Canon EOS用の交換レンズ、EF 50mm F1.4 USM

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今日はこのレンズについて、簡単な紹介、絞りのこと、そして手に入れる価値についてお話ししたいと思います。

簡単な紹介

メーカーを問わず一般的に50mm F1.4というと、いわずとしれた標準レンズです。いわゆるフルサイズセンサーまたは35mmフィルムで撮影する時に、見た目に近い画角で撮影できることから基本となっているようです。また、ズームレンズに存在しないF1.4という明るさは、シャッタースピードを稼ぐためにも良し、ボケ味を出すにもまた良しです。ほぼ全てのメーカーから発売されているようです。

そんな特性から、写真学校でもよく使われるのだと聞いたことがあります。

ここからはCanonのEF 50mm F1.4 USMについてです。

このレンズ、写真家ですと、思わず笑ってしまうような人物写真を撮る梅 佳代さんも使われています。

僕はいろいろ持っているレンズの中で、このレンズが一番好きでよく使っています。元々はEOS 7(フィルム)で使っていたのですが、最近になりEOS 6Dを手に入れてようやくデジタルでも楽しめるようになりました。そのため、利用頻度はより増えています。

絞りの魔術

僕はこのレンズの絞り解放の写り方は、自分が試されている感があって本当にワクワクします。ピントが合っている領域は当然狭く、合っている所さえもホワ〜ンとした写り方をします。

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1980年代後半に発売されたせいか、昨今のデジタル一眼レフカメラにあわせて設計されたレンズのように、シャキッとした写り方をしません。周辺の光量もどーんと落ちます。一般的には、この傾向は良い光学特性のレンズとは評価されません。ただ、僕はちょっと違うと思っています。これは表現であり、かつこのレンズだから成せる魅力なんだと理解しています。

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今年の1月に子供が生まれたのですが、このタイミングでこのレンズが使えたことが嬉しいです。

続いて、1段〜数段絞る(F2.0〜F5.6)とどうなのでしょうか。この絞りだと、解放の時にあった強い個性は徐々になりを潜め、正確さを出せるようになってきます。

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個性は抑えながらもボケの量を維持できるため、写したいものを意図してはっきり際立てさせることができます。

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以前、デジタルではAPS-Cセンサーを搭載したEOS 50Dでは換算ミリ数が近いEF 28mm F2.8を使っていました。これを使えば画角はほぼ一緒ですが、そう言う問題ではないことを再認識しています。ボケ味をはじめとした、レンズの味のコントロールという点では楽しみ方は、フルサイズセンサーとこのレンズだからこそたしなむことができます。

さて、パンフォーカス(F8以上)ではどうでしょうか。

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シャキッとピントが合うようになり、安心感があります。また、まるで広角レンズを使ったような奥行き感も出せます。自分のフットワークによって、いろいろな個性を垣間見えるのがまた楽しみであったりします。

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ズームレンズで必要な「レンズの繰り出し量を考える」プロセスが無くなることで、構図により意識を向けられるのが単焦点レンズの特徴であり利点だと言われます。従って「写っちゃう」という感覚はなくなり、撮影者が何を見ているかはっきりと見えてくるレンズであるのでしょう。

手に入れる価値

Canonのフルサイズ一眼レフカメラを使っていて、このレンズには次の点に価値があると僕は考えました。

  1. 撮影の幅が広がる
  2. 価格が高くない
  3. 管理しやすい

1は、先にも述べましたとおり、体を動かしたり、F値を変化させる行為を通じて、撮影の幅を広げる楽しさが広げられました。特に、絞り解放時の個性的な写り方は他では味わえません。このレンズを使った後に、ズームレンズや違う焦点域のレンズを使うと、とても正確に撮りやすく感じます(必ずしも楽しい訳ではありません)。

2は、上はEF 50mm F1.2L USMという6桁円するレンズ、そして下はEF 50mm F1.8 STM or IIという「撒き餌」と呼ばれるレンズがいます。上はEOS 6Dボディより高くなりましてなかなか勇気が要りますし、下だと実際使ってみた感想として価格は手頃なものの先ほどお話ししたレンズの性格を楽しむ感じにはなりません。その上で、このレンズは中古だとおおよそ3万円台と考えると、価格に比べて得られる価値が高いと言えるのではないでしょうか(僕も中古品を使っています)。

3は、小さめの標準キットズームレンズとほぼ同じような重量とサイズであるため、取り回しが良いのです。重いと持ち運びはもちろん撮影時も大変ですし、特に長時間撮影していると体に結構きます。また、大きいと保管場所をとります。

まとめ

これまで、EF 50mm F1.4 USMについて、簡単な紹介、絞りのこと、そして手に入れる価値について書いてきました。値ごろ感があり、フットワークを使いやすく、そして絞り解放での写り方に魅力を感じていることをお伝えしました。

フルサイズ一眼レフカメラはボディがまだまだ高いので手に入れるのを躊躇するのですが、もしレンズに悩んでいるのでしたら、いっそのこと予算も安く済ませつつも楽しめるこのレンズはいかがでしょうか。よい伴侶としてきっと楽しい時間を過ごせるでしょう。