カローラツーリング MT 1.2L ターボを納車 – 今は数少ないMTのファミリーカー

カローラツーリング MT 1.2L ターボを納車 – 今は数少ないMTのファミリーカー

久しぶりに、自分の車を購入しました。カローラツーリングです。それも、純ガソリンのマニュアルトランスミッション車(MT)です。ハイブリッドどころか、純ガソリンのオートマチックトランスミッション車(AT)でもない、まあ好きじゃないと選ばない車種です。先月、教習所に行き直していたのはその伏線です。

10/16(金)に有給を取って(!)納車してから10日ほど走って、約1,000kmとなりました。自腹を切って買った自動車の、ファーストインプレッションをまとめます。

5節「仕様について」「ところでなぜMTを選べたのか」「まずは1,000km弱走ってみて」「最近のトヨタのMT車について」そして「良いところとそうでないところ」に分けて書きました。巷のメディアに掲載されているレビューで書いてなさそうなことを中心に触れたものの、長くなってしまいました。

2021/10/17追記: 納車1年後のまとめを書きました – 「カローラツーリング WxB 1.2L ターボ MT 納車1年を迎えて…確実に仕事をこなす頼もしいヤツ

仕様について

8月のお盆前に注文して、2ヶ月ほどで納車でした。かるーく、仕様をまとめます。

  • モデル: 2019年 WxB (NRE210)
  • 色: ホワイトパールクリスタルシャイン
  • エンジン: 8NR-FTS 1.2L 直噴ターボ (レギュラーガソリン)
  • トランスミッション: 6MT
  • タイヤ: YOKOHAMA BluEarth-GT AE51 215/45 R17 (BridgestoneかYOKOHAMAかは選べないそうです)

装着したオプション(一部)はこちら。

  • 寒冷地仕様
  • ブラインドスポットモニター (BSM)
  • シートヒーター+ステアリングヒーター
  • ナビ: 9インチ ディスプレイ
  • ETC 2.0+ビーコン受信機能
  • リアフォグランプ

だいぶてんこ盛りです。なお、MTのグレードはWxBしかありません。寒冷地仕様は、スキーへ行くため用です。リアフォグランプは、以前に深い霧や豪雨の中、高速道路を走った際にその重要性を感じたことがあったためつけました(欧州車だと標準が多い)。ヘッドアップディスプレイ(HUD)は、相方から「メーターばっかり見て走って危ないと思うからないほうがいいのでは?」と言われ、やめました。iQの充電器もどうせiPhoneをCarPlayでつなげて使うので要らんと想定してつけなかったものでして、実際自分には不要でした。

購入にあたっては、千葉トヨペット 松戸店(トヨタ勝又グループ)さんにお世話になりました。東京に住んでいるのに千葉である(といっても隣の街です)理由を聞きたい方は直接どうぞ。丁寧に対応していただきました。ありがとうございました!

あと、購入時に比較したのは、MAZDA 3 FastbackAudi A3 SportsbackVOLVO V40でした。ステーションワゴンが好きなんですよ、ええ。選定の際、欧州車は家族会議でなくなり、残ったMAZDA 3は感触こそよかったのですが、後ろが見えづらいのが不安になり断念しました。

ところでなぜMTを選べたのか

家族で、僕しか自動車の免許を持っていなかったからです。「奥さんが認めたの?」と聞かれる人がいますが、うちの相方は大型自動二輪の免許しかない(これも驚かれます)ので、運転できないのです。

ただ、買うにあたって話があったこととして、「購入資金は全額自腹」と「教習所に行き直す」がありました。前者は今までレンタカー・シェアカーで賄えたのだから、買うとなれば趣味の範囲でしょう、と言う理由です。後者は、MT車に十何年ぶりに乗るにあたって、改めて練習したのは非常に大きな収穫がありました。MT車を久しぶりに買おうと考えている方は、騙されたと思って教習所へどうぞ。坂道発進、できなくなっているかもですよ…!?

まずは1,000km弱走ってみて

色々気づくことがありますが、とりあえず「これはいいなー」と思った点をまとめます。

トルクフルな1.2L 直噴 ターボエンジン

アラフォー以上の方は、1.2L?コンパクトカーですか?という排気量に見えるはずです。でもです、このエンジン、大変トルクフルです。1,500rpmで最大トルクの185N・mが出るとカタログにはありますが、実際のところそこで十分なトルクが出ます。なので、街中で走っていても大変安心、高速道路でも家族3人乗車で平坦なら5〜6速のままで走っていても速度調整の範囲の加減速は大変容易です。それどころか、昔の車だとノッキングして前に進まない1,000rpmくらいでも進んでしまいます。とはいえトルクバンドは押さえましょう。

ギヤを入れる目安としては、3:4:5:6速 = 40km:60km:80km,100km/h、という感じです。6速 100km/hで1,900〜2,000rpmくらいで回っています。非常に低回転ですね。燃費は、高速メインで今のところ15km/L台を表示しています。

実は、このエンジンは初体験ではなく、昨年カローラスポーツのATを借りた時にその使い勝手の良さを体感していたので、期待通りでした。MT回帰組にとって、非常に安心して扱える懐の深いエンジンといえるでしょう。

なお、まだ慣らし中のため、ぶん回したことはありません。ただ、このエンジンはぶん回す感じのエンジンではない気がします。これはまた改めて。

高架の継ぎ目を乗り越えたときやコーナーの安定性

実は、レンタカーで、何度もカローラシリーズ(スポーツ・セダン・ツーリング)は借りて乗っていました。それも、月2回くらいのペースですから割と頻度は高いはずです(なのでトヨタレンタカーはゴールド会員グレードだった)。その上で申し上げます。G-Xグレードと、WxBグレードの乗り心地は別物です。高架の継ぎ目の乗り越えの収束具合や、コーナリング中のロールの収束速度も別物です。今までのはなんだったのか、と思うくらいに。

アラフォー以上の方は、トヨタのファミリーカーはふにゃっとしたサスペンションだとか、ハンドルのセンターがわかりにくとか、そういうイメージを持たれている方がいるかもしれません。そんな方はぜひ、WxBグレードをお試しください。このスペックでこの値段なら、欧州車よりコストパフォーマンスがいいな、そう感じていただけるはずです。G-Xでいいや、と思っている方も、ぜひ試乗で乗り比べてください。全然違うのがわかるはずです(という話を営業さんにフィードバックしたくらい)。

とはいえ、レンタカーでも使われているG-Xのグレードでも、トヨタの車は変わったなー、いいなーと思ったのが購入のきっかけでもあります、とも付け加えておきます。

劇的に向上したシートのホールド性

僕が欧州車、特に以前乗っていたVOLVOで気に入っていたものがあります。それが、シートです。とにかく、日本車のシートってのは僕の中でイメージは良くありませんでした。ホールド性が低く、長時間座っていると疲れるのです。

しかし、WxBについているシートは、なかなかのものです。オーバー目かつ正常性バイアスがかかっている上で言うと、トヨタの車、劇的に変わったんだと感じました。納車直後に千葉の友人宅から交代しつつ中禅寺湖まで往復しましたが、二人ともそんなに疲れずに乗りこなすことができました。

また、家族を乗せて走ると、相方が後部座席の座り心地がレンタカー(G-X)と違ってよい、と話しておりました。グレード別で購入を検討されている方、シートの面でもぜひ比較して検討してみてください。シートの座り心地は疲れ方に直結するので大変重要です。

最近のトヨタのMT車について

レーダークルーズコントロールはどう動くのか?

これ、あまり巷で語られていないので1番目に書きます。MT車でも、レーダークルーズコントロール(アダクティブクルーズコントロール, ACC)が動きます。ただし、全車速追従ではなく、クラッチとシフト操作は手動です。MT車なので当然ですね。

普通に流れている急勾配ではない高速道路を走っている分には、80km/h制限なら5速のまま、100km/h制限なら6速のまま、ほぼAT車感覚で走ります。なぜなら、先ほど申しましたように、エンジンのトルクが太いので問題なく加速するのです。例えば、外環道で三郷方面から湾岸線や京葉道路に入る時に急勾配を登りますが、シフトダウンしなくてもパワーが足りないと感じることもなく、一定速で登ります。なので、とっても楽に走れます。

ただし、渋滞区間が近づき速度が落ちてきて、トルクバンドを外す1,500回転を切りそうな兆候がある場合は、シフトダウンは必要です。また、3速 30km/hを切ると警報が鳴り手動走行への切り替えが必要で、その後は今も昔も変わらないMT車としての渋滞の対応が迫られます。登り坂だと嫌ですよね…

上信越道の軽井沢に向かって登るところでどうなるのか、今度機会があれば試してみたいと思っています。

サイドブレーキがない!

さて、以下の写真をご覧ください。

アラフォー以上の皆様にはおなじみの、手動のサイドブレーキがございません!パーキングブレーキが電子制御なのです。教習所で坂道発進を習った皆様、これどうするの?って思われますでしょう。僕もそう思ったんです。しかし、最近の車はすごいですね。ちょうど、姉妹車のカローラスポーツのMTの特徴を説明した公式動画がありましたので、ご覧ください。

そうなんです、ブレーキを離した後も坂道で2秒間止まってくれる「ヒルスタートアシスト」と、進むまでブレーキを自動でかけ続けてくれる「ブレーキホールド」という便利機能があるのです。すごい時代ですね。なので、すぐ踏みかえれば発進できます。とはいっても、念のため、納車直後に20年間毎営業日、MT車で通勤している友人に稽古をつけてもらい、ブレーキホールド機能なしで安心して踏みかえで発信できるようになっています。

しかし、いまだにこの電子式パーキングブレーキの操作には慣れません…

iMTについて

最近のトヨタのMT車(YARIS, C-HRなど)には、iMTという機能があります。スタート時にアクセルを自動的に煽ってエンストの確率を減らしたり、スポーツモードにするとブリッピングを自動でやってくれるのです。

特に、ブリッピングは、普通に走っている分には僕のような回帰組が下手にアクセルを煽りながらシフトダウンするよりはるかに上手にやれます。これ、僕よりも先ほどから登場している20年ずっとMTに乗り続けている友人が感動していました。ガチャガチャやって、すげーと言いっぱなしですw もうびっくり。ただ、スポーツ走行で高速にシフトダウンするとさすがに追いつかず手動でヒールアンドトゥしないとダメではありました。

良いところとそうでないところ

個人的な視点になりますが、カローラツーリングの良いところとそうでないところを書きます。

よいところ

  • 経済的で実用的
  • 最近普及している電子制御はだいたいある
  • 良い意味で期待を裏切る運動性能

経済的で実用的なのは本当にそうで、レギュラーで15km/L走り、かつ日本車という修理時などもコスパも良い車です。

そうでないところ

こういうのも書かないとフェアじゃないと思うので書きます。

  • ブランドはあくまでもトヨタのカローラ プレミアム感はない
  • ロードノイズを割と拾う 気になる方はLEXUSかな?
  • めっちゃパワーがあるわけではない
  • 純ガソリン車はMTのほうがATより高い

まず、プレミアム「感」はないです。やっぱり看板はトヨタのカローラです。ただ、米国にいる元同僚とかは「カローラは良い」とか言ってくれたりして、日本以外での評価は違うのかもしれません。逆に、アラフォーより上の世代には「贅沢してない感」を出せたりします(?)。

次に、エンジンやロードノイズは結構拾います。静かな車が欲しい方は、LEXUSとかを買った方がいいです。逆に、MTだとエンジン音が聞こえるおかげで、シフトチェンジのきっかけを捉えるのに悪くはありません。

そして、この車、トルクはあると言っても、116psとめっちゃパワーがあるわけではないです。5月に限定 500台でゴールデンウィーク中に売り切れたらしい、170ps 2L NA(M20A-FKS)が採用されたグレードがもし標準でラインナップされたら、状況は変わるかもしれません。または、パワフルなグレードがラインナップされている欧州車を選ぶか、でしょうか。

最後に、なんと、AT車よりMT車のほうが高い!という事実があります。2020年10月時点で、税抜108,900円の差があります。エンジンが1.8L NA(AT)と1.2L 直噴ターボ(MT)の大きな違いがあるとはいえ、アラフォー以上の皆様にとっては、MTの方が安いという常識がもう通用しないことをお伝えします。

まとめ

ここまで、カローラツーリングを納車して1,000km弱走った上でのファーストインプレッションを書いてきました。1.2L 直噴ターボエンジンは非常に実用的で扱いやすいこと、欧州車の他のCセグメントの車にも負けない乗り心地とハンドリング、そしてAT車でもおなじみのレーダークルーズコントロールをはじめとした電子制御機能も100%ではないものの割と使えることをお話ししました。

MT車は、特にファミリーカーでは絶滅危惧種となりました。スポーツモデルでさえ高級車は2ペダルが主流です。それでもあえてMT車が欲しい方は、もう物好きとしか言いようがありません。ちなみに、先の友人と、同じ価格帯でもし好きな車に乗るとしたらと何かとなった際、MAZDA Roadster (ND型)という結論になりました。本当はRoadsterに乗りたいけれど、家族がいるしなぁ…という方に、良い選択肢の一つになればと思います。

そして、ファミリーカーにMTを残してくれたのは、個人的には豊田 章男 社長の想いが詰まっていると個人的には考えています。そして、豊田 章男さんが社長でいる限り、Fun To Driveにつながる取り組みが続くのではと期待しています。

ちなみに、大々的な納車式のようなものはなく、牧歌的な感じで納車を終えました。盛大なのは欧州車を買った時に経験したんで、十分です。

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