルニア (Tour of California)の第1戦を観戦しに米国カリフォルニア州の州都 サクラメントに足を運んできました。その際にGreyhoundというバス会社のバスを使ったのですが、それもちょっと書きます。
(第1戦で勝利を収めたキッテル)
はじめに
ツアー・オブ・カリフォルニアは、今年で11回目。7日間開催されます。ジロ・デ・イタリアに出ないけど強い選手が出る、自転車ロードレース好きなら知る人ぞ知る大会です。今年からUCIワールドツアーと言って、強豪チームのみ入ることのできるグループに仲間入り。格も上がりました。
もちろん今年も有名選手が登場。マイカ、キッテル、そしてサガンが出場。ゴール前のスプリント勝負が盛り上がること間違いなしの役者が揃っています。
第1戦の開催場所は、カリフォルニア州の州都 サクラメント。そう、州都はロサンゼルスでもサンフランシスコでもなく、サクラメントです。僕もこのイベントで知りました!サクラメントはサンフランシスコよりもきれいでコンパクト。ただ、街中に人が歩いておらず、浮浪者も見ず、なんか歩いていると不安になる都市でもありました。
※ただ、Greyhoundのバスターミナルの西から中心に向かう道には浮浪者がたくさんいました。怖くて走って逃げました。
模様
朝9時前にサクラメントに到着して、軽くコースを散策。良い観戦ポイントを見つけて、そこで観ることにしました。自転車ロードレースの観戦は、通り過ぎるほんの一瞬のために観戦することになりまして、待っている間は退屈です。ただ、今回は幸いなことに、女子はクリテリウムで市内を数十周すること、そして男子も最後に市内を3周するので、市内で観る分にはお得な日となっていました。
前座で、ツール・ド・フランスですと、競技前にパレードがありスポンサーからノベルティが配られたりするのですが、ツアー・オブ・カリフォルニアにはありませんでした。
まず、11時過ぎに男子がスタート。一旦、郊外に出ます。その間、女子の最終日のクリテリウムが催されていました。日本では女子プロって聞きませんが、欧米にはあるんですね!もうそれ自体に驚きました。
そうそう、女子の選手の方々も、下手な男子プロと同じくらい体格が良くて、言われたり髪をよく見ていたりしないと女子と気付かないくらいです。日本では女子の模様は伝えられていないかもしれないので、せっかくですからクリテリウム中に撮ったビデオを置いておきます。
そうそう、ビデオを見ていただくとわかりますが、選手が通りかかる時にやる、あの広告の看板をバンバンやるの、楽しいですよ!ただ、選手は本当に目の前を通るので、くれぐれも接触しないように注意。
そして、男子。こちらは日本でもJ SPORTS 4の視聴契約をされている方なら観ることができます/した。ツール・ド・フランスの時も思いましたが、男子は肉体美ってレベルで鍛えられていてすごいです。世界レベルは違うな、と。スプリント中のキッテルを見ているといつも戦車かと思いますが、本当に戦車ですね。
(キッテルを先頭に、サガンとデゲンコルプが追う。)
この日はキッテルが勝利!奥様と喜び合っているのが印象的でした。こういう風景は、テレビの先だけの出来事だと思っていましたが、間近で見られてなんか幸せな気分になれました。
残念ながら2着だったサガン。「はいはい、次・次!」とクールダウンに向かうのが印象的でした。それにしても、サガンはかっこいいですね!
あっ、今回は選手が1日に何度も来るので写真を撮ってますが、選手は通常一瞬かつ1回きりで通り過ぎてしまうものなので、写真なんか撮らずにしっかり自分の目で観戦してください。もし一眼レフで撮るなら、望遠レンズがあると便利です。僕は日本からの荷物が重くならないよう50mm F1.4しか持ってきていなかったのでした。
そうだ、次回があるならそうしたいなーと思ったことがあります。VIPチケットの購入です。
日によって値段が違うのですが、初日は$225でした。高い?って思うでしょう。公式サイトを眺めていて僕もそう思いましたし、多分、日本でいう花火大会の特別観覧席くらいのものだろうとも考えていました、会場に来るまでは。ただ、会場に来てわかったのは、公式サイトに書いてあることも含め以下の特典があるということでした。
- チームプレゼンが間近で見られる (初日だから)
- 飯や飲み物が出る (なんと市内は日曜日ほとんどのレストランが休み!)
- ゴールライン間近で観戦できる (これは想像がつく)
- 選手がいない間オーロラビジョンで模様が見られる (暇つぶしできる)
- 表彰式が間近で見られる (見たかったー)
いかがでしょうか。これに$225払いたいと僕は思いました!もし、今後行かれる方がいたら、ぜひVIPチケットも検討してみてください。
交通 – Greyhoundについて
閑話休題。Greyhoundとは、全米を網羅する長距離路線バス会社です。米国の映画で、貧乏な主人公が長距離バスに乗るシーンを見たことがある人がいるかもしれませんが、まさにあれです。今回は、このバスでサンフランシスコとの間を行き来しました。
サンフランシスコからサクラメントまでは150kmくらいありますが、その区間の運賃が往復$27.50!(税込)。日本では考えられない激安運賃です。ただ、激安なのには訳があります。自分でいろいろ頑張らなくてはなりません。例えば…
- チケットはネット予約で買うほうが安い (これはいい)
- 乗車口は当日の直前に聞かないとわからない (掲示板がない)
- 電源・Wi-Fiはあるけど動かない時がある (往路がダメだった)
- 発車1時間前にはバスターミナルに来たほうがいい (旅客機みたい)
- スタッフは最低限の仕事しかしない (治安はあるがサービスなんてのはない)
という感じです。
後で知りましたが、ネット上の噂によれば「点呼がないので途中で席を立ったら時間になると容赦なく置いていかれる(実際点呼はない)」とか「場所によってはバスターミナルの外は犯罪多発地域(実際オークランドとかやばそう)」など、いろいろあるようです。実際、今日のお昼時にこちらの同僚に「Greyhoundでの米国での旅は、IntermediateかAdvancedレベルの難易度だよ。」と言われました。どうりで緊張感が上がったわけだ…。ただ、帰りの女性のバスの運転手さんの振る舞いが気さくで印象的でした。ずっと乗客と喋りながら運転してましたけど、運転もうまかったです。
乗客の方たちですが、男女それぞれいましたが、英国風に言えばいわゆる労働者階級の人が多いです。そうですね、サンフランシスコで仕事をしていると、接したことのないカテゴリにいる方たちでした。本当に米国は広いし、いろいろな人がいる、そんな中でやっていく必要があるんだなということを体感した出来事でもありました。
とはいえ、僕はたったカリフォルニア州内しか乗っていないのです。Greyhoundの本当の凄さは、州をまたいで乗るような旅をしないとわからないのかもしれません。
僕はこういうの嫌いじゃないです。若い方は、こういう旅もいかがでしょうか。
最後に
ツール・ド・フランスのように、街じゅうでお祭り騒ぎ!とまではいきませんが、素晴らしい天候の中でトップ選手の活躍が見られる、楽しめる大会であることがわかりました。自転車ロードレースの観戦は忍耐がいるので万人にお勧めはできないのですが、積極的に見てみたいと思われた方にはツール・ド・フランスよりは観戦しやすい大会として推せます。
また、道中でアメリカの広さというのを思い知りました。僕は、アメリカの、それもサンフランシスコのほんの一部しか知らないってことを身を持って知った1日となりました。アメリカは広い。